そろそろマイホームを…と、不動産の購入を検討し始めたものの、初めてのことだらけで「何から調べればいいの?」と悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。住宅選びにおける新築物件と中古物件で異なる購入までの流れや購入条件の違い、契約・引き渡しまでの流れ、住宅ローン控除と確定申告について、内容が関連する参考記事の紹介と併せて、まとめました。
不動産購入の流れ
不動産の購入は基本的に物件を探し、見学や内覧をして気に入れば申し込み、住宅ローンで購入する場合には住宅ローンの事前審査をクリアし、売買契約と併せて住宅ローン申し込みを行い、引き渡しへと進みます。大きな流れはどのような物件の購入でも大きな違いはないので、流れを把握しておきましょう。
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住宅の購入を考える際に決めておきたいのは、希望エリアや予算など、自分たちの大切にしたいポイントを明確にしておくこと。駅近の物件がよい、広い物件がよい、間取りは2LDK以上…など、具体的に優先順位を決めて絞り込み、その希望を叶えるために必要な金額の相場を把握しておくことが大切です。
新築物件購入の流れ
新築物件は完成前から販売の募集が行われているため、モデルルームの見学やマンション販売センターでもらえる資料をもとに検討することがほとんど。完成後の物件をモデルルームやオープンハウスとして開放している物件もあるので、チャンスがあれば見学してみましょう。新築マンションはインターネットなどで大きく広告を出していることも多く、資料請求がしやすいのもメリットです。
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一戸建て(建売)住宅の場合もまずは住みたい家の条件にあてはまる物件を探すところからスタート。インターネット検索などでも見つけられますが、不動産仲介会社を利用すればいち早く新築一戸建ての情報をキャッチできることも。希望エリアの営業担当者に販売情報を問い合わせてみるのもオススメです。
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・予算検討
まずは購入予算について考えおきましょう。自己資金はいくら用意でき、住宅ローンの借り入れ金額と毎月の返済額の想定したうえで、まずは予算感を把握しておくことが大事なポイントです。
その上で、希望に合う物件があったら、まずは見学をしてみましょう。
・見学予約~内覧・現地見学
見学のためには、売主である不動産会社(販売代理の会社が入っている場合は窓口担当がそちらになる場合も)に問い合わせをして、予約をとります。当日飛び込みで訪れても満席で、相談や物件見学ができないこともあるので、事前に予約を入れておくとよいでしょう。
モデルルームやモデルハウスの見学では設備のグレードやオプションで追加できる設備などのプランを細かくチェックしておきましょう。現地見学ができる場合には周囲の環境や雰囲気、日当たりなどもチェックしておくと、検討材料になります。
土地勘のない場所での購入を検討する場合には、インターネットで調べた情報だけでなく、営業担当者に直接聞いてみることでよりイメージが持てるようになると思います。
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・価格シミュレーション・見積もり
見学後には、希望者向けに住宅ローンや諸費用を含めた購入見積もりを作成してもらえますので、不明点は気軽に相談してみましょう。
・物件申し込み
物件の価格や返済シミュレーションが予算と折り合えば、購入の意思を伝え、物件の申し込みへと進みます。このときに、申込証拠金として一定のお金(数万円から10万円程度)を預けるのが一般的。このお金は次に支払う手付金に充当され、売買にいたらなかった場合には返金されます。
・住宅ローン事前審査
このタイミングで住宅ローンの事前審査を行います。事前審査は金融機関が行うもので、最低限の書類をもとに短い時間で審査を行います。通常、3日~1週間ほどで審査結果がわかります。
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・重要事項説明・売買契約~手付金支払い
購入申し込み後、宅地建物取引士からの重要事項説明を受け、売買契約の締結へ進みます。
購入する物件の立地や特殊事情、周囲の環境などについて改めて説明してもらい、売買契約をして手付金(購入金額の5~10%程度)を支払います。手付金の支払いはあらかじめ指定の口座に振り込む方法が多く、当日持参する必要はありません。
・住宅ローン申し込み(本審査)
また並行して住宅ローンの本審査を受ける段取りになります。本審査は保証会社が行い(【フラット35】の場合、本審査を行うのは住宅金融支援機構)、ここで融資の可否が決まります。
保証会社とは、住宅ローン返済ができなくなった場合に、債務者に代わって金融機関にローン残額を返済します(その場合、債務者は保証会社に返済する形になる)。そのため、本当に融資しても大丈夫かどうか、厳しい審査が行われるため、事前審査に比べると必要な書類も多く、審査にかかる時間もおおむね2〜3週間と長くなります。
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・住宅ローン契約~完成内覧・引き渡し・入居
本審査を通過すれば、金融機関と住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)を結びます。金融機関によって違いはありますが、住宅ローン契約を結んでから、融資実行日までは、だいたい3日〜1週間くらいかかるのが一般的です。
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融資実行日には、不動産会社などの担当者、司法書士、買い主が立ち会って決済が行われます。同時に鍵の引き渡しも行われ、実際に建物や部屋を内覧して傷や汚れがないか、設備仕様に不具合がないかを確認し、いよいよ入居となります。
・新築物件の購入にかかる期間は?
新築物件は完成前に販売開始がされるケースも多いことから、申し込みの時期によっては引き渡しまでに1年以上の期間が空くこともあります。契約後はこれから始まる新生活に向けて滞りなく準備を進めておきましょう。生活に欠かせない電気ガス水道の手配や、意外と忘れがちなカーテンの用意など、引き渡し目前に慌てないように注意を。前もって新居に置きたい家具やインテリアはゆっくりと選んでおくことがオススメです。
中古物件を購入するには
中古物件の購入方法ですが、大まかな流れは新築物件の購入とほとんど同じです。ひと通り全体の流れから、手続きが異なる部分を中心にご紹介していきます。
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・予算検討~物件見学
まずは新築の購入と同様、購入予算についてきちんと検討・把握しておきましょう。
気になる物件を見つけたら、売主または売主に代わって宣伝や売買の手続きをしている不動産仲介会社に連絡をとって物件の見学をします。
売主が居住中という物件もありますが、見学には不動産会社の営業担当者が同行してくれるので、売主と直接交渉をする必要はありません。
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・購入申し込み~買付証明書の作成
中古物件の場合も、物件の購入意思が固まったら売主に代わって売買仲介を行う不動産会社に購入したい旨を伝え、購入にかかる条件書(買付証明書)を作成します。
物件の希望購入価格や引き渡し時期などの条件を明記し、「この条件でなら買いたい」と意思表示するもので、売主が物件を買主へ売るかどうかを判断する材料になります。
・住宅ローン事前審査
また、住宅ローンを利用する場合は、新築物件同様にこのタイミングで金融機関へ事前審査を行います。
なお【フラット35】で中古住宅を購入するためには、「適合証明書」の交付を受け、提出することが必要となりますのであらかじめ確認しておきましょう。
(関連サイト)【フラット35】で中古住宅を購入するためには
・ホームインスペクション
売買契約の前には住宅診断(ホームインスペクション)を利用するのがおすすめです。住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所などのアドバイスが受けられるため購入の参考になります。
・重要事項説明・売買契約締結~仲介手数料支払い
契約条件が折り合えば、重要事項説明を受け、売買契約書の締結へ進みます。また売買契約の際には仲介業務を行った不動産会社へ手数料を支払います。後述しますが一般的には2回に分けて支払うことが多いようです。忘れず準備をしておきましょう。
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・住宅ローン申し込み(本審査)~引き渡し・入居
金融機関へ住宅ローンの申し込みを行い本審査になります。審査が通ればローン契約を行います。指定の日に残代金の決済を行い、引き渡しとなります。引き渡し日に所有権が移転され、すぐにでも入居が可能になります。
・中古物件の購入にかかる期間は?
中古物件の購入にかかる期間は、売主や買主の事情によってまちまちですが、「早く売って新居に引っ越し、新生活を始めたい!」と考えている売主も多いため、交渉がまとまればスピーディーに動くことも。
完成までに時間のある新築と比べると引き渡しまでの期間も短くなる傾向にあるため、住宅ローン審査などは遅れのないように手続きを進めておくよう気をつけましょう。
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住宅ローン以外にも必要になる手付金や諸費用に要注意
マイホームの取得にかかる費用は、住宅ローンの借り入れと返済だけではありません。購入申し込みの際に必要な申込証拠金が、売買契約時には手付金が必要になります。
申込証拠金は手付金に、手付金は物件価格に充当されますが、これらは現金で求められることがほとんど。特に手付金は物件価格の5~10%が主流のため、あらかじめまとまったお金を用意しておくことが大切です。
また、住宅ローンの保証料や登記費用、火災保険料といった諸費用も大きな金額になりやすく、「頭金として使う予定だったお金を切り崩すことになった」というケースも。住宅ローン借り入れの割合を増やして住宅購入をする人は増えていますが、諸費用や手付金分の現金も必要。マイホームを検討するまでに、しっかり貯めておきましょう。
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中古物件を購入する場合には、不動産仲介会社に支払う「仲介手数料」も必要に。購入価格が400万円を超える場合は、購入価格の約3%を支払います。契約締結時と引き渡し時の2回に分けて50%ずつ支払うのが一般的なので、こちらも用意しておきましょう。
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住宅ローン控除と確定申告
住宅ローンを組んで家を購入した場合、一定の条件を満たしていれば、住宅ローン控除によって減税を受けることができます。以下主な要件を紹介します。
【新築住宅と中古住宅共通の主な要件】
・床面積が50平米以上であること
・自ら居住すること
・完成から6ヶ月以内に居住し、その年の12月31日まで継続して居住すること
・住宅ローンの借入期間が10年以上であること
・控除を受ける年の年収が3,000万円以下であること
住宅ローン控除の確定申告には「住宅ローン残高証明書」(概ね10月に金融機関から郵送、ただし借入時期が9月以降だった場合には、初年度分のみ翌1月に発送※)、また12月もしくは1月には勤務先からが発行される「源泉徴収票」、その他、住民票の写しや、住宅や土地の登記事項証明書などが必要です。これらの書類は早めに準備しておきましょう。
1年目は確定申告が必要
住宅ローン控除を受けるには確定申告が必要です。給与所得者の場合、2年目以降は勤務先の年末調整で控除を受けることができますが、1年目については確定申告をしなければなりません。下記記事では、住宅ローン控除と確定申告について紹介していますので、参考にしてみてください。
(関連記事)【税理士監修】はじめての住宅ローン控除と確定申告に必要な書類とは?
中古住宅の場合
また、中古住宅の購入で住宅ローン控除を受けるには、築年数の基準を満たす必要があります。なお、築年数の基準を満たさない場合でも、一定の耐震基準を満たせば住宅ローン控除を受けることができます。下記記事では、住宅ローン控除を受けることのできる中古住宅の条件について紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。
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まとめ
新築・中古物件の購入の流れについて解説しました。大きな流れは共通していますが、わからないことや疑問点はそのつど販売スタッフや不動産仲介会社に尋ねながら不安を解消していきましょう。
また、住宅ローン審査などのタイミングについても教えてもらえるので、まずは何でも相談してみてることが大切です。満足できるマイホーム取得に向けてしっかりと下準備を行い、ピッタリの家を見つけてくださいね。
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