「貯蓄したいけど、なかなかお金を貯められない!」とお悩みの人は多いのではないでしょうか。コロナ禍など不測の事態による家計の変化に慌てないためにも、余裕を持った貯蓄をしておきたいところ。お金を貯めるためには、悪い習慣を改善して、お金を貯める仕組みをつくることが大切。今回は、お金を貯めるためのちょっとしたコツを紹介してきます。
貯蓄ができない人の5つの習慣
貯蓄ができない人でよくあるのは、「特別ぜいたくはしていないのにお金が貯まらない」というもの。しかも、家計簿は付けているのに全然お金が貯まらない、という人も多いのです。
なぜお金が貯まらないのか、まずはお金に関わる5つの悪しき習慣が自分に当てはまらないか、チェックしてみましょう。
(1) 項目ごとに毎月の支出をざっくりいくら、と把握できていない
(2) 年間で支払うお金を把握していない
(3) 知らず知らずのうちに引き落とされている手数料が多い
(4) 何気なく使ってしまうラテマネーや自分へのご褒美マネーがある
(5) 生活費の口座と貯める口座を分けていない
詳しく読む:【お金の習慣】コロナ禍でも「貯金」がうまい人、へたな人の特徴をFPが解説
年代別、毎月の貯蓄額の理想を把握しよう
年収や家庭環境はそれぞれ違いますが、「貯蓄なし」を避けるためにも自分の生活状況に見合った金額をコツコツと貯めていくことが大切です。毎月の貯蓄額は、「手取りの10%以上が理想」とされています。
国税庁「令和元年分 民間給与実態統計調査」の平均月収データをもとに、それぞれの年代における理想的な貯蓄額について見ていきましょう。
・20代の理想的な貯蓄額
20代の平均的な月収は手取りで21万~29万円程度。理想的な貯蓄は「毎月2万~3万円」ということになります。
・30代の理想的な貯蓄額
30代の平均的な月収は手取りで33万~36万円程度。理想的な貯蓄は「毎月3万~4万円程度」になります。
30代はまだ子どもが小さいため、お金を貯めるチャンスです。30代のうちにお金をしっかりと貯めておくと40代を安心して過ごすことができます
・40代の理想的な貯蓄額
40代の平均的な月収は手取りで38万~40万円程度。理想的な貯蓄は「毎月4万円程度」ということになります。
40代は養育費や住宅ローンなど支出が多く、お金を貯めにくい年代といえます。思うように貯蓄ができない場合は「今まで貯めてきた貯蓄を崩さずにやりくりする」ということを考えて生活するようにしましょう。
・50代の理想的な貯蓄額
50代の平均的な月収は、手取りで40万~42万円程度。理想的な貯蓄額は「毎月4万円程度」となります。
50代は定年退職後のライフプランを考える時期でもあります。将来もらえる年金額を試算するなどして「老後にいくら必要なのか」を把握し、毎月しっかりと貯蓄するようにしましょう。
詳しく読む:データから見る平均貯蓄額。毎月の貯蓄額は手取りの何%が理想?
家計管理の改善ポイント
毎月コツコツと貯蓄を続けていくために、まずは家計簿で毎月の家計管理に取り組みましょう。「家計簿をつけているのに貯蓄できない」「毎月、ほんの少し赤字…」など家計管理にお悩みを抱えている方も参考にしてみてください。
ポイント1.各項目の支出の理想比率を知る
家計改善のためには、各項目の支出理想比率を知ることが重要。収入に見合っていない出費がある場合や特定の項目だけ極端に支出が多い場合は、支出割合を見直しましょう。
ポイント2.ライフスタイル別の「外せない支出ポイント」を把握
健全な家計を保つためには、ライフスタイルに応じて支出の優先順位をつける必要があります。効率的に家計簿をつけたい方は、”絶対に外さない支出ポイント”を都度見直していきましょう。
ポイント3.知らぬ間に増える、ムダな支出をチェック
「思い当たる節がないのに、なぜか毎月赤字になる…」とお悩みの方は、隠れたムダ支出がないか要確認。不要なスマホのオプションサービスやコンビニでの買い物など、家計簿に書き込めていない“小さな隠れ出費”を探してしっかりと削減していきましょう。
詳しく読む:どうやったらお金が貯まる!? 改善点が見つかる家計管理の仕方
3つの「貯まる仕組み」で、貯蓄ゼロから1年で100万円貯めよう
貯蓄を始める際、まずは1年で100万円の貯蓄を目指してみましょう。どうしたら100万円貯まるのか、そのコツを伝授します。
(1)自分と家族のために、年間の目標金額を立てる
「1年間で100万円貯めるなら、毎月5万円とボーナス時に夏・冬それぞれ20万円ずつ」と毎月いくら貯めればよいのかが逆算できます。人は目的とその手段が分かれば、スムーズに動けるようになります。
さらに、「何のために」お金を貯めるのか、ということも重要。家族のためのマイホーム資金、夫婦の老後資金…というように、大切な誰かのためだと意外と頑張れるものです。
(2)先取り貯蓄を習慣づける
豊かになるための公式は「収入-貯蓄=支出」。お給料をもらったら、まずは一定額を貯蓄し、残ったお金で生活しましょう。貯蓄もできるうえに、少ないお金で生活できる術も身に付くため、優れた金銭感覚も手に入ります。
(3)預ける先は「使いやすい場所」と「使いにくい場所」に分散させる
銀行や財形などいわゆる「預貯金」だけでお金を貯めていると、引き出しやすいが故に、途中で取り崩してその結果貯まらないということになります。
お金を貯めたければ、「使いにくい場所」でもお金を貯めていかなければいけません。例えば、「学資保険」や「個人年金」などの積立型の保険商品を組み合わせることで教育費や老後資金を確実に貯めることができるようになります。
詳しく読む:貯蓄ゼロでも1年で100万円貯める! 3つの「貯まる仕組み」づくり
「無意識」でもお金が貯まる2つの方法
貯蓄を増やすためには、「意識」して「貯める仕組み」をつくり、「無意識」でもお金が貯まるようにしていきましょう。
(1)先取りで確実にお金を貯める「財形貯蓄制度」
財形貯蓄制度は給与から天引きで毎月お金を積み立てていくため、貯蓄が苦手な人でもお金を貯めやすいというメリットがあります。早く始めれば始めるほど、計画的に貯蓄をしていくことが可能です。
財形貯蓄は貯めたお金の使用目的に応じて、3種類に分けられています。
1. 使用目的が制限されていない「一般財形貯蓄」
2. マイホーム建築や購入、リフォーム資金のための「財形住宅貯蓄」
3. 老後の資金づくりを目的にした「財形年金貯蓄」
財形住宅貯蓄制度の利用者は、条件を満たせば「財形住宅融資」を利用することができます。財形住宅融資とは、返済開始から終了までの全期間、5年ごとに金利を見直す5年間固定金利制の住宅ローンです。住宅購入を考えている方は、財形貯蓄で購入のための資金を準備していくのも一つの方法です。
詳しく読む:財形貯蓄で毎月確実に貯める! 使用目的別3種類の制度を詳しく解説
(2)貯蓄+保障の「貯蓄型保険」
生命保険は、死亡・高度障害のときに保険金が支払われるのが基本的な機能ですが、中には満期時に満期保険金を受け取れるものや、解約時期によっては払い込んだ保険料を上回る解約返戻金を受け取れるものがあります。これらが「貯蓄型」などと呼ばれる保険です。
貯蓄型保険では、満期保険金や解約返戻金があるため、保険料は掛け捨てになりません。預貯金とは性格の異なるものですが、事実上お金が戻ることで、貯蓄のような使い方ができるのがメリットといえるでしょう。
一方で、途中で解約すると、時期によっては解約返戻金が払い込んだ保険料を下回る「元本割れ」になります。特に、低解約返戻金型終身保険では、保険料払込期間中に解約すると、通常の終身保険に比べて解約返戻金は大幅に少なくなります。
お金の必要な時期が分かっていて、万一のときにもお金を確保したいなら、貯蓄型保険が向いています。例えば、大学の教育費用なら、満期や払込期間を進学時期に合わせて契約すれば、万一のときの保障も得られる上に、必要なお金も準備できます。
詳しく読む:賢く選ぼう! 「貯蓄型」保険のメリットとデメリット【FP解説】
共働き夫婦がお金を貯めるコツ
年代によって事情が異なるとはいえ、共働きの夫婦は入ってくる収入が多いため、本来は貯金しやすい状況にあります。でも、「共働きなのに思ったほど貯金が貯まらない! 」と感じている人も多いのではないでしょうか。
共働きでもお金が貯まらない理由として、「入ってくる収入が多いためついお金を使いすぎてしまう」、「お互いの収入がいくらなのかを把握していない」、「比較的収入に余裕があるためきちんと家計簿をつけて家計管理をしていない」、などが挙げられます。
共働きでしっかりと貯蓄していくにはどうしたら良いのでしょうか。夫婦で協力してお金を貯めるために押さえておきたい2つのコツを紹介します。
(1)家計の節約は固定費の削減から
お互いの収入を把握しておらず、計画性のないお金の使い方をしている家庭では、何よりもまず支出の削減に取り組みましょう。
・家賃、住宅ローンの見直し
家計に占める大きな固定費として、家賃(住宅ローン)、保険料、通信費があげられます。すでに住宅を購入している場合は、住宅ローンの「借り換え」を検討しましょう。住宅購入時のローン金利より低い金利で借り換えができる可能性があるので、まずは金融機関などに相談してみましょう。
・保険にムダや重複はないか
保険料を節約するためには優先順位をつけ、ムダなオプションや重複がないか確認することが大切です。夫婦の年齢や状況によっても加入すべき保険の内容は変わるので、定期的に確認することをおすすめします。
・大手キャリアから格安SIMへ
スマートフォンを大手キャリアで契約しているなら、格安SIMに乗り換えると料金が大幅に安くなります。
(2)会計ソフトを使ってお手軽家計簿
共働きで稼いだお金のなかからきちんと貯金していくには、家計簿をつけることが大切です。いちいちノートに金額を記載したり、レシートを貼り付けたりしなくても、会計ソフトを使えば簡単に家計簿をつけられます。クラウドを活用した会計ソフトが販売されており、スマートフォンでも利用可能です。
詳しく読む:共働きの「貯金事情」は意外と厳しい?! それでも貯めたい人にオススメの2つのコツ
まとめ
貯蓄はコツコツと続けていくことが大事。お金を貯めるのが苦手な方は、今回ご紹介した貯蓄のポイントを参考に、家計のムダの見直しや可能な範囲で貯蓄を始めるなど、まずはできるところからスタートしてくださいね。