新型コロナウイルス感染拡大の影響は、不動産事業の運営や営業活動にも影響を及ぼしています。不動産情報サイト「LIFULL HOME'S」などの住生活情報サービスを提供する株式会LIFULLは、LIFULL HOME'S加盟店企業に対し「第2回 新型コロナウイルス感染症に対する不動産事業者の意識調査」を実施。その結果、9割を超える不動産事業者が「企業活動に影響が出ている」と回答していることが明らかになりました。
「企業活動に影響が出ている」は全体の9割、前月より2割増
「現時点で企業活動に影響が出ていますか?」と尋ねたところ、「当てはまる」(52.1%)、「ややあてはまる」(39.6%)を合わせた91.7%が"企業活動への影響が出ている"と回答しています。同社が3月に行った調査(3月9日~12日実施、回答925件)では、"企業活動へ影響が出ている"と回答していたのは約7割だったことから、1か月間でその傾向がさらに強まったことが明らかになりました。
具体的な影響は来客・内見数などの減少
「現時点で企業活動に影響が出ている」という問いに「当てはまる・やや当てはまる」と回答した方へ、その内容を尋ねたところ、賃貸仲介では「来客数の減少」、賃貸管理・売買仲介・売買分譲では「内見者の減少」が最も多く見られました。その他全ての業態において、「問合せの減少」「売上の減少」「商談の延期・中止」と答えた割合が高くなっています。1か月前の調査と比較すると、「マスクや消毒薬など衛生用品が確保できない」を除いたすべての項目で、回答率が約10~30%上昇しており、企業活動への影響が拡大していることがわかりました。
家賃の支払いが困難になった人からの相談も増加
主に賃貸仲介・賃貸管理を手がける回答者のうち、現時点で企業活動に影響が出ているという方に、3月に入って増加したものを尋ねると、「入居の延期・中止」が最多となりました。また、「家賃値下げの相談・交渉」や「家賃支払い遅延の連絡・相談」に関しても3~4割前後の人が増加したと回答しています。新型コロナウイルスの影響で、失業した入居者の他、収入の減少により家賃の支払いが困難になった入居者からの相談が増えていると考えられます。
自由回答では飲食業者のテナント解約や、賃料の支払い方法の相談をはじめ、入居募集開始の遅れ、室内部品交換修理の遅延、人材派遣業の派遣切りによる退去の増加、保証会社の催告通知の早期化など、主にテナントからの相談が多く見られました。
今後の影響を心配しているかどうかについて聞くと、「当てはまる」(78.3%)、「やや当てはまる」(20.3%)と回答した人を合わせると、全体の98.6%が今後の企業活動への影響を懸念しているようです。終息の兆しを見せない新型コロナウイルスの感染拡大に対して、多くの不動産事業者がその影響を強く危惧していることが分かりました。
まとめ
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、様々な業界が大きな影響を受けていますが、不動産事業者も例外ではありません。しかしその一方で、長引く新型コロナウイルスの流行を受け、オンラインでの相談や物件見学、重要事項説明(重説)のほか、賃料の支払猶予措置などの実施に取り組む企業や団体も出てきています。内見相談や賃料の支払いなどで悩んでいる人は、それらを利用しながら現在の状況を乗り越えたいものです。
【調査概要】
タイトル:第2回 新型コロナウイルス感染症に対する不動産事業者の意識調査
調査対象:LIFULL HOME'S に加盟する全国の不動産事業者
回答件数:750件(LIFULL HOME'S加盟店従業者)
調査方法:インターネット調査
実施期間:2020年4月6日~4月12日
実施機関:株式会社LIFULL
ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:株式会社LIFULL