洗濯物は天日干しでカラッと乾かすのが理想ですが、秋の長雨の時期や梅雨は、そうもいきません。雨や曇りで湿度が高い日は、洗濯物を部屋干しするとなかなか乾かないため、常に洗濯物がぶら下がっている家庭も多いのではないでしょうか。「明日必要なのにそれまでに乾くだろうか」という心配もあるかもしれません。
この記事では部屋干しでなるべく効率よく、早く乾かすために、洗濯のコツや干す場所、そして衣類別の干し方について解説します。
洗濯物の部屋干しセオリー
洗濯物の部屋干しは、嫌なニオイをつけることなく短時間でカラッと乾かしたいものですね。ここでは、部屋干しをする際に知っておきたい、洗濯する際の脱水時間や干す場所について紹介します。
部屋干しで早く乾かすための「脱水法」
洗濯機を使うとき、通常の洗濯コースなら最後の脱水は1回に設定されているのが一般的です。洗濯物を少しでも早く乾かしたいときは、脱水時間をいつもより長くするか脱水を2回することをおすすめします。脱水を長く行うことで余計な水分をしっかりと飛ばせるため、乾くまでの時間が短縮できます。
特に乾きの遅い厚手のジーンズなどは、乾いたバスタオルに挟んでくるくると巻いてから脱水し直すとよいでしょう。脱水時の回転の遠心力とバスタオルの吸水力で、ジーンズの水分をバスタオルが吸い取るため、さらに脱水効果がアップします。
ただし、衣類の材質や縫製などに合わせた、適切な脱水時間より長く脱水することは、生地の傷みやしつこいシワ、型崩れなど、トラブルの原因になりますので注意が必要です。
脱水後に洗濯機の乾燥機能を使うのも、部屋干しで早く乾燥させる方法ですが、ドラム式洗濯乾燥機の場合、光熱費がかかるのが困った点。電気代を節約するために、30分を目安に乾燥して、あとは部屋干しすれば、洗濯物が早く乾きます。
【部屋干しのための洗濯機の使い方】
1. 脱水時間を長めに設定するか脱水回数を増やす
2. 厚手の衣類は乾いたタオルに巻いてから脱水する
3. 洗濯機の乾燥機能を上手に使う
室内のどこに干すと乾きが早い?
洗濯物を干す場所によって乾燥までの時間に差がつきます。室内干しにおすすめなのが換気扇のある浴室です。湿度が高くカビやすいイメージのある浴室ですが、浴室乾燥機が付いていない浴室でも、干し方を工夫すれば短時間で洗濯物を乾かすことが可能です。
浴室を効率的に換気できる換気扇は、かなりの優れもの。浴室の天井近くにランドリーパイプに洗濯物を干してください。ランドリーパイプがない場合は、強力突っ張り棒や物干しラックなどを使いましょう。
浴室に干す場合のコツは、換気扇をつけて、浴室のドアを少し開けておくことです。換気扇で湿気を含んだ空気を強制的に排出し、ドアのすき間から乾いた空気を取り込むことで、空気の流れができ、洗濯物が乾きやすくなります。
注意が必要なのは、浴室の床や壁が乾いた状態であること。入浴直後は湿度が高すぎるためうまく乾きません。あらかじめ浴室内の余分な水分を拭き取って換気しておきましょう。
換気扇のある浴室のほかにも、リビングなど部屋の中央など、なるべく風の通り道となる場所に干すのがおすすめです。
【部屋干しする場所と注意】
1. おすすめは浴室
2. 充分浴室が乾燥している状態で換気扇をつけドアを少し開ける
3. リビングなどの中央で風の通り道になる場所もおすすめ
エアコンや除湿器、布団乾燥機で部屋干しも時短できる
部屋干しで早く乾かすために、エアコンハンガー、除湿機、布団乾燥機などの家電を使うことで、より効率よく短時間で乾かすことが可能です。ここでは、それぞれの機器をどう使うのが効果的かご説明します。
・エアコンハンガー
部屋干しにおすすめのアイテムが「エアコンハンガー」です。暖房やドライモードのエアコンの吹出口の風を使い、効率的に洗濯物を乾燥させることができます。
エアコンの取り付け位置によっては使えない場合があるため、事前に取り付け可能か確認してください。洗濯物の量が多い方は、耐荷重の大きいしっかりとしたタイプを選びましょう。
・除湿機
除湿器には、お部屋の除湿を専用にしたものと、衣類乾燥機能付除湿器があります。
衣類乾燥除湿器は、強い風を広範囲に送る機能やお部屋の温度、湿度、衣類の量を検知して風量調節する機能、衣類の乾燥コースを設定すれば自動停止するなどの機能があって便利です。
除湿専用の機種を使う場合、リビングなどに部屋干した洗濯物の真下に除湿機を置きましょう。ドアを閉めて除湿機を使うと、より早く洗濯物が乾きます。水分は重みで衣類の下に降りてくるため、洗濯物の下側が一番乾きにくいので、扇風機やサーキュレーターを使って下から風を送るのも効果的です。
・布団乾燥機
布団乾燥機は布団だけではなく、濡れた靴の乾燥や部屋干しの洗濯物を乾かしたいときにも便利です。
洗濯ハンガーに干した洗濯物の下に布団乾燥機の送風口を上向きにセットして送風します。また、布団乾燥機で使える衣類乾燥用のカバーを使えば、さらに効率よく乾燥させることができます。カバー内に湿気がこもらないよう、カバー上部にすき間を開けておくのがコツです。熱に弱い素材の衣類は温度設定を低温にして使いましょう。
秋冬物の衣類も干し方次第で速乾!
洗濯物を干すときは洗濯物の並べ方やハンガーの掛け方など、干し方によって乾くまでの時間が大きく違います。ここでは、衣類の種類別に早く乾く干し方や、秋冬物を干すときのコツをご説明します。
生地が厚手の衣類はくっつかないように干す
乾きにくい洗濯物といえば、バスタオルやジーンズなど生地に厚みのあるものが定番です。また、フードのあるパーカーもフードが当たる背中とフードの乾きが遅いことで知られています。これらの乾きにくい洗濯物は、衣類同士がくっつかないように、生地が重なる部分は広げて風が通りやすいように工夫して干すことがポイントです。
【生地が厚手の衣類を早く乾かす干し方】
・衣類同士がくっつかないように
・生地が重なる部分は広げて風が通りやすいように!
・太いハンガーを使う
・洗濯物を干す間隔は少なくとも10cm開ける
・角ハンガーに干すときはアーチ干し
ハンガーに掛けて干すときも、針金ハンガーやプラスチックの薄いハンガーではなく、肩を支える幅が広いタイプのハンガーを使いましょう。太いハンガーを使えば、衣類の前後に間が開いて風が通りやすくなります。
洗濯物を干す間隔は少なくとも10センチメートル開けて干せば風の流れを妨げません。
ピンチのついた角ハンガーに干すときは、適当にランダムに吊るすよりも、中央に短いものを干し、両端に向かって段々と長いものを干す「アーチ干し」がおすすめです。真横から見たときに洗濯物の下がアーチ状になっている干し方が、ランダムに干すよりも空気が流れやすく、短時間で乾くことといわれています。
タオル類は「ずらして」干す
タオル類は片側をピンチでつまんで長く広げて干せればよいですが、部屋干しだと邪魔になってしまうため、二つ折りにして干すことが多いのではないでしょうか。きれいに中央で二つ折りにすると重なった部分の乾きが悪くなってしまいます。そのため、邪魔にならない程度に折る部分をずらして、一方が長くなるように干すのが早く乾かすコツです。
ジーンズは「大きな輪」になるように広げて
ジーンズは、ファスナーを開き裏返しにしてベルト部分が大きな輪になるように広げて干すのがポイントです。ジーンズ専用のハンガーなどもありますが、角ハンガーに間隔を広く開けてピンチでつまんでもよいでしょう。
秋冬物の部屋干しポイントは?
秋冬物の衣類は春夏物と比べて生地が厚く、折り目も密で通気性も悪いものが多いです。
・長袖衣類は上下逆さに
長袖の衣類は普通にハンガーに掛けると脇や脇下や袖下の重なった部分の乾きが悪くなってしまいます。肩部分が伸縮するハンガーなら、長く引き出して袖を少し上げることにより脇部分の風通しが良くなります。または、別のハンガーに両方の袖口を掛けて脇が重ならないよう広げて干すか、衣類の上下を逆さにして干してもよいでしょう。
【長袖衣類の干し方】
・袖口を掛けて脇が重ならないよう広げて干す
・上下を逆さにして干す
・パーカーも上下逆さに
同様に、パーカーもフードと背中の重なった部分が乾きにくいため、上下逆さにして干すのも効果的です。フードの生地が二重で厚いものは、フード用のハンガーでフードを上向きにして広げて干すほうが早く乾きます。
【パーカーの干し方】
・パーカーも上下逆さにして干す
・フード用ハンガーでフードを上向きにして広げて干す
・インナーとトップスは交互を意識
秋冬物は薄手のインナーと、その上に着るパーカーやデニムシャツなどでは、生地の厚みが異なります。厚手と薄手のものを交互に並べて干すとよいでしょう。
まとめ
洗濯物の部屋干しは、洗濯機の脱水時間と回数、乾燥時間を短縮できる家電品を使う、乾きやすい干し方を工夫することで、早く乾かすことができます。
ポイントは、湿気がこもることなく空気の流れをつくること、衣類をくっつけずに広げて風を通しやすくすることです。エアコンや除湿機、布団乾燥機などがあればぜひ活用しましょう。また、扇風機やサーキュレーターは室温を上げることなく手軽に使えて効果の高い便利アイテムです。
お部屋に干した洗濯物を早く乾かす方法はざまざま。すぐはじめられる方法から、試してみましょう。リビングや浴室の広さ、お手持ちの家電品にあわせた、ぴったりの部屋干しスタイルを見つけてください。