自宅で使用している電気代について、内訳を確認したことはあるでしょうか。電気代を節約するためには、電気代の内訳まで把握することが重要なポイントとなります。
今回は、電気代の内訳について解説します。内訳の確認方法や電気代を節約する方法についても解説するため、ぜひ参考にしてください。
電気代の内訳とは?
電気代は「基本料金」「電力量料金」「再エネ賦課金」の三つを合計した金額です。これらはそれぞれ異なる基準に基づいて計算されています。
基本料金
基本料金は、電力の使用量とは関係なく毎月一定の金額がかかる仕組みで、契約しているアンペア数によって決まっています。電力の使用量が少ないなら、契約アンペア数を下げると基本料金を安くすることができます。アンペア数は電気の使用状況に応じて契約しましょう。
ただし、電力会社の料金体系や料金プランによっては、基本料金が定められていないケースもあります。その場合、基本料金の代わりとして最低料金が設定されていたり、基本料金がかからなかったりします。契約している電力会社の料金体系や料金プランをよく確認し、基本料金の有無や金額をチェックしてください。
電力量料金
電力量料金とは、「電力量料金単価×1ヶ月の使用電力量」と「燃料費調整単価×1ヶ月の使用電力量」を合計して算出される料金のことです。
電力量料金の単価は段階ごとに決められています。第1段階(1~120kWh)、第2段階(121~300KWh)、第3段階(300kWh超過分)に分けられており、段階が上がって使用電力量が多くなるほど電力量料金の単価も高くなる仕組みです。
一方、燃料費調整単価とは、原油、液化天然ガス、石炭などの燃料の価格変動をもとに毎月決定される単価です。月によって変動があり、加算または減算されます。燃料費調整単価は、契約の種類ごとにそれぞれ算出されています。
再エネ賦課金
再エネ賦課金は「再生可能エネルギー発電促進賦課金」のことであり、国が実施している固定価格買取制度の費用を利用者が負担するための料金制度です。固定価格買取制度とは、太陽光や風力などの再生可能エネルギーで生み出された電力を電力会社が買い取る制度のこと。この制度は国が主導しており、一定期間、電力会社は再生可能エネルギーで生み出された電力を買い取る義務があります。再生可能エネルギーによる発電を促進する目的で再エネ賦課金が設けられました。
再エネ賦課金の単価は、2021年9月時点で3.36円/kWhとなっています。再エネ賦課金は電力使用量に応じて決定されますが、年を追うごとに単価そのものが高くなっています。よって、電力使用量を減らしても再エネ賦課金は高くなる可能性があることを覚えておきましょう。
電気代の内訳を確認するには?
電気代の節約のためには、毎月の電気代の内訳をきちんと確認することが重要です。実際の電気代の内訳を確認するには、どうすればいいのでしょうか。ここでは、電気代の内訳の確認方法について解説します。
紙の検針票で内訳を確認する
電気代の内訳は紙の検針票で確認できます。旧一般電気事業者と従量電灯の契約している場合は、紙の検針票が届きます。旧一般電気事業者とは、北海道電力、東北電力、東京電力、北陸電力、中部電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力のことです。ただし、紙の検針票を有料で配布しているところもあるため、紙の検針票が届いていない場合は契約している電力会社に確認してみましょう。
旧一般電気事業者以外の業者と契約しているなら、基本的に自分で手続きをしないと紙の検針票は受け取れません。希望すると有料で紙の明細書を送付してもらえます。紙の明細書で電気代の内訳を確認したい場合は、業者に申請を行いましょう。
Web上の明細から内訳を確認する
電気代の内訳は、Web上で閲覧できる明細書でも確認が可能です。旧一般電気事業者であっても、紙の検針票を廃止してWeb上の明細書に切り替えているところも増えています。たとえば東京電力の場合、2020年11月分以降は紙の検針票からWeb明細へ順次変更されています。以前まで届いていた紙の検針票が届かなくなったなら、電力会社のWebサイトをチェックすると明細書を確認できるでしょう。
旧一般電気事業者以外の業者の場合、電気代についてはWeb上の明細書で通知しているところがほとんどです。基本的に紙の検針票は届かないため、Webサイトのマイページから明細書を確認してください。
電気代を節約する方法
電気代を節約するためには、電気代の内訳を確認したうえで契約内容や日々の電力の使い方を見直す必要があります。ここでは、電気代を節約するためにできることについて説明します。
料金プランや電力会社を見直す
各電力会社は、利用者が自分のライフスタイルにあわせて料金プランを選べるよう、豊富な料金プランを用意しています。
世帯によって、電気の使用量が多いところもあれば夜間電力を多く使うところもあります。また、1人暮らしの世帯は、複数人で暮らしている世帯よりも電気の使用量は少なめです。世帯の状況にあわせて最適な料金プランを選ぶと、いまよりも電気代を安くできる可能性が高いです。
また、なかには特別な割引制度を用意している電力会社も存在します。たとえば、ガスやスマートフォンなどとともに電気の契約をすると、セット割を受けられる場合があります。ポイントが貯まるプランを設けている電力会社もあるため、自分にあう電力会社を探して契約しましょう。
使用する電力量を減らす
電気代を節約するには、日々使用している電力量を減らすことも重要です。使っていない家電の電源は、こまめに切るようにしましょう。また、省エネ性に優れている家電に買い替えるのも一つの方法です。
さらに、家電の使い方にも気をつけましょう。たとえば、エアコンは設定温度を調節し、必要以上に電力を消費しないようにする必要があります。エアコンの効果を下げないためには、定期的な掃除も必要です。ちょっとした心がけ次第で電気代の節約につなげられます。
まとめ
電気代の内訳には、基本料金、電力使用量、再エネ賦課金が含まれています。電気代がどの程度かかっているか確認する際は、内訳までチェックすることが大切です。
電気代を節約するためには、契約している電力会社、料金プラン、アンペア数などを見直す必要があります。また、日々の電気の使い方を振り返り、電力の使用量を削減することも重要です。電気代の内訳をきちんと確認したうえで、無理なく電気代を節約できるようにしましょう。