季節は冬へと歩みを進め、気温が下がり、空気も乾燥してきました。このような環境にあわせるかのように再び新型コロナウイルスの感染拡大が進んでいます。国内の経済活動、そして人々の消費行動への影響が懸念されますが、住宅ローン金利はどのように推移したのでしょうか。12月の【フラット35】金利動向を見ていきたいと思います。
2020年12月の【フラット35】金利は11月から変動なし
今月の全期間固定金利型住宅ローン【フラット35】(買取型)の金利は融資率9割以下、返済期間21~35年機構団信を含めて1.31%。また融資比率9割以下・返済期間15~20年の金利は1.22%となり、いずれも11月から据え置かれました。
ARUHI住宅ローンの実行金利一覧
建設費または購入価額(以下、物件価格)の1割~5割の頭金があれば、従来のARUHIフラット35よりさらに低金利で利用できる、ARUHIスーパーフラットの各種商品の金利は以下の通りです。
物件価格の4割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット6」(※団信込み)は1.11%。
物件価格の3割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット7」(※団信込み)は1.16%。
物件価格の2割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット8」(※団信込み)は1.21%。
物件価格の1割以上の頭金があり、年収に対する年間返済額「返済負担率」が20%以内であれば利用できる「ARUHIスーパーフラット9」(※団信込み)は1.26%となっています。
さらに低金利の住宅ローンの状況は?
10月以降から融資の実行が開始している以下の商品については以下の通りです。
物件価格の5割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット5」(※団信込み)は1.08%。
物件価格の3.5割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット6.5」(※団信込み)は1.13%。
物件価額の2.5割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット7.5」(※団信込み)は1.18%。
物件価格の1.5割以上の頭金があり、年収に対する年間返済額「返済負担率」が20%以内であれば利用できる「ARUHIスーパーフラット8.5」(※団信込み)は1.23%となっています。
参考:最新の住宅ローン金利はこちら【ARUHIフラット35】
まとめ~実体経済から乖離した株価の高騰と【フラット35】の金利動向
最後に今月の金利変動について、不動産や金融についてその業界の人に匹敵する知見をもつ、公認会計士ブロガー千日太郎さんにまとめていただきます。
2020年12月の機構債の表面利率が発表される前日の長期金利終値は0.025%と前月から横ばいの水準で推移し、機構債の表面利率も横ばいで0.35%となり、【フラット35】(買取型)の金利も横ばいとなりました。
【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組み(※)からすると、住宅金融支援機構の調達金利が横ばいだったため、融資金利も横ばいということになります。
11月18日に機構債の表面利率が発表された後から月末にかけて、日経平均株価はバブル崩壊直後以来の高値を更新し続けています。これは、バイデン氏が当選を確実としたことと、新型コロナウイルス感染症のワクチン開発への期待から投資家心理がリスクオンに振れているためだと思われます。
しかし、日本の長期金利は上がっておらず、むしろ月末にかけて下がってきています。これは、日米で新型コロナウイルス感染症の感染拡大リスクが再び高まっていて、リスク回避型の投資家によって根強く債券が買われていることを意味します。
一般的なセオリーとしては株価が上がると、債券が売られて債券価格が下がることで長期金利が上がるのですが、スポット的には株価が上がり、債券も買われて債券価格が上がることで長期金利は下がるという珍しい現象が起きています。
今後の株価については、足元では新型コロナウイルス感染症の感染第3波が来ていると言われており、実体経済と金融市場との乖離が広がっているとの指摘も出ています。実体経済と乖離した株高の流れから好景気に入るとは考えにくいため、当分の間は低金利が続くと思います。
なお、【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組み(※)にあるように【フラット35】の金利は金融市場の長期金利を直接反映しやすいです。そのため実体経済と乖離して金融市場の金利が上がってしまうとわたしたち住宅ローン契約者が借りる金利も上がってしまう可能性があります。
イレギュラーな動きを事前に予想することは、極めて困難です。来年以降に融資の実行と引き渡しを予定されている方は、複数の金利タイプ、金融機関で審査を通しておくことをお勧めします。
※【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組み
住宅ローンの【フラット35】(買取型)は、下図のように住宅金融支援機構が民間金融機関から債権を買い取って証券化し、機関投資家に債券市場を通じて機構債という形で販売するという仕組みになっています。
この機構債は毎月20日前後に表面利率を発表し募集します。投資家たちは機構債を国が取り扱う安全な債券という考えで購入しますので、機構債の表面利率は国が発行する債券=10年国債の利回り(長期金利)に連動する傾向があるのです。
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