マンション購入経験者に聞く、高層階と低層階では悩んだ? その決め手は?

一言で家を買うと言ってもさまざまな種類があり、それぞれに特徴は異なります。たとえば、マンションのなかにも高層階マンションと低層階マンションがあるので、どちらにするべきか悩んでいる人もいるでしょう。

そこで、マンションを購入した経験者に対して、購入するマンションの居住階数について比較検討したことがあるのか、アンケートを実施してみました。

【質問】

マンションを購入した経験者にお聞きします。高層階マンションか低層階マンションか比較検討はしましたか?

【回答数】

比較検討した:56
比較検討しなかった:44

比較検討した人はマンションの高さにこだわりがない⁉

アンケートの結果「比較検討した」と答えた人が56%とやや多数派でした。比較検討したうえで、選んだ決め手も聞いてみました。高層階・低層階を選んだそれぞれの決め手をご紹介していきましょう。

比較検討したと回答した人の声

<高層階マンションを選んだ人>

【眺望の良さ】
・高層階マンションにしました。理由は景色を楽しみたかったからです。(30代/女性/正社員)
・9階建てのマンションで7階の部屋を購入した。やはり見晴らしが良いという点が決め手となった。(30代/男性/個人事業主)
・見晴らしが良いのが気に入ったから、高層階マンションにしました。(30代/女性/個人事業主)
・低層の方が安いのでそれでも良かったのですが、花火が見えるマンションだったので、高層階の方がいいと思い高層階にしました。(30代/女性/正社員)
・15階から見える眺望が気に入ったため、高層階マンションにしました。(30代/女性/専業主婦(主夫))
・14階建ての13階を選びました。夏に高温になると言われる最上階を避け、良好な眺望を確保しました。(50代/男性/個人事業主)
・48階を選びました。眺めがとてもいいので、毎日退屈せずに暮らせています。(30代/女性/個人事業主)
・高層マンションの方が、部屋からの眺望が良かったからです。(20代/女性/正社員)
・低層階よりも景色が良かったので、高層階マンションを選びました。(20代/女性/正社員)
・見晴らしがよく開放感があったので、高層階マンションにしました。(20代/男性/正社員)
・低層階マンションは、災害時に避難しやすいですが、高層階マンションは、眺望が良く、セキュリティ面も安心なので、後者を選びました。(30代/女性/個人事業主)

【資産価値を考えて】
・高層階タワーマンションが良い。資産になりやすいと思うのでおすすめです。(30代/男性/正社員)
・将来処分することも念頭に、資産価値が上がりそうな高層マンションに決めた。(50代/男性/正社員)

<低層階マンションを選んだ人>

【災害時を考慮して】
・売却した場合の値段は、高層階マンションの方が良いでしょう。しかし、地震などがあった場合、エレベーターが止まることがあるというニュースをよく見かけました。買い物や非常時の水などの運搬を含めて、低層階マンションにしました。(50代/男性/正社員)
・火災や地震などで避難しやすいと思って、低層階マンションを選んだ。(40代/男性/個人事業主)
・低層マンションの2階に住んでいます。あまり高いと災害時に大変だと思って選びました。(40代/女性/正社員)
・低層階マンションを選んだ。地震や火災などの緊急事態の時に、小さな子どもを抱いて逃げる際、低層階マンションの方がすぐに下へ降りることが出来るから。(30代/男性/正社員)
・高層階は眺望がいいが、災害時にエレベーターが止まると不便なので低層階にしました。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・3階にしました。洪水になっても浸水しない高さだと思ったからです。(40代/男性/正社員)
・高層マンションは地震の時怖く、エレベーターも朝は混みそうだと思ったため、低層マンションを選びました。(30代/女性/正社員)
・低層階マンションにした。高層階マンションは、災害などがあった時にすぐに逃げられないことなどがデメリットであると考えられるため。(40代/女性/無職)
・低層階マンションにしました。災害時に不便な事が起きる事が想定できたから。(40代/男性/専業主婦(主夫))
・高層階マンションは災害が発生したときに問題なく非難できるのか不安に感じたので、低層階マンションを選びました。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・低層階マンションを選択しました。自然災害が多発する中で、高層階での避難などのデメリットや建物自体の安定性を考えました。(50代/女性/専業主婦(主夫))
・低層階マンションを購入。自然災害が多い今日この頃、地震や停電があった際に高層階ではエレベーターが止まった時に逃げるのも生活するのも大変。また火災があった際にも高層階では逃げるのも救助してもらうのも困難。定期的に停電やエレベーターの点検があるので、その際にも階段でも苦にならない程度の階層に住んでいたい。(40代/女性/専業主婦(主夫))

【価格面で】
・低層階マンションを選んだ。ただ単純に低階層の方が安かったから。(30代/男性/経営者)
・低層階(3階)の部屋を購入しました。高層階が希望でしたが、階数が上がるほど金額も比例して上がるため、自身の支払い能力との兼ね合いから3階を購入しました。(30代/男性/個人事業主)
・低層階マンションを購入しました。費用が安かったというのと、駐車場の使いやすさという理由です。(20代/女性/正社員)
・防犯の面から高層マンションにしようかと思いましたが、値段が安かったので低層マンションを選びました。(30代/男性/正社員)

【生活面で】
・両親が高齢者のため、日常の買い物等を考えた結果、低層階を選びました。(30代/女性/専業主婦(主夫))
・高層階ですと、ゴミ出しや買い物した荷物の出し入れが不便と聞いたので長期の事を考えて低層階マンションを選びました。(30代/女性/正社員)
・落ち着いた住環境で生活をしたく、戸数の少ない低層マンションが自分に合っていると思いました。また、共用スペースなどの設備は必要ではなく、万が一の時に階段で移動できることも重要視したポイントです。(30代/女性/パート・アルバイト)

高層階マンションを選んだ人は、眺望・見晴らしの良さや開放感など、高層階だからこそかなう景色が決め手になった人が多くみられました。また、高層階ではセキュリティ面での安心感もあるようです。低層階マンションは、災害時のリスクを考慮して選んだ人が圧倒的でした。

両方の意見からうかがえるのは、「もともとマンションの高さにこだわりを持っていた人は少ない」という点です。高層階と低層階は、それぞれにメリット・デメリットがあるので、どちらがいいかは一概に言えるものではありません。両方のメリット・デメリットを比較検討したうえで、自分の優先する項目に沿って選択しているようです。

比較検討しなかった人はすでに検討済⁉

アンケートの結果「比較検討しなかった」と答えた人は、44人と少数派でした。

比較検討しなかったと回答した人の声

【高層階マンションに決めていた】
・出来るだけ高い階を考えていたので、低層階は比較しなかった。(40代/女性/パート・アルバイト)
・高層マンション。見栄を張りたいタイプなので低層は元々考えてなかった。あと虫が出るのが極端に怖い。(30代/女性/正社員)
・高層階マンションのみ選びました。私の実家はマンションの上層階です。セキュリティを考える上で、実家の階よりも下層階は怖いと思いました。また、通常マンションは上層階の方が値段が高くなりますので、私でも購入可能な値段で希望する階を購入するためには、高層階マンションでなければと考えたからです。(40代/女性/正社員)
・最初から高層階マンションを購入するつもりでした。低層階ならアパートや一戸建て賃貸などと比較したでしょう。(40代/男性/正社員)

【低層階マンションに決めていた】
・高層階マンションは災害が起きた時が不安だったので、選択肢にはありませんでした。今も階段で上り下りが苦痛にならない階に住んでいます。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・低層階マンションです。高層階マンションは値が張るという観念があり、資金の関係で、全く検討いたしませんでした。(40代/女性/個人事業主)
・歳をとったら昇降がしんどいと思ったので、低層階に最初から決めていました。(40代/男性/正社員)
・低層マンションにした。エレベーターで上階まで進むのに時間がかかるのが嫌だった。また、地震や強風の際に上階は非常に揺れると話に聞いていたので、あまり高いマンションは検討しなかった。(30代/男性/正社員)
・停電になった時に自力で帰れるところでなくては嫌だと思っていたので、高層階は考えませんでした。(60代/女性/パート・アルバイト)
・高層階マンションの購入は考えませんでした。新規購入の際の価格は一番高いが中古で売却する時の価格下落幅は一番大きいと感じていたからです。また、高層階は日常生活では非常に不便であるということも耳に入っていたので、3階以下を目安に選択しました。(40代/男性/正社員)
・独身の時、10階建ての10階に住んでいたが震災の時にとても苦労しました。エレベーターが止まると無力になりましたので、結婚し、新天地でスタートするべき新居は低層階が良いと思って探しました。(50代/女性/個人事業主)

比較検討しなかったと答えた人に多かったのが「最初から決めていた」という意見です。ただし、最初から決めていた人にもそれなりの理由があることから「購入前の段階ですでに比較検討していた」と言えるのではないでしょうか。

比較検討しなかったという人たちも、高層階・低層階のメリット・デメリットを把握し、購入時には比較検討が終わった状態で不動産業者に相談していることがうかがえる結果となりました。

どちらを購入するかで迷う人は自分の条件を整理してみては?

今回のアンケート結果からは「比較検討した」「比較検討していない」のいずれに答えた人も、多かれ少なかれ悩んだ経験を持っていたことがわかりました。比較検討していないという人も、マンションを購入する段階では悩んでいないだけで、その前段階では比較検討していることがうかがえます。

高層階と低層階にはそれぞれメリットとデメリットがあるので、自分の条件に合った物件を選んだほうが無難と言えます。どちらにするか悩んでいる人は、まず自分の条件を確認してみることから始めてみてはいかがでしょうか。

■調査地域:全国
■調査対象:年齢不問・住宅購入経験者の男女100人
■調査期間:2020年2月7日~21日
■有効回答数:100サンプル

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