私たちの生活のなかで欠かせないライフラインの一つ、水道。電気代やガス代と並び、毎月支払う水道料金、下水道料金は見過ごせない出費です。そこで今回は総務省統計局の家計調査から、「上下水道料」を多く支払っている都市ランキング、少ない都市ランキングをお届けします。意外と知られていない水道料金の差や減免制度も紹介するので、ぜひ最後まで目を通してくださいね。
そもそも水道料金と下水道料金はどうしてセットで請求される?
水道料金と下水道料金をまとめて請求されている地域が多いかと思います。下水道が普及している地域では、水道の利用量に応じて、下水道料金が計算され、水道料金と下水道料金が請求されるケースがほとんどです。
下水道の実際の利用料金を把握することは難しいため、水道利用量と同等の排水があったと推定され、水道と下水道の料金をセットで請求される仕組みになっています。
他方、下水道が普及していない地域では水道料金のみ請求されます。その場合、くみ取り費用や浄化槽の点検費用を自己負担しなければなりません。
日本下水道協会によると、日本の下水道普及率は79.7%(2019年度末)。政令指定都市の普及率はおおむね9割を超えていますが、都道府県全体では5割を下回っている地域も少なくありません。
上下水道料を日本一多く支払っているのは山形市!
上下水道料の全国平均は6万1,387円ですが、上位地域ではそれを大幅に上回っています。なぜこれらの地域の上下水道料が高額になるのかを検証するため、上位5都市の上下水道料を確認してみましょう。
上下水道料金の年間支出金額が多い3地域の上下水道の基本料金
上下水道料は各地方自治体が決定しているため、地域差があります。上下水道料の年間支出金額が多い上位3都市の料金の目安は以下のとおり。上水道・下水道は2ヶ月ごとに請求されるケースが多いので、40立方メートル使用した場合の2ヶ月分の水道料金と下水道料金を比較してみました。
いずれの都市も2ヶ月で40立方メートル使用した場合の水道料金と下水道料金の合計額は1万3,000円~4,000円台。1ヶ月あたりでは6,000~7,000円台となり、毎月これらの金額が請求されるとなると、家計へのインパクトは大きいですね。
上下水道料の年間支出金額が日本一少ないのは徳島市!
続いて、上下水道料の年間支出金額が少ない都市をチェックしてみましょう。上下水道料の年間支出金額が多い都市ランキングと同様に、上位3都市の上下水道料も計算しています。比較するとその違いの大きさがわかるかと思います。
上下水道料の年間支出金額が少ない3都市の水道料金と下水道料金を比較してみましょう。40立方メートル使用した場合の2ヶ月分の水道料金と下水道料金は下記のとおりです。
2ヶ月分の水道料金と下水道料金の合計額は、長野市が1万4,328円、神戸市では8,646円と、その差はなんと5,682円。2ヶ月分の合計額が年間で変わらない場合、1年で約3万4,000円の差が付きます。同じ量を使っているのに、上下水道料の地域差が大きいことがわかりましたね。
意外と知られていない上下水道料金の負担軽減制度
上下水道は、地方自治体が運営の主体となっていることが多いため、利用料金の減免措置が設けられていることがあります。たとえば、上下水道料の年間支出金額が多い都市ランキングで2位だった長野市のある長野県では、生活保護費受給世帯やひとり親世帯は基本料金が半額になる制度が存在します。
東京都でも同様の制度があります。ただし、これらの制度は申請手続きが必要で、条件を満たしていても自動的に減免になるわけではありませんので、注意しましょう。
自治体が水道事業を運営している場合、生活困窮世帯向けの上下水道料金減免制度が用意されていることが多いので、該当する人は確認するとよいでしょう。
まとめ
今回は上下水道料の地域差について調べてみました。上下水道料が高額な地域とそうでない地域とでは大きな差があります。これから引っ越しを検討している人は、水道料金や下水道料金もチェックしておくとよいですね。
監修:ファイナンシャル・プランナー(AFP)二宮 清子