ポストなど玄関周辺に記憶にはない記号や数字などがあった場合、あなたの家は空き巣や泥棒に狙われているリスクがあります。
この記事では玄関やポストにあるマーキングの意味や、マーキングされやすい場所、された後の対処方法からされないための対応策までご紹介します。
玄関やポストにあるマーキングの意味
玄関、ポストに残されるマーキングは、その家の留守の時間帯や家族構成、年齢、性格などの情報を記すサインの可能性があります。主なマーキングの方法として、キズをつけたり、アルファベットや記号、数字をペンで書いたり、テープやシールなどを貼ったりするなどが挙げられます。
プロの空き巣・泥棒はなんとなく家を選んで犯行を実行するわけではありません。住人に見つかって警察に逮捕されるリスクを極力下げるため、事前に忍び込めそうな家を入念にリサーチし、誰もいないタイミングを見計らって家に侵入します。昨今では偵察係、実行係など役割を分担し、集団で空き巣・泥棒を実行しているグループも存在します。そのためグループ内で情報共有するためにマーキングしている可能性もあります。
もともとは訪問販売員が営業の作業効率を上げるために、「この家は〇時から△時まで誰もいない」「○○さん家の奥さんは何度掛け合ってもダメ」などの情報を把握する方法として利用されていたと言われています。
どんな場所にマーキングされているの?
マーキングは簡単に目に見える場所に残されるわけではありません。家主に簡単に見つかるようですと無闇に不信感を増大させるだけになるため、普段あまり見なかったり、日常生活では見えにくかったりするような場所にもマーキングされることが多いです。一例として、次のような場所が考えられます。
・玄関
・ポスト
・表札
・インターホン
・電気メーター
・ガスメーター
・配管
玄関やポスト、インターホンは毎日目にしている場所ですが、小さなキズや模様、記号には気づきにくい可能性があります。電気メーターやガスメーター、配管などは普段あまり意識して利用しないため、見逃してしまう可能性もあります。また、裏側や側面にマーキングされていることもあるため、玄関周りにじっくり調べる習慣がないと見落としてしまうでしょう。
マーキングにはどんな種類がある?
具体的なマーキングの一例を紹介します。
例えば女性であれば「Woman(ウーマン)」の頭文字「W」を、一人暮らしの方であれば、「Single(シングル)」の頭文字「S」という記号が考えられます。この2つのマーキングを複合して「W S」というマーキングが施されていたら、「独身の女性が住んでいる」という意味になります。綜合警備保障会社のアルソックは例として次のような表を公開しています。
マーキング例 |
意味 |
M |
男性 |
W |
女性 |
S |
独身 |
F |
ファミリー |
学 |
学生 |
赤 |
赤ちゃんがいる |
w8-20(ル) |
平日(ウィークデイ)8時~20 時までは留守 |
20SW_9・21 |
20代独身女性、9時出勤、21時帰宅 |
SS |
土日休み |
黒いシール |
家族、男性、(侵入や販売が)厳しいなど |
白いシール |
独身、女性、(侵入や販売の)可能性があるなど |
黄色いシール |
もう一息、赤ちゃんがいるなど |
〇 |
可能性あり |
× |
ダメ |
△ |
もう一息 |
出典:『空き巣の手口「マーキング」の実例と対策|ALSOK』より引用
この表の内容はあくまで推測であり、本当の意味は書き込んだ人にしかわかりません。実際のマーキングは、より複雑かつ難解。一般人には分かりにくい模様や記号、キズなどを使用している可能性が高いでしょう。「あれ?ここにこんな記号あったかな?」と少しでも気になった場合は直ちに対策を施しましょう。
不審なマーキングへの対処方法は?
それでは、マーキングを見つけたときにはどのように対処をすればよいのでしょうか。
マーキングを消す
マーキングを見つけたら、まずは消すことを優先しましょう。賃貸物件の場合、自分ではなく、以前住んでいた住人の情報がマーキングされている場合も考えられます。マーキングを消すことによって、防犯意識が強く、注意深い住人だと認識されるため、マーキングの対象から外れやすくなります。
油性ペンでマーキングが書かれている場合は、クレンジングオイルや除光液などの油性液体が有効です。シールの場合はシールはがしや、ハンドクリームを使うときれいに取り除けます。キズの場合は、キズをつけられた箇所の素材に応じて、やすりでこすったり、キズ消し用のクレヨンで消したりしましょう。
マーキングを消す直前に、写真を撮っておくと、証拠として役に立ちます。
防犯カメラの設置
マーキングされているということは、空き巣・泥棒にすでに狙われている可能性が高いということです。したがって、防犯カメラの設置も検討しましょう。法律上、マーキングを見つけたらといって警察に通報しても、犯人の特定の難しさや、事件性のある被害ではないことから対処されにくいのが現実です。
しかし日本では、マーキングという行為自体が法律違反になるため、今後怪しい動きがあった人物が防犯カメラに映った場合には、証拠として残すことができますし、防犯カメラが設置されていることが犯罪の抑止にもつながります。
そもそもマーキングされないためには?
マーキングを見つけた際の対処法について解説してきましたが、そもそもマーキングの対象とならないために対策を講じる必要があります。
庭に砂利を敷く
自宅に庭がある場合、砂利を敷くと効果があります。空き巣・泥棒は非常に慎重です。砂利の上を歩くと音が鳴るため、侵入を避ける傾向にあります。
新聞やチラシをポストに溜めない
ポストに新聞やチラシを溜めていると、留守時間が長いと認識され、空き巣・泥棒から狙われやすくなります。
センサーライトの設置
人の動きを感知し、ライトが点灯するセンサー付きのライトの設置も有効です。空き巣・泥棒は周囲の人から見えづらい場所から侵入しようとします。したがって、死角になりそうな見通しの悪い場所に設置しておくとより効果的です。ただし、ライトが頻繁に反応すると、空き巣・泥棒の不意をつけないため、通行人がすぐ近くを通らず、 風によってゆれる植物にセンサーが反応しない場所に設置するなどの対応は必要です。
近隣住民と仲良くしておく
空き巣や泥棒が住居への侵入をやめる理由のひとつに、「周囲の人から見られている」ことが挙げられます。ご近所付き合いを深めることによって、不審な人物が家の近くでうろついている場合、怪しんで注意深く見てくれる 可能性が高まるでしょう。したがって、日頃から挨拶や会話などのコミュニケーションを取っておくことも重要な防犯対策と言えます。
まとめ
マーキングをされないための方法は、今回ご紹介した以外にも「割れにくい窓を設置する」「警備保障会社のホームセキュリティを導入する」など、たくさん存在します。
しかし、これらの対策の中から1つ実施したら安心、というわけではありません。複数の対策を同時にすることで、「この家は侵入が難しそうだな」と空き巣・泥棒に認識させることができるのです。実際はただのキズであることや、元からそこに書かれていた記号である場合もあるので、あまり神経質になる必要はありませんが、まずはご自身の住まいで、今回ご紹介したマーキングされやすい場所を注意深く調べてみましょう。