夫婦で口座はいくつ必要? お金を管理しやすい口座の分け方を紹介します!

結婚すると生活費の管理や将来に向けた貯蓄を二人で行うことになりますが、口座はいくつ必要なのでしょうか。生活費や貯蓄は夫婦で共有するお金になるため、目的に応じて複数の口座を持ち、二人で一緒に管理していくことが大切です。

今回は、夫婦の口座はいくつ必要なのかということや、お金を管理しやすい口座の分け方について解説します。

夫婦で口座はいくつ必要? 基本は3種類の口座

夫婦で家計を管理する場合は、口座はいくつ必要なのでしょうか。口座数が多すぎても少なすぎても管理しにくくなることから、用途に応じて次の3種類の口座を持っておくことがおすすめです。

・生活費用の口座
・貯蓄用の口座
・個人用の口座

それでは、3種類の口座の用途や管理方法について詳しく解説していきます。

生活費用の口座

家計を管理するメインの口座として、生活費用のための口座を用意しておきましょう。この口座は家賃や水道光熱費、食費など、生活に必要なお金を管理するために使います。

夫婦ともに収入がある場合は、「夫が家賃や光熱費」「妻が食費」といったように分担して入金してもよいですし、夫の収入が多い場合は「生活費はすべて夫の収入から支払う」と決めてもよいでしょう。お互いが納得できるように、分担についてしっかりと話し合っておくことが大切です。

給与口座を生活費用の口座にすると、引き落としがしやすいというメリットがありますが、ある分だけ使ってしまうというリスクもあります。できれば生活費用の口座は給与口座と分け、生活費分を入金するようにしましょう。

携帯電話や保険料は夫婦それぞれで使った金額がわかりやすい費用です。共通の口座から引き落とす場合もありますし、個人用の口座からそれぞれが支払ってもよいでしょう。

貯蓄用の口座

二つ目の口座として、夫婦共通の貯蓄用の口座を用意しましょう。この貯蓄用口座を使い「教育費」や「車の購入費」「住宅購入費」「旅行費」など、将来のまとまった出費のための貯蓄をします。

貯蓄用の口座は一つでもよいですが、「教育費用」「老後の貯蓄用」といったように、目的に合わせて複数の口座を持つこともおすすめです。

結婚後は住宅取得や出産、進学など、まとまったお金が必要となるタイミングが何度かあります。そのなかでも、子どもの高校や大学進学時のための教育費や老後資金などは、10年以上にわたってお金を貯めていく必要があります。

このような長期的な貯蓄をする場合は、利息が少ない銀行の預金だけではなく、「学資保険」や「NISA」「iDeCo」の利用も検討するとよいでしょう。

「学資保険」は、保険料の払い込みが終わっていなくても、契約者が死亡すると保険金が満額支払われるため、万が一のときも安心です。

また、「NISA」で資産運用をすると一定額まで売買益が非課税となります。個人型年金制度と呼ばれる「iDeCo」では、掛け金を拠出すると所得から全額控除できるため、節税効果が期待できます。

このように、「資金が必要な時期はいつか」ということをしっかりと考え、目的に応じて貯め方を工夫するのも一つの方法です。

個人用の口座

三つ目は個人用の口座を用意しましょう。この口座は生活費や貯蓄とは関係のない、夫婦それぞれのプライベートな口座とし、使い道も自由にします。

お小遣い制にして毎月の金額を明確に決めて個人口座に入金するようにすると、透明性が高くなるため不平不満が出にくくなります。共通のお金と個人的なお金の金額や使いみちについては、最初に夫婦でよく話し合うことが大切です。

クレジットカードを使う場合は、個人的な出費と、家計用の出費で利用するカードを分けるようにしましょう。同じクレジットカードを使うと個人と家計のお金が混ざり、用途があいまいになってしまいます。また、請求が来たときに仕分けするつもりでも、実際には手間がかかるためできないことも多く、結局用途がうやむやになってしまうことがあります。

クレジットカードを分けて使い、家計用のクレジットカード分を生活費用の口座から引き落とすようにすれば、お金が混ざることもありません。お金を使う時点で、しっかりと分類をしておくことが、お金を簡単に管理するコツです。

トラブルなく夫婦でお金を管理するコツ

「生活費用」と「貯蓄用」の口座を二人で一緒に管理することが大切

一方だけがお金の管理をしたり、夫婦で意見が合わなかったりすると、時にはトラブルに発展することがあります。円満にお金を管理するためには、不公平感が生じないような工夫をすることが大切です。ここでは、トラブルなく夫婦でお金を管理するコツについて紹介します。

共通の口座は二人で管理する

夫婦でお金を管理するときには、一方が不満や不公平感を持たないように、「生活費用」と「貯蓄用」の口座を二人で一緒に管理することが大切です。生活費用の口座には、毎月生活に必要な金額をあらかじめ決めて入金するようにし、お互いに共通の出費以外には使わないようにします。

共通の口座にどれくらいの金額を入金するのか、どちらがどれだけの生活費を負担するのか、毎月の貯蓄はどれくらいにするのかということは、最初によく話し合う必要があります。どちらかがが納得しないまま進めてしまうと後々不満の原因となりますので、注意が必要です。

また、共通口座の入出金について、お互いが把握できるようにしておくことも大切です。本人と生計をともにする親族であれば、家族用に2枚目のキャッシュカード(代理人カード)を作ることもできますので、それぞれがカードを保有してもよいでしょう。

緊急時用のお金を分けて管理する

家計の管理では、病気や災害、失業など想定外のことが起こったときのためのお金を「緊急費」として用意しておくことも大切です。このような緊急時用のお金があれば。突発的なトラブルのときも安心できますし、貯蓄用のお金に手を付けずに対応することができます。

必要となる緊急時用の資金は家族構成や年齢、生活水準によって異なりますが、自営業やフリーランスでは生活費の1年分が目安です。会社員の場合は最低3ヶ月分、可能であれば6ヶ月分を目安にするとよいでしょう。

緊急時用のお金はすぐに必要となる場合も多いため、簡単に引き出せる普通預金などで管理することがおすすめです。

緊急時用のお金があると、いざというときにも夫婦間でトラブルが起きにくいというメリットもあります。最初に目標金額を設定し、二人でしっかりと貯めていくようにしましょう。

家計簿アプリで共有する

生活費用の口座、貯蓄用の口座、個人用の口座といったように複数の口座を保有していると、口座の状況を把握しにくくなることがあります。このような問題を解決するには、簡単にお金の状態を把握できる「家計簿アプリ」の利用がおすすめです。

家計簿アプリを使うと、複数の口座の残高やお金の出入り、毎日の支出やクレジットカードの利用額などを簡単に把握することができます。

また、家計簿アプリのなかには、一つのアカウントを夫婦で共有できるものもあります。このようなアプリを使うと、家計の状況を夫婦それぞれが確認できるため、不公平感が生じにくいというメリットがあります。

まとまったお金が必要になったときも、お互いに家計の状況をわかっていたほうがトラブルになりにくく、スムーズに対応できます。複数の口座をしっかりと把握・管理するためにも、ぜひ家計簿アプリを取り入れてみましょう。

結婚後の家計管理や貯蓄術については、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:結婚後の家計管理は誰がする? 夫婦で確認したい点とパターン別貯蓄術

メインバンク以外に持っていると便利な口座

証券会社の口座を開設すると、貯蓄の一部を株や投資信託で資産運用することが可能

目的別に複数の銀行口座を使うと家計管理をスムーズに行うことができますが、メインバンク以外にも持っていると便利な口座があります。それでは、どのような口座が役に立つのでしょうか。ここでは、おすすめの口座を三つ紹介します。

ネット銀行の口座

ネット銀行の口座は通帳がないことが多いものの、スマートフォンやパソコンを使っていつでも残高や履歴が確認できるため、家計の管理がしやすいことが特徴です。振り込みや振り替えにも24時間対応しており、仕事や家事・育児で忙しい人であっても手軽にお金を管理することができます。

さまざまなネット銀行があるため、どれを選ぶか迷ってしまうこともあるかと思いますが、生活費用に使うのであれば、振込手数料やATM手数料が安い銀行を選びましょう。ネット銀行によっては、入出金の手数料が通常より高く設定されていることもあるため、よく確認することが大切です。

ネット銀行の口座を貯蓄用として使う場合は、金利が高いネット銀行がおすすめです。ネット銀行は店舗のコストがかからない分、一般的な銀行よりも利息が高くなっていることもあります。

証券会社の口座

証券会社の口座を開設すると、貯蓄の一部を株や投資信託で資産運用することができます。また、証券会社の口座を使って行う「NISA」や「iDeCo」は、税の優遇があるため、節税効果も期待できます。

たとえば、「NISA」で株や投資信託などを購入すると、一定額まで売買益が非課税となります。また、個人型確定拠出年金と呼ばれる「iDeCo」に掛け金を拠出して運用すると、課税所得から掛け金分を全額控除できます。

ネット銀行と提携している証券会社の場合は、ネット銀行の預金から証券口座への資金移動が瞬時にできるなど、利便性が高いことも特徴です。

このように、証券会社の口座を持つと資産運用の幅が広がります。ただし、銀行の普通預金や定期預金とは違い、株や投資信託は元本保証ではないので注意しましょう。

財形貯蓄用の口座

財形貯蓄とは、会社と提携している銀行に給与天引きでお金を預け、貯蓄用として貯めていける制度です。口座を開設すると毎月の給与から自動的に天引きされるため、確実にお金を貯めていくことができます。

財形貯蓄には、利用目的の制限がない「一般財形貯蓄」、住宅購入やリフォームのための資金を貯めるための「財形住宅貯蓄」、老後の年金資産形成のための「財形年金貯蓄」があり、目的に応じた貯蓄が可能です。

住宅財形と年金財形は、両方合わせて元本550万円までの利子が非課税となっており、効率的にお金を貯めることができます。

ただし、財形の種類によっては積み立て期間や払い出しの時期・対象の条件が決められていますので、事前によく確認してから始めるようにしましょう。

財形貯蓄については、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:財形貯蓄で毎月確実に貯める! 使用目的別3種類の制度を詳しく解説

まとめ

夫婦で持つ口座は、生活費用、貯蓄用、個人用の3種類が最低限必要です。用途別に口座を分けることで、家計管理をスムーズに行うことができます。

貯蓄用の口座では緊急時用の資金を貯める口座や、資産運用をするための口座というように、貯蓄の目的に合わせて複数の口座に分けることもおすすめです。

複数の口座を管理する場合は、家計簿アプリを使うと口座残高や入出金の状況を簡単に把握することができます。どちらか一方が口座を管理するとトラブルの原因になりますので、夫婦で家計の状況を把握できるようにしましょう。

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