2021年も師走へと入り、冬らしい寒さを感じることが多くなってきました。新型コロナウイルスの感染拡大は未だ抑えられている状況ですが、新たな変異株のリスクが日本経済へどのように影響していくかが懸念されます。2021年12月における【フラット35】金利動向を見ていきます。
2021年12月の【フラット35】金利
今月の全期間固定金利型住宅ローン【フラット35】(買取型)の金利(最低金利)は融資率9割以下、返済期間21~35年、機構団信を含めて1.33%となり11月から据え置きに。融資比率9割以下・返済期間15~20年の金利は1.21%と、同様に据え置きとなりました。
ARUHI住宅ローンの実行金利一覧
建設費または購入価額(以下、物件価格)の1割~5割の頭金があれば、従来のARUHIフラット35よりさらに低金利で利用できる、ARUHIスーパーフラットの各種商品の金利は以下の通りです。
物件価格の5割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット5」(※団信込み)は1.12%。
物件価格の4割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット6」(※団信込み)は1.16%。
物件価格の3.5割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット6.5」(※団信込み)は1.17%。
物件価格の3割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット7」(※団信込み)は1.18%。
物件価額の2.5割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット7.5」(※団信込み)は1.19%。
物件価格の2割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット8」(※団信込み)は1.20%。
物件価格の1.5割以上の頭金があり、年収に対する年間返済額「返済負担率」が20%以内であれば利用できる「ARUHIスーパーフラット8.5」(※団信込み)は1.25%となっています。
物件価格の1割以上の頭金があり、年収に対する年間返済額「返済負担率」が20%以内であれば利用できる「ARUHIスーパーフラット9」(※団信込み)は1.28%となっています。
最新の住宅ローン金利はこちら→【ARUHIフラット35】
まとめ
最後に今月の金利変動について、不動産や金融についてその業界の人に匹敵する知見をもつ、公認会計士ブロガー千日太郎さんにまとめていただきます。
11月の金利上昇を抑えたため12月の【フラット35】金利は横ばい
長期金利は下がり、機構債の表面利率も下がったのですが、2021年12月分の【フラット35】(買取型)の金利は前月から横ばいとなりました。
機構債の表面利率が発表された前日の長期金利終値は0.07%と前月から0.02ポイント下がりました。これに対して機構債の表面利率も0.36%と前月から0.02ポイント下がっています。通常であれば【フラット35】(買取型)の金利も同じく0.02ポイント下がるのですが、1.33%と前月から横ばいとなっています。【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組み(※)からすると少しイレギュラーな動きだと言えます。
【フラット35】は金融マーケットから直接資金を調達してわたし達に融資する仕組みであるため、長期金利の動向をダイレクトに反映しやすのですが、その一方で公的融資であることから、急激な金利変動の影響を緩和する傾向があるのです。これまでにも金利が急上昇する局面で【フラット35】の上昇が抑えられたことがありましたが、ここまで抑えられたのは珍しいです。
10月から11月にかけて長期金利が急上昇したのに対して、【フラット35】の金利上昇を抑えてなだらかに上昇させたために、長期金利が下がったときにはなだらかに下げるという論理です。
機構債の表面利率と【フラット35】の金利差は10月に0.97ポイントであったのですが、11月には0.95ポイントに減り、12月には再び0.97ポイントに戻っています。そのため、今後は11月のような著しい上昇が無い限り、長期金利と機構債の表面利率、【フラット35】の変動幅は同じになっていくものと考えられます。
※【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組み
住宅ローンの【フラット35】(買取型)は、下図のように住宅金融支援機構が民間金融機関から債権を買い取って証券化し、機関投資家に債券市場を通じて機構債という形で販売するという仕組みになっています。
この機構債は毎月20日前後に表面利率を発表し募集します。投資家たちは機構債を国が取り扱う安全な債券という考えで購入しますので、機構債の表面利率は国が発行する債券=10年国債の利回り(長期金利)に連動する傾向があります。
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