地震保険料控除証明書は、保険料控除を受けるのであれば、年末調整や確定申告で必要となる書類です。
そのときになって、地震保険料控除証明書が見当たらないと焦りますよね。地震保険料控除証明書は、例年10~11月にかけて自宅へ送付されますが、必要となるときまでに紛失してしまうケースも少なくありません。
そこでこの記事では、地震保険料控除証明書をなくしてしまったときの対処法や注意点などについて解説します。
地震保険料控除証明書とは
地震保険料控除証明書とは、地震保険に加入して掛け金を支払った事実を証明するためのものです。
保険の種類、保険期間、被保険者名、保険の対象、控除の対象となる保険料の額などが記載されています。保険証券の原本に小さい枠で付属しているか、ハガキなどで送られます。
サイズはそこまで大きくなく大切な書類だと気づきづらいですが、会社の年末調整や確定申告の際に必要となりますので、捨てずに保管しておきましょう。
地震保険料控除とは
地震保険に加入して保険の掛け金を支払っている場合、給与所得や事業所得のある人は、課税所得から一定額を控除されます。
2007年分以降は、損害保険料控除が廃止されましたが、経過措置として2006年12月31日までに加入した10年以上の契約の損害保険も地震保険料控除の対象となりました。年末調整や確定申告で地震保険料控除証明書を添付することで、所得税や住民税で控除を受けられます。
地震保険料控除証明書をなくしたらどうなる?
地震保険料控除証明書は、契約時と継続更新をした際には保険証券や保険契約継続証に付属しています。保険証券の端に切り取り線で四角く囲まれた控除証明書が付属し、それを切り離して使用するケースもあります。
契約の次年度以降は、控除証明書ハガキなどが郵送されるため、控除証明書部分を切り取って会社や税務署に提出してください。
ハガキで郵送されると、ダイレクトメールと間違って処分してしまうこともあるかもしれません。しかし、地震保険料控除証明書は、年末調整や確定申告で必要になる書類で、提出できないと控除が受けられません。
年末調整までに提出できないときは、確定申告で申請することも可能ですが、なくしてしまったときは早めに再発行の手続きを行いましょう。
地震保険料控除証明書を再発行する方法
加入年の次年度以降は、地震保険料控除証明書は年末調整の手続きが始まる前の10月~11月頃に、保険会社から契約者あてに郵送されます。どうしても見当たらない場合は、再発行を依頼しましょう。以下に、地震保険料控除証明書の再発行方法を解説します。
保険会社に連絡する
まずは、契約している保険会社に連絡し、再発行の手続きを始めましょう。
問い合わせや再発行依頼の受付窓口は保険会社によって異なり、電話やインターネット、チャットサポートなどさまざまです。契約している保険会社のホームページなどで問い合わせ方法を調べてみるとよいでしょう。
問い合わせや再発行の受け付けには、保険証券番号が必要になるため、あらかじめ手元に準備しておくとスムーズです。
保険会社によっては電子データでの発行も可能
昨今のペーパーレス化推進の流れにより、各種の保険料控除証明書を電子データで発行している保険会社も増えています。確定申告などでは、すでに電子申告が取り入れられ、紙の書類ではなく電子データでの提出が可能です。
電子データであれば、現物を保管する必要がないため、なくしてしまう心配もありません。ただし、大手の保険会社から順次電子データ提供が行われているとはいえ、まだまだ未対応の会社もあります。
地震保険料控除証明書をなくしたときの注意点
地震保険料控除証明書をなくしてしまったときは、以下のことに注意しましょう。
再発行には時間がかかる
地震保険料控除証明書などの控除証明書を万一なくしてしまっても、保険会社に連絡すれば再発行されます。
ただし、再発行を依頼してもすぐに発送されるわけではありません。依頼をしてから書類が手元に届くまでに、一週間程度はかかる可能性もあります。年末調整や確定申告の時期は再発行を希望する人も増えるため、より時間がかかることもあるでしょう。
地震保険料控除証明書をなくしてしまったときは、年末調整や確定申告の期限に間に合うよう早めの再発行手続きをとってください。
住所変更があると再発行にはさらに時間がかる
引っ越しで地震保険の契約住所が変わった場合は、速やかに保険会社へ届け出でるようにしましょう。
届け出をしなければ、地震保険料控除証明書が以前の住所に郵送されてしまいます。また証明書に記載されている住所も旧住所のままとなります。
住所変更と再発行の手続きを同時に行えるため、通常の再発行時よりにさらに時間がかかるかもしれません。引っ越しの際に地震保険料控除証明書をなくしてしまうケースは多いため、十分に注意してください。
旧姓の地震保険料控除証明書も使用可能
結婚や養子縁組で保険契約者の名字が変わった場合は、改姓届の手続きが必要です。
手続きが間に合わず旧姓の名義のままの地震保険料控除証明書が届いた場合は、新たに取得し直さずにそのまま年末調整や確定申告で使用できるでしょう。
ただし、場合によっては改姓の事実がわかる公的書類などの提出が必要になることもあります。あるいは、いったんは旧姓のままの書類が受理され、後日、改姓後の正式な書類を再提出するよう求められることがあるかもしれません。
年末調整の場合は勤務先、確定申告するなら管轄の税務署に確認してみましょう。
まとめ
地震保険料控除証明書は、年末調整や確定申告の所得控除のために必要な書類です。保険会社から送られてきた書類を添付すれば所得税と住民税の軽減措置が適用されます。
もし、地震保険料控除証明書をなくしてしまった場合は、書類の提出期限までに間に合うよう、なるべく早く再発行を依頼しましょう。
万一、会社の年末調整に間に合わない場合は、個人で確定申告による修正も可能です。ただし、手間がかかるため、なるべく年末調整に間に合うよう準備を整えるとよいでしょう。