東京都内では1日の新型コロナウイルス新規感染者が3,000人を超え、感染拡大が続いています。家計に目を向ければ、夏のボーナスが減ったり、カットされた家庭も少なくありません。このような状況での、2021年8月の【フラット35】金利動向を見ていきたいと思います。
2021年8月の【フラット35】金利
今月の全期間固定金利型住宅ローン【フラット35】(買取型)の金利は融資率9割以下、返済期間21~35年、機構団信を含めて1.28%となり7月から0.05%の引き下げ、融資比率9割以下・返済期間15~20年の金利は1.15%となり、同じく0.05%の引き下げとなりました。
ARUHI住宅ローンの実行金利一覧
建設費または購入価額(以下、物件価格)の1割~5割の頭金があれば、従来のARUHIフラット35よりさらに低金利で利用できる、ARUHIスーパーフラットの各種商品の金利は以下の通りです。
物件価格の5割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット5」(※団信込み)は1.07%。
物件価格の4割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット6」(※団信込み)は1.11%。
物件価格の3.5割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット6.5」(※団信込み)は1.12%。
物件価格の3割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット7」(※団信込み)は1.13%。
物件価額の2.5割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット7.5」(※団信込み)は1.14%。
物件価格の2割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット8」(※団信込み)は1.15%。
物件価格の1.5割以上の頭金があり、年収に対する年間返済額「返済負担率」が20%以内であれば利用できる「ARUHIスーパーフラット8.5」(※団信込み)は1.20%となっています。
物件価格の1割以上の頭金があり、年収に対する年間返済額「返済負担率」が20%以内であれば利用できる「ARUHIスーパーフラット9」(※団信込み)は1.23%となっています。
最新の住宅ローン金利はこちら→【ARUHIフラット35】
まとめ
最後に今月の金利変動について、不動産や金融についてその業界の人に匹敵する知見をもつ、公認会計士ブロガー千日太郎さんにまとめていただきます。
2021年8月の【フラット35】金利は大幅低下
2021年8月分の【フラット35】(買取型)金利は前月から0.05ポイント低下の1.28%となり、4ヶ月連続で下がっています。
長期金利の低下は0.05ポイントであり、機構債の表面利率の下がり幅は0.05ポイントとなりました。そして【フラット35】(買取型)の金利も同じく0.05ポイントとなっています。【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組み(※下記に詳細を解説しています)からすると順当な金利の低下と言えます。
そして1.3%台を下回る水準となったのは2021年1月の1.29%から7か月ぶりであり、2021年で最も高かった4月の1.37%よりも0.09ポイントも低い水準です。今のところ2021年度で最低金利となっています。
2020年3月のコロナショックから2021年8月までの【フラット35】(買取型)の適用金利の推移をグラフにしてみました。
最も低金利となったのは最初の緊急事態宣言が発出された2020年3月の1.24%ですが、その後すぐに上昇して2020年は1.3%あたりで推移しました。2021年に入ってからは大きく上昇したものの5月から下がり始めて今に至ります。
対象期間の【フラット35】(買取型)の適用金利の平均値は1.31%ですから、2021年8月の1.28%はコロナ環境下における平均を下回る金利であると言えます。2021年度に入ってから平均を下回ったのは、今のところ1月と8月のみです。
金利動向を読むカギとなる新型コロナウイルスについては、再び感染者が増加傾向になっています。ワクチン接種は進んでいる反面、変異株のリスクはくすぶっており、東京オリンピックの開催がどう影響してくるかは予測が不可能です。日本だけでなく世界レベルで不透明な状況は続いています。
こうした状況を反映して金融市場の長期金利が下がってきており、【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組みにあるように、金融市場の長期金利と連動しやすい【フラット35】の金利も下がってきているのです。
※【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組み
住宅ローンの【フラット35】(買取型)は、下図のように住宅金融支援機構が民間金融機関から債権を買い取って証券化し、機関投資家に債券市場を通じて機構債という形で販売するという仕組みになっています。
この機構債は毎月20日前後に表面利率を発表し募集します。投資家たちは機構債を国が取り扱う安全な債券という考えで購入しますので、機構債の表面利率は国が発行する債券=10年国債の利回り(長期金利)に連動する傾向があります。
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