コロナ禍でテレワークが普及するなか、憩いの場と生活利便性をともに確保したいというニーズが顕在化しています。横浜市都筑区中心に広がる港北ニュータウンは、自然を残しつつ商業施設が集積する、ウィズコロナの暮らしに適したエリア。歩行者と自動車の動線を分ける「歩車分離」など、住む人にやさしい街づくりが進められています。今回は、港北ニュータウンの魅力について紹介します。
豊かな緑と快適な暮らしを実現する計画的な街づくり
横浜市都筑区は、1994年11月6日に緑区・港北区が再編成され誕生した新しい行政区です。港北ニュータウンは、都筑区全体面積の約半分を占める同区の中核となる場所。横浜市営地下鉄ブルーライン「中川」駅~「仲町台」駅と横浜市営地下鉄グリーンライン「都筑ふれあいの丘」駅~「北山田」駅の周辺エリアが該当します。計画的かつ大規模な土地区画整理事業によって造られた街は、豊かな自然と都市の利便性が共存し、大きく発展。1995年に11万2,237人だった都筑区の人口は、2020年には21万2,642人へと10万人以上も増加しました(出典:統計で見るつづき)。
他地域からの流入も多く、その中心は若いファミリー層です。
港北ニュータウンの街づくりは、「乱開発の防止」、「都市農業の確立」、「住民参加のまちづくり」、「多機能複合的なまちづくり」を基本理念として進められました。そして、第一・第二地区の土地区画整理事業にあたっては、「緑の自然環境を最大限に保存するまちづくり」、「ふるさとをしのばせるまちづくり」、「安全なまちづくり」、「高い水準のサービスが得られるまちづくり」が開発理念として掲げられました。
その歴史は約半世紀にもわたり、1974年に港北ニュータウン第一・第二地区の造成工事がスタート。1993年に横浜市営地下鉄ブルーライン「新横浜」~「あざみ野」間が開通。1994年に都筑区が誕生し、翌1995年には「センター南」駅近くに横浜市都筑区総合庁舎が開設され、街づくりが一気に進みました。2006年には横浜市都筑スポーツセンターが開所、2008年には横浜市営地下鉄グリーンライン「中山」~「日吉」間が開通。港北ニュータウンの交通利便性が大きく向上しました。
横浜市内で最も子どもの割合・家族数が多い「若い」区
1995年から10万人以上も都筑区の人口は増加しましたが、その中心となるのが子育て世代です。都筑区の平均年齢は2020年9月30日時点で42.5歳と横浜市のなかで最も低く、15歳未満の年少人口比率は15.2%と最も比率が高くなっています。2020年1月1日時点の1世帯当たりの人員数は2.53人と、横浜市内で最も家族数が多いのも特徴です。
子育て世代が多い都築区は、子育てサポートも充実。「センター北」駅のそばには、都筑区子育て支援センター「Popola(ポポラ)」が設けられています。妊娠中の人とその家族、就学前の子どもとその保護者が気軽に立ち寄れるスペースで、情報サロンでは子育ての悩みなども相談できます。また、「横浜子育てサポートシステム」では、「子どもを預かってほしい人」と「子どもを預かれる人」が会員として登録。地域のなかで子どもを預けたり、預かったりすることで人と人のつながりを広げ、地域ぐるみの子育て支援を目指しています。また、2021年4月1日時点の都筑区の待機児童はゼロです。
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都市と自然が共存し、歩行者にやさしい街並みを形成
自然豊かで安全な街づくりも、子育て世代に支持されているポイントです。公園や緑道・保存緑地などが計画的に整備され、住宅や商業・業務施設と明確にゾーニングされているため、住環境が守られています。その街づくりの要となっているのがオープンスペース計画「グリーンマトリックスシステム」です。
「グリーンマトリックスシステム」とは、歩行者が気持ちよく安心して街で生活できるように結ばれた緑道のネットワーク。「緑道」、「自転車歩行者専用道路」、「コミュニティ道路」を密に結び、安全で快適な歩行者動線が地区全域に確保されています。
「緑道」は、地区全体に5本あり、総延長約15キロメートル、幅員10~40メートルで斜面緑地も含めると幅100メートル以上の緑のベルトが形成されているところもあります。もともとあった斜面緑地や雑木林、社寺林などを活用し、公園・緑道などの公共緑地や集合住宅、学校、企業用地などの民地内でも緑地を保存しています。さらに、池やせせらぎなどの自然遺産などと融合させ、連続的な緑のネットワークとして整備されています。
また、「自転車歩行者専用道路」は、日常的に利用される託児所、幼稚園、小中学校などと結ばれ、自動車交通から分離された安全・快適な通園・通学が可能です。さらに「コミュニティ道路」は、歩行者のゆとり空間の確保や、住民のコミュニティ意識の向上にもつながっています。
実際に、街を歩いてみると緑が身近にあり、心地よさを感じます。もともとある自然遺産や歴史的遺産を活かしているので、水系や丘の起伏、自然林が残る森など景色が変化に富んでいます。都市化が進んでいるなか、都市と自然の共存した生活環境は、港北ニュータウンで暮らす大きな魅力でしょう。
港北ニュータウンの中核となる「センター北」「センター南」駅
自然豊かな港北ニュータウンにあって、大型商業施設などが集積し、活力ある魅力的な都市環境を創っているのが、「センター北」駅・「センター南」駅のあるタウンセンター地区。港北ニュータウンの核として整備され、横浜市北部の副都心にも位置付けられているエリアです。良好な都市環境を形成するため、「敷地を細分化しない」「敷地・建物の共同化を推進」「通りに面した一階には、賑わい施設を設ける」などの街づくり協定が定められています。
「多機能複合に基づく広域拠点の拠点」「生活・文化の情報発信拠点の形成」「高度の都心性と自然性を備えたセンターの形成」などがタウンセンター地区の開発理念として掲げられ、街づくりも特徴的です。共同溝に電線が埋設されているため電柱がなく、歩行者導線や広場が確保され、歩きやすく整備されています。看板やサインの演出にも配慮し、景観的にも美しい街並みが続いています。高低差のある行き来を助けるエスカレーターなどを随所に設けているため、高齢者や子連れファミリーも移動しやすいでしょう。
また、大型商業施設が豊富にあるのもこの地域の特徴です。「センター北」駅周辺には、「モザイクモール港北」や「ショッピングタウン あいたい」、「ノースポート・モール」、「プレミア ヨコハマ」、「YOTSUBAKO」、「ルララこうほく」、「港北みなも」など多彩な商業施設が点在。「センター南」駅周辺には、「港北 TOKYU S・C」、「サウスウッド」、「aune港北」などの商業施設が立地します。駐車場も十分あり、他エリアからの来街者も含め、週末は多くの家族連れでにぎわっています。
また、「センター南」駅周辺には、都筑区役所や都筑土木事務所などの公的施設のほか、昭和大学横浜北部病院などの医療機関もあります。また、都筑中央公園や徳生公園、大塚・歳勝土遺跡公園などの憩いのスポットも身近にあり、生活利便性と自然環境がともに充実しています。「センター北」駅、「センター南」駅のあるタウンセンター地区は、子育てファミリーだけでなく、幅広い世代が暮らしやすい街と言えるでしょう。
「センター北」駅や「センター南」駅周辺の土地区画整理地内の多くは、商業系地域に指定されています。土地区画整理事業で生まれた街区は、マンション分譲も活発に行われてきました。ファミリー層が多いエリアなので、3LDKタイプが中心です。中古マンションのストックも多く、中古・新築ともに人気を集めています。新築マンション相場は上昇しており、3LDKタイプで6,000万円台から7,000万円台が中心です。
コンパクトで暮らしやすい「中川」、「仲町台」、「北山田」、「都筑ふれあいの丘」の各駅
港北ニュータウンにはタウンセンター地区のほか、「センター北」駅、「センター南」駅と結ばれた「中川」、「仲町台」、「北山田」、「都筑ふれあいの丘」の各駅を中心に4つの街が広がります。
タウンセンター地区と異なり、これらの街では駅前に商業エリアが集まったコンパクトな街づくりがなされています。開業が早かった横浜市営地下鉄ブルーライン沿線の「中川」駅・「仲町台」駅は、比較的街の成熟度が高く、幅広い築年数の住宅ストックがあります。一方、2008年に開業した横浜市営地下鉄グリーンライン沿線の「北山田」駅・「都筑ふれあいの丘」駅は、街が新しく、これからの発展が期待できます。
「葛が谷公園」(都筑ふれあいの丘)や「せせらぎ公園」(仲町台)、大原みねみち公園(仲町台)など、街なかに公園も多く、住環境も良好です。食料品や日用品は駅周辺で揃い、1駅で「センター北」駅や「センター南」駅へアクセスできるので、週末の買い物も便利です。オンオフをしっかりと分けて過ごしたい家族におすすめです。
港北ニュータウン内には、「横浜国際プール」(北山田)や「都筑スポーツセンター」(仲町台)などのスポーツ施設も点在します。のびのびと走り回れる芝生や広場があるのは、子どもの成長にとってもプラスでしょう。横浜市が行った「令和元年度市民意識調査」によれば、周辺環境について暮らしやすいと感じている人は「都筑区」がトップで60.7%。これは、横浜市平均の41.6%を大きく上回っています。
鉄道網だけでなく、カーアクセスの良さも港北ニュータウンの魅力です。都筑区から鶴見区に至る横浜市道高速横浜環状北線(首都高速神奈川7号横浜北線)が2017年に開通。さらに2020年には、横浜環状北西線(横浜北西線)が開業。東名高速道路へのアクセス性が高まり、カーアクセスがさらに向上しました。東京と横浜を結ぶ第三京浜道路の港北インターチェンジ周辺には、IKEA港北などの商業施設が集積し、多くの利用客でにぎわっています。都筑区の誕生以来、10万人以上人口が増えていることを踏まえると、当然のことかもしれません。
港北ニュータウンで暮らすデメリットは?
魅力的な港北ニュータウンですが、デメリットもあります。まず、横浜市営地下鉄で東京方面に行くには、乗り換えが必要である点です。東急田園都市線や東急東横線などは相互乗り入れで都心へ直結している路線も多いのですが、横浜市営地下鉄での移動はややスムーズさを欠きます。また、街の暮らしやすさが認知され、新築・中古ともに価格も上昇傾向にあります。
とはいえ、横浜市営地下鉄ブルーラインは「横浜」駅・「新横浜」駅へダイレクトアクセスが可能。現在、「あざみ野」駅まで結ばれている横浜市営地下鉄ブルーラインを「新百合ヶ丘」駅まで延伸する事業計画も発表されています。今後、港北ニュータウンの拠点性はさらに高まりそうです。
基本理念をベースにした計画的な街づくりで、住みやすさを実感できる港北ニュータウンでの暮らし。都市の利便性と自然を同時に楽しみたい家族に、おすすめしたいエリアです。
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