緊急事態宣言以降、外出自粛のため、通販やオンラインショッピングを利用する人が急増しています。インターネット上で手続きが完結し「家に届くのを待つだけ」という気軽さが魅力ですが、最近は配送物の受け取り方法に注目が集まっています。
荷物の対面受け取り希望者が2019年の39%から2020年はわずか1%に!
パナソニック株式会社 ハウジングシステム事業部が、緊急事態宣言発令以降、通販の利用頻度や宅配時の状況について、意識の変化を調査しました。荷物が届く際、どのように受け取りたいか聞くと「非対面がよい」が70%、「どちらでもよい」が29%で合わせて約99%という結果に。「対面がよい」と回答した人は、わずか約1%にとどまりました。
同社が2019年4月に実施した同様のインターネット調査では「対面が良い」と回答した人が約39%を占めていたことから、求められる荷物の受け取り方の変化が見て取れます。
在宅時間の増加にともない、必要になったものを通販で購入傾向か
緊急事態宣言後、通販の利用頻度がどのように変わったか質問すると、約61%の人が「増えた」と回答。「以前と変わらない」人が38%で「減った」という人はわずか1%にとどまりました。
通販の利用頻度が増えた分、どのようなものを購入するようになったのか聞くと「在宅時間が伸びたために必要になったもの(家具・健康器具・おもちゃなど)」が約44%で最も多く、続いて「小売店で購入していた日用品(洗剤・トイレットペーパー・おむつなど)」が約37%、「スーパーなどで購入していたもの(飲料含む食料品)」が約30%と続いています。
配達員にも大きなメリット
受け取る側だけでなく、配送する側にとっても非対面での配達方法はメリットがあるようです。
簡易宅配ボックスOKIPPA(オキッパ)を無償配布したYper株式会社が配送員へ調査したところによると、平均で7割以上の再配達を削減、やむを得ず 再配達となってしまった割合は期間全体を通して平均12.57%と、 全国平均の16%(国交省調べ)を大きく下回ったとのこと。
また、40.8%がOKIPPAの利用によって配達にかかる作業時間が減り、 44.4%が配送に伴う心身の疲れやストレスが減少したと回答しています。
「置き配」窃盗の不安をカバーする「保険」の動きも
コロナ禍において受け渡し双方にとって非対面のメリットがある「置き配」。今回の調査を実施しているパナソニックは1992年から先んじて、宅配ボックスを製造販売してきたほか、Yper株式会社では簡易宅配ボックスOKIPPA(オキッパ)の実証実験を通して取り組みを広げています。そしてAmazonでは2020年3月23日から30都道府県で、配送方法の初期設定が置き配となっていて、業界全体で「置き配」が浸透してきています。
一方で最近の報道では「置き配」された荷物を盗難するという事件が一部で相次いでいます。その場合の補償はどうなるのでしょうか?
Yper株式会社では置き配バッグ️OKIPPAで受け取った荷物の盗難を補償するプランを用意。アプリから100円/30日のプランに加入すると、最大3万円の補償が受けられます。
またAmazonでは盗難された場合、ページの問い合わせチャットから申請すれば、全額返金か同一商品の再配達の対応が可能です。
さらに大手損保でも「置き配」専用保険のリリースを検討しており、社会的なニーズが高まる置き配の普及を後押しする動きが出てきています。
まとめ
新型コロナウイルスの感染拡大にともない、外出を自粛することで通販の利用が増え、物流・配送関係者にかかる大きな負担や、ソーシャルディスタンスを保った荷物の受け取り方などに注目が集まっています。できるだけ対面せずに荷物を受け渡すために有効な「宅配ボックス」が、住まいの標準的な設備となる日は近いかもしれませんね。
【調査概要】
[1]「宅配便受取に関する意識調査」
調査対象:子育てママコミュニティサイト「リトル・ママ」のメールマガジン会員858世帯
調査方法:オンラインアンケート
実施期間:2020年4月24日〜5月6日
実施機関:パナソニック株式会社
[2]「物流における再配達削減とCO2削減を目的とした実証実験」
調査対象:簡易宅配ボックスOKIPPA(オキッパ)を無償配布した724世帯
調査方法:対象者の宅配による荷物の受け取り状況をアンケート調査(一週間ごと計4回)
配送員へのアンケート調査(実験終了後1回)
実施期間:2020年1月20日(月)~2020年2月16日(日)
実施機関:Yper株式会社
ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:パナソニック株式会社、Yper株式会社
(最終更新日:2020.05.21)