働き始めてからの年数が短く、まだ収入が少ない人が多い20代。厚生労働省の「人口動態統計」によると、2019年時点の平均初婚年齢が、男性が31.2歳、女性が29.6歳であることからも分かる通り、20代のうちは「結婚をするかしないか」という段階の人が多いようです。この時点で早くも住宅購入を決断した人は、どの程度の頭金を準備しているのでしょうか。親からの資金援助を受けているのか、そして購入した住宅の金額や借入金額についても調査をしました。
20代の約3割が「頭金なし」で住宅を購入
20代の住宅購入者と、住宅購入を予定している人に、「頭金」をどのくらい用意したか(用意しているか)調査をしたところ、「頭金なし」の人が最も多く29.4%を占めました。次いで「50万円以上100万円未満」が25.5%、「100万円以上300万円未満」が17.6%という結果に。6割以上の人が、頭金なし~100万円未満で対応しています。
半数が「親からの資金援助なし」。多額の援助を受けている20代は少数派
用意した頭金のうち、親から資金援助を受けた金額を問うと「資金援助なし」が50%と、ちょうど半数という結果でした。以下「50万円未満」「50万円以上100万円未満」がともに16.7%と援助なし~100万円未満の人が8割以上を占め、親から多額の資金援助を受けている人は少数派のようです。
20代で住宅を購入した人の、住宅購入金額や借入金額は?
20代の住宅購入者の平均額と中央値
20代で住宅を購入した人は、どのような条件で家を購入しているのでしょうか。
20代の人が購入した住宅にかかった金額は平均2,849.9万円(中央値3,000万円)。そのうち借入金額は、平均2,255.88万円(中央値2,500万円)、毎月の住宅ローン返済額は平均6万3,675円(中央値7万円)で、住宅ローンの借り入れ期間は平均30.46年(中央値35年)、完済予定期間は平均28.67年(中央値31.5年)でした。早期の住宅購入とあって、時間をかけて返済しようと考えている人が多いようです。
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20代で住宅を購入した人はどんな人?
20代の平均的な金額の住宅を購入した人は、どのような内訳で住宅を購入し、住宅ローンを借り入れているのでしょうか。
子どもが産まれ、一人娘のため親と同居をすることに。築55年の古家を解体する費用として200万円+新築費用として2,600万円をかけて注文住宅を建てました。住宅ローンは【フラット35】の35年ローン。毎月返済額は7万円です。父の退職金を充てて15年で完済予定です。(静岡県/29歳/女性/世帯年収700~800万円)
結婚を機に、住宅購入を決意。夫婦共働きのため、最寄駅から徒歩3分の立地に惹かれ、3,300万円の建売住宅を購入しました。住宅ローンは変動金利の35年ローンで、毎月返済額は9万円です。(大阪府/27歳/男性/世帯年収700~800万円)
片働きで、子どもを授かってからでは費用の捻出が難しくなること、住宅ローン金利が低いことから、注文住宅を建てることに。土地代として700万円+新築費用が2,300万円かかりました。メインバンクで借り入れた住宅ローンの、毎月返済額は7.3万円です。35年ローンのため早期返済したいですが、難しそうです。(栃木県/25歳/男性/世帯年収500~600万円)
まとめ
20代のうちは結婚や出産、転勤、転職といった不確定要素が多く、収入もまだ少ないため頭金を十分に用意できないなど、住宅購入を決断しづらいと感じるかもしれません。しかし、年齢が若い分、返済期間を十分にとれるため、住宅ローンの借り入れ時に余裕を持った返済計画を立てやすい一面もあります。20代で住宅購入を検討している人は、今回の調査結果を参考に計画を立ててみてはいかがでしょうか。
【調査概要】
調査地域:全国
調査対象:住宅購入経験者(直近1年以内)・検討者(直近3年以内)の25~69歳の男女
調査期間:2021年3月17日~19日
有効回答数:800サンプル