【懐かしい】令和でも注目の「昭和レトロ」、家に取り入れる実例集

昨今、平成生まれの若者世代で「昭和レトロ」が注目されています。使い捨てカメラや純喫茶、レコードなど時代遅れにも思える昭和レトロですが、その温かみを魅力に感じる若者世代の間でブームになっているのです。

今回はその魅力に迫り、身近なところから取り入れられる「昭和レトロ」をたっぷりと紹介していきます。

昭和レトロはなぜ人気?

昭和感たっぷりの部屋
昭和レトロの温かみが、令和の若者たちに人気(画像素材:PIXTA)

平成の終わりごろから令和に入ってもなお、昭和レトロは長い間ブームになっています。昭和を経験していない若者たちの間では、銭湯やカセットテープ、純喫茶といったものに「昭和を感じる」といった声も聞かれます。

昭和レトロのブームにより、2021年5月に、埼玉県の「西武園ゆうえんち」は1960年代をイメージした商店街として一部エリアを大型リニューアルしました。当時の雰囲気を知っている世代には懐かしさを感じる場所である一方、平成生まれの若者の間では親や祖父母が着ていたファッションアイテムを身に付けて訪れ、写真を撮る人が増えていると言います。

しかしながら、なぜ昭和レトロは、こんなにも人気なのでしょうか。

今の時代、SNS映えするキラキラとした飲食物やインテリア、人気スポットがあふれています。そんな中で、「古臭さ」を含む昭和レトロは、進歩した時代に育ってきた若者からすると、かえって「温かみがある」「丁寧に暮らしていた時代」「雰囲気があっておしゃれ!」といったように魅力を感じられるのです。

もちろん若者だけでなく、昭和の時代を体感している人にも「懐かしい」「青春時代を思い出す」と再ブームを巻き起こしています。

身近なところから昭和レトロを取り入れるには

そんな温かみを感じさせる昭和レトロ。身近な生活の中に取り入れて、昭和独特の雰囲気に浸ってみてはいかがでしょうか。簡単に取り入れられる昭和レトロのアイテムやアレンジなどを衣・食・住に分けてご紹介します。

 衣 〜洋服編〜

昭和ファッションな女性
昭和レトロファッションはSNS映えも(画像素材:PIXTA)

まずは、手軽に「洋服」から少しずつ取り入れてみるのも良いでしょう。ヴィンテージの古着屋で探す以外にも、まさに昭和を生きてきた親、祖父母の着ていたものを譲ってもらうことで本格的な昭和レトロコーデの実現が可能です。全身のコーデが難しければ、まずはアクセサリーやスカーフ、帽子といった小物から取り入れてみましょう。

洋服で取り入れるのであれば、1枚で簡単に昭和レトロの雰囲気を演出できるワンピースがおすすめです。今流行りのくすみカラーとは異なる派手な色や、幾何学模様や花柄などのクラシカルなデザインは昭和レトロならではの雰囲気。ヴィンテージの小物と合わせたり、デニムやスニーカーと合わせてカジュアルダウンさせたりするのもおしゃれです。

コーデに慣れてきたら、次は髪型も工夫してはいかがでしょうか。

さまざまな昭和ヘアスタイルがありますが、最近注目されているのは「フィンガーウェーブ」という髪型です。前髪がゆるいウェーブになっている髪型で、和装にも洋装にも似合うので、成人式や結婚式に取り入れる人も増えています。セルフでヘアセットできる簡単なヘアスタイルでもあるので、ぜひチャレンジしてみてください。

食〜食べ物編〜

純喫茶のイメージ
昭和レトロにより再注目される純喫茶(画像素材:PIXTA)

食べ物で気軽に「昭和レトロ」な気分を味わうなら、昔ながらの純喫茶へ訪れるのがおすすめです。ケチャップ味のクラシックなナポリタンや、昔ながらの固めのカスタードプリン、本格的なドリップコーヒーを昭和レトロの雰囲気とともに味わえるでしょう。

また、自宅で昭和レトロが感じられる「クリームソーダ」を作るのも人気です。市販のメロンソーダや炭酸飲料にバニラアイスを浮かせ、アメリカンチェリーを乗せるだけでSNS映えする1枚が撮影可能です。きれいに作るためのコツは炭酸飲料に入れる氷の量を多めにすることです。

住〜家具編〜

ちゃぶ台と座布団
コンパクトなちゃぶ台はひとり暮らしのインテリアにもおすすめ(画像素材:PIXTA)

インテリアで昭和レトロを演出するなら、ウォールシェルフやベッドシーツにポップな色や柄を取り入れるのがおすすめ。そこへ、レトロな風合いのポスターや絵葉書を飾れば、部屋の一部だけでも昭和レトロを演出できます。

さらに、昭和レトロの水回りは「モザイクタイル」が鉄板。ホームセンターやインターネット通販から簡単に購入できるタイル風のシールを使い、昭和レトロな水回りをDIYしてみてはいかがでしょうか。賃貸の部屋でなければ、本物のタイルを貼っていくとより本格的です。

昭和レトロを感じさせる家具としては、ちゃぶ台や文机といった机もおすすめです。多くは折りたたんで移動させることもできるため、ひとり暮らしのワンルームはもちろん、テレワークのためのスペース作りにも便利です。ただし、当時の日本人のサイズに合わせて小さく作られていることから、座ったときに窮屈に感じることもあるかもしれません。事前にサイズを確認し、余裕を持ったものを選ぶようにするのが望ましいでしょう。

レトロな照明器具
レトロな照明器具(画像素材:PIXTA)

そして昭和の時代に家でよく見られたのが、温かみの感じられる照明器具です。シンプルながら乳白色の照明が優しくお部屋を照らしてくれる平笠シェード、ポップな色合いとフリルが特徴的なプラスチック製のペンダントライトは、昭和レトロのインテリアには欠かせないアイテムです。「デザインに惹かれて購入したら、規格が合わなかった」なんてことがないよう、ソケットが自宅の照明に合っているものか確認しておくようにしましょう。また、アンティーク店で販売されている照明器具は配線が劣化している可能性があるため、事前に修理店で検査をしてもらうと安心です。

住〜床編〜

和室と座布団
畳は落ち着くリラックススペースにも(画像素材:PIXTA)

昭和レトロの雰囲気を演出するには、お部屋を大きく変えることもひとつの方法です。

現在はライフスタイルの欧米化が進んだことにより、和室のある家も減少しつつあります。既存の住宅に新たに畳を張ろうとしても、床の高さが合わなかったり、多額の予算が必要となったりとハードルが高いと感じる人もいるでしょう。

しかし、張るのではなく、敷くタイプの畳を使えば、簡単に部屋の一角を和室のようにすることが可能です。掃除も畳を移動させれば掃除機をかけたり、拭いたりと清潔に使用できます。

同じく“市松貼り”と呼ばれる「正方形を規則的に組み合わせた」フローリングもまた、どこか懐かしい雰囲気の印象を演出できます。フローリングを貼り替えるのは大規模な工事となってしまいますが、フローリングシートを使えば、賃貸物件でも簡単にフローリングの雰囲気を変えられます。

住〜雑貨編〜

昭和レトロなガラスコップ
ガラスの食器は昭和レトロの雰囲気をよりアップ(画像素材:PIXTA)

レトロな家具だけでなく、昭和の時代に使われていたような雑貨を取り入れると、よりレトロ感が増します。

たとえば花柄が描かれたグラスは、ポップでかわいらしく、値段も安価であることから若者たちに注目されています。同じく、昭和の家庭では、蓋付きの卓上保存容器が“ボンボン入れ”と呼ばれて親しまれてきました。現在はお菓子だけでなく、アクセサリー入れとして活用している様子がSNSにもアップされています。似たようなもので、花柄のポットなどもお部屋に置いてあるだけで昭和レトロな雰囲気を醸し出すことができます。現在は昔のデザインが復刻されて発売されていたりなどします。

また、木でできた裁縫箱は、複数の段にわけて裁縫道具が入れられるため収納力が高く、落ち着いた色合いでどんなお部屋にも合う便利なアイテムです。使い込むほどに味わいが増すため、かつては母から子に受け継がれることも珍しくなかったと言います。見た目もレトロで、昭和の雰囲気をぐっと高めてくれるでしょう。

【参考】昭和レトロを取り入れた家

Instagram画像
どこか懐かしさを感じる、落ち着いた台所(たえ子さんのInstagramより)

宮崎県にある築96年の古民家で暮らしているたえ子さんは、どこか落ち着く雰囲気を持った素敵なお住まいをInstagramで紹介されています。台所は床や壁の木材が落ち着いた色合いで、美味しい食事が楽しめそうですね。

Instagram画像
かわいらしい昭和レトロアイテムが揃うお部屋(ちるちるちぃこさんのInstagramより)

昭和レトロを感じさせる家具や小物を取り入れたお部屋にお住まいの、ちるちるちぃこさん。レトロな時計やスノードーム、扇風機など、カラフルなアイテムを活用すると、素敵なお部屋になることでしょう。

まとめ

本記事では、身近な生活の中に簡単に取り入れられる「昭和レトロ」をご紹介してきました。

昭和レトロの一番の魅力は、「今、あるもの」「今、できること」で家事や人とのコミュニケーション、プライベートの過ごし方をはじめとする日常生活を最大限楽しむこととも言えます。コロナ禍により不自由に感じるシーンも多いかもしれませんが、そんなときこそ、不自由まで楽しみに変わる昭和レトロを取り入れてみると、いつもと違った風景が見えてくるかもしれません。

【監修者】
早稲田大学レトロ研究会

2018年創設の早稲田大学生によるインカレサークル。昭和、平成のレトロな歌謡、歌手、アニメ、漫画、建物、場所、雰囲気などが好き、もしくは興味がある学生により構成されている。主な活動内容として、レトロな場所の探訪、興味分野に関する意見の共有・交換、80年代風アイドルのプロデュースなどが挙げられる。

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