エアコン室外機の掃除は自分でできる? 3つの手順で解説

夏の冷房、冬の暖房、梅雨時の除湿と、何かと出番の多いエアコン。普段の掃除はどうしていますか? 室内にある本体の掃除はしていても、室外機についてはノータッチという人が多いのではないでしょうか。エアコンの室外機はめったに掃除する場所ではありませんが、場合によっては、掃除をすることで省エネ&節約効果が見込めます。エアコンの室外機の掃除のタイミングと手順について紹介します。

エアコン室外機の掃除はしたほうがいい? 掃除のメリット

屋根のあるベランダに設置された室外機は、屋根やベランダ側面のパネルによって雨風が遮られるため、比較的汚れにくいといえます

エアコンは、室内機と室外機がセットになっています。室内機と室外機はホースでつながれていて、部屋の内と外で熱のやりとりをします。

室内に設置された本体(室内機)は、シーズン前に簡単に掃除をしておくと気持ちよく利用できますが、室外機は頻繁に掃除をする必要はありません。

ただ、室内機を掃除したのに嫌なにおいがしたり、エアコンの効きが悪い場合は、室外機の掃除を検討してみましょう。室外機から、「ガラガラ」「ガコンガコン」という大きな音がした場合も同様です。

室外機掃除のメリットは節電&節約!

室外機は外の空気を取り込んでいるわけではないため、室外機が汚れていても室内の空気まで汚れてしまうことはないようです。

では、室外機を掃除するメリットはまったくないのかというと、そうともいえません。室外機の役割は放熱です。汚れによって放熱がうまくできていないと、部屋の空気を効率よく冷やすことができず、より電力を消費します。設定温度を下げても、なかなか部屋が冷えなかったり、時間がかかったり、エアコンの効きも悪くなります。

室外機を掃除するメリットは、省エネと節電です。室外機がちゃんと働いていれば電力消費が抑えられ、結果的に節電につながります。省エネと節電になると考えれば、汚れを放置しておくのはもったいないですね。

室外機掃除の必要性をチェック

庭に設置している室外機は、汚れやすいので注意が必要です

普段の生活で、室外機を注意して見る機会は少ないのではないでしょうか。汚れといっても、どのような汚れが性能に影響するか分かりにくいですね。

室外機掃除のタイミングが分からない場合は、以下の項目をチェックしてみてください。

・室外機の裏にある、アルミ板にほこりがたまっていないか
・排水ホースにゴミがたまっていないか
・室外機の底にある水抜き穴がふさがっていないか

多くの場合、掃除が必要になるのは、ファンが見える表側ではなく、裏側にあるアルミ板です。アルミ板は細かい層のようになっていて、ほこりがたまりやすい部分です。

排水ホースは、冷房や除湿の際に、室内機で冷やされた空気中の水分が排水される部分です。水が出てきますので、ほこりやゴミがつきやすく、汚れやすい部分です。排水ホースからうまく水が排出されないと、室内機から水が漏れることもあるので、詰まったゴミは取り除く必要があります。

室外機の底にある水抜き穴は、見たことがない人も多いでしょう。水抜き穴といっても特に部品があるわけはなく、筐体の底に穴があいているだけのものです。通常、室外機は地面から10センチほど高く底上げして設置されているため、通常ふさがることはありませんが、庭などに設置されている場合は、雑草やゴミ・異物が穴をふさいでいる場合もあります。一度見てみましょう。

室外機掃除は自分でできる?

室外機の掃除をしようと考えたとき、自分で掃除ができる部分は、さきほどチェックしたアルミ板、排水ホース、水抜き穴の3点です。それ以外の内部のファンなどは、分解しないと掃除ができません。しかし、分解掃除は故障のおそれがありますし、高圧・高温のコンプレッサーに触ると危険性です。自分で分解するのはやめておきましょう。

室外機の掃除手順

掃除に必要な道具は、掃除ブラシと手袋です。ブラシ付きの掃除機があると、より便利です。ほこりを吸い込まないよう、念のためマスクを着用してください。以下、簡単に手順を説明します。

手順1…周囲と排水ホースの掃除

はじめに、室外機の周辺を掃除します。家の壁との隙間に落ち葉が入り込んでいたり、地面から雑草が生えていたり、ゴミがたまっていたりするようなら取り除きます。ベランダに設置されていると、洗濯物の糸くずや髪の毛などがほこりといっしょになって排水ホースに詰まっていることもあります。その場合は、手でつまんで取り除いてください。

ついでに、室外機周辺に物が積まれていないか確認しましょう。障害物があると、空気の流れが悪くなり、排熱効率が下がります。周囲を片付けて、風通しを良くしておきましょう。

手順2…アルミ板の掃除

次は、室外機の裏についているアルミ板の掃除です。このアルミ板の中に熱交換器があります 。ここにほこりがたまったり、ゴミが付着していたりすると、熱の排出がうまくいかず、エアコンが効きにくくなりますので、丁寧に掃除をしましょう。

アルミ板の表面をなでるようにして、やわらかいブラシでほこりを払います。ブラシ付き掃除機で払いながらほこりを吸引すると、簡単です。専門の業者は、クリーニング液を高圧で噴射して汚れを落とします。しかし、水を使った掃除は故障の原因になりうるので、家庭ではNGです。

アルミ板は薄くて繊細なので、力を入れたり、固いものが当たったりすると、ゆがむおそれがあります。力を入れすぎないように気をつけてください。

手順3…水抜き穴の掃除

ベランダ設置の場合はほぼ問題ありませんが、土の上に設置している場合は水抜き穴もよく見ておきましょう。穴がふさがれているようなら、異物を取り除いてきれいにします。詰まりやすい場所であれば、安定したブロックなどで足を高くしておきましょう。ぐらついて倒れると危険ですので、くれぐれも注意してください。

まとめ

「エアコンの効きが悪い」「空気がカビ臭い」という場合、室内機を掃除することで多くの問題が解決します。それでも改善しないときに、室外機掃除を行ってみてください。運転音に異常が感じられる場合や異臭がする場合は、部品が故障している可能性もありますので、専門業者に依頼するほうが確実です。掃除がきっかけで故障した場合、修理保証の対象外となることもありますので、自分で分解することは避けましょう。

【監修】コヤマ タカヒロさん
大学在学中に男性ファッション誌でライターデビュー。その後、PCやデジタルガジェット、白物家電を専門分野として執筆活動を展開。寄稿先は多岐にわたる。家電コミュニティ「家電総合研究所」を主宰。調理家電のテストと撮影のための空間「コヤマキッチン」を用意。米・食味鑑定士の資格を所有。執筆以外に企業のコンサルティングやアドバイザーなども務める。

(最終更新日:2021.07.06)
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