住宅購入の際には、間取りや設備などを考えて決めることが大切ですよね。それらは、毎日を快適に過ごすには欠かせない条件と言えるでしょう。そのうえで、通勤や通学の利便性なども見逃すことができません。しかし、実際に暮らしてみて初めて失敗に気づくこともあるでしょう。そこで、街選びでの失敗を防ぐにはどのような点に注意すべきかを知るために、住宅購入経験者を対象にアンケートを取ってみました。
【質問】
住宅購入経験者にお聞きします。エリア・街選びで失敗したなと思ったことの経験はありますか?
【回答数】
ある:60
ない:40
6割の人は失敗したと感じている! 将来を見据えて探すことも大切
アンケートの結果「ある」と答えた人が多く、回答者の6割を占めることがわかりました。失敗したと思うポイントはどのような点が多いのでしょうか。
失敗した経験ありと回答した人の声
【周辺施設、環境】
・なるべく静かな環境の土地を選ぶ場合、最低限の施設(買い物場所や子どもがいれば学校や病院)があることを確認したほうが良い。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・住宅街でもスーパーが近くにあることが決め手となりましたが、すぐに閉店してしまい、買い物に困っています。利便性は幅広く考えるべきです。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・家を購入した地域に通っていた路線バスが廃止された他、最寄りの小売店も廃業して不便になりました。地域の経済事情を詳しく把握することが不便な暮らしを避けるための重要なポイントと言えます。(40代/男性/個人事業主)
・住宅購入した当時は近くにスーパーがあったが、今は閉店してスーパーが遠いところにしかない。スーパーの充実したエリアが良かったと思っている。(40代/男性/正社員)
・老後の生活まで考えてエリアの選択をした方がいいと思います。駅近くがいいと思っていましたが、老後使うことはあまりないのでそれよりも病院などが近い方がよかったのではないかと思いました。(20代/女性/専業主婦(主夫))
・静かな所が気に入ったので購入したのですが、買い物に行くのに少し時間がかかってしまいます。まとめ買いなどしますが、重い荷物を持って帰らなくてはいけないため大変です。利便性を考えて、自分のライフスタイルに合った場所や街をしっかりと考えて購入する事が大切だと思います。(20代/女性/パート・アルバイト)
・大きめのスーパーや、肉・野菜に定評のある個人商店など、日々の生活で利用するお店の有無をよく確認しておくべきです。(40代/男性/正社員)
・最寄りのスーパーは近めなのと、周りの環境が落ち着いた雰囲気であることは重要だと思いました(30代/女性/専業主婦(主夫))
【地域・住民】
・便利なエリアに引っ越しましたが、住人の質についてまで調べていなかったことが悔やまれます。(40代/女性/正社員)
・実際に住んでみると、地域によってゴミ出しの方法が違ったりしていて、事前にそういった情報も分かっていればよかったなあと思いました。ちなみに、かなりゴミの分別が厳しくて、大変です。(30代/女性/個人事業主)
・隣近所にトラブルメーカー的な人が住んでいることに気づけなかったことです。住宅購入前には入念な下調べが必要だと痛感しました。(40代/女性/正社員)
・同じくらいの年頃の子どもが多く住む新興住宅地を選びましたが、なにかと比較されることも多かったので、あまり多いのも考え物です。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・自分が思っていたよりも高齢化が進んだ地域で、民生委員などが若手にまわってきます。そのことが予想外でした。地域の様子の下調べは大事です。(40代/女性/個人事業主)
・その地域独特の風習や近所付き合い、ファミリー層なのか昔からの住民が多数住んでいるかどうかの調査は、できるだけしっかりしておくと良いです。(30代/女性/専業主婦(主夫))
【騒音】
・駅に近い大通り沿いに家を買ったが、思ったより車の音が気になった。特に朝は、その音で目が醒めることもある。(30代/女性/公務員)
・小学校が近くにあり、子どもの声が聞こえるのはいいのですが、授業時間の大きな音楽やチャイムの音など、毎日毎日聞こえてくるとだんだん嫌気が…。小学校から近いと思って購入しましたが、住んでみてから気づくデメリットを減らすために、住む前にはできるだけ色んなケースに気を配ることをお勧めします。(30代/女性/正社員)
・利便性を考慮して街の中心地にすると、予想以上に騒音があるので注意する。(30代/男性/経営者)
・自宅から近い場所に学校があり、チャイムの音がかなり気になる。(30代/女性/専業主婦(主夫))
・静かなエリアが気に入って購入しましたが、夜は車や暴走族が走りとてもうるさく困っています。夜の事まで考えず購入した事が失敗でした。(30代/女性/専業主婦(主夫))
【立地】
・近隣は坂道が多く、身重の妻が移動するのに大変でした。スーパーもバリアフリーでないところもあり、この辺は失敗したと思いました。(40代/男性/正社員)
・緑が多く、自然豊かな場所を希望していたので、公共交通機関が利用できないため車がないと移動には大変不便です。今から高齢期になって、免許証返納後が心配です。購入前には、ぜひ将来を見込んで検討して下さい。(50代/男性/公務員)
・安いからと、最寄り駅からかなり遠い場所に購入してしまったため、通勤などが不便になってしまいました。(30代/女性/専業主婦(主夫))
・基本的に買い物にいくには車がないといくことができず、公共交通機関も遠いのでそこは失敗かなと思います。(30代/男性/個人事業主)
・山の上にある閑静な住宅街の住宅を購入したが、バスも走っておらず、毎日が山登りで梅雨の時などは特につらい。立地等はある程度は慣れてくると思うが、老後のことも考えるとできれば平地が望ましい。(30代/男性/個人事業主)
・自然豊かでいいのですが、坂がきつい。住んでいるところの地盤はしっかりしているが、山手が土砂災害の危険がある。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・住宅のある場所が町の中心から離れていたり、交通の便が悪くないか確認すべき。(40代/女性/パート・アルバイト)
・子育てに良いと思って自然が広がるエリアを選びましたが、車がなければ買い物がしにくく、老後がやってくる前には引っ越す必要があると思っています。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・交通機関の便利性を重要視するべきだった。駅遠だしバスの本数は少ない。(20代/女性/正社員)
・利便性ばかり考えて、とにかく駅近物件を選びましたが、騒がしい環境でタバコやゴミのポイ捨てが多いです。(50代/男性/正社員)
【治安、安全性】
・子どもの小学校入学を見据えて住宅を購入しました。学区最優先で選びましたが、犯罪マップをもう少し吟味するべきでした。(40代/女性/公務員)
・同じような街並みで、価格の安い方を選びましたが、土地柄が悪く失敗したと思いました。どんな地域なのか、きちんとリサーチすることをオススメします。(40代/男性/正社員)
・その町や近所の治安をしっかり確認すること。実体験では、わたしの近所は非常に治安が悪く、家の目の前で逃走中の男が警察に捕まったりしました。治安や交通事故などの確認をした方がいいと思います。(20代/男性/正社員)
・駅が近く利便性の高いエリアに住宅を購入したときに、繁華街などが近隣にあったため、夜の治安が悪く外出をためらうようになったことです。(40代/女性/個人事業主)
駅近物件は生活に便利ですが、騒音やゴミ問題などで悩むことが多いようですね。そのような思いをしないためには、住む人にとって大切なものを優先したほうがよいかもしれません。
子どもがいる家庭では学校に近い場所を選ぶのも一案ですが、学校から聞こえる音は我慢する必要があるとわかりました。
また、医療機関に近いところから絞り込むなど、将来を見据えた物件探しが重要だと言えるようです。住宅購入後は安易な引っ越しが難しいだけに、いろいろな角度からの判断が不可欠だとわかる結果となりました。
4割の人は失敗したと思っていない! 積極的な情報収集がポイント
その一方で「ない」と答えた人が4割いることがわかりました。失敗したと思わない人たちは、どのような行動をとっていたのでしょうか。
失敗した経験なしと回答した人の声
【情報収集する・実際に見に行く】
・通勤や利便性などいろいろと下調べをしておくこと、また物価も調べておくと失敗しないと思います。(40代/女性/個人事業主)
・そのエリアがどのような場所なのかを調べた。また、近くのスーパーや建物があるかを確認した。(40代/女性/正社員)
・ネットでの情報収集+実際に足を運んで見て回る。スーパーや病院、学校へのアクセスが良いかなどの下調べ。(20代/女性/専業主婦(主夫))
・インターネットの情報も大切ですが、自分の足で歩いてみて感じる印象も大切にした方がいいです。(30代/女性/専業主婦(主夫))
・一番に「ここにこだわって優先してください」と不動産会社に伝えておき、実際に自分たちで見に行ったり、何度も足を運ぶこと。(20代/女性/個人事業主)
・最初の数ヶ月間は、近所のスーパーが無くなったり、街灯が少なくて夜道が暗かったです。すぐに開発が進み、今は夜も心配なく歩けるので、子どもがいても安心して住めます。夜の様子はチェックしておく方が良いでしょう。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・実際に現地を見に行って、インターネットなどでも治安や状況などについて調べることが必須だと思います。現地に見に行くのは、できれば平日と休日、昼間と夜間など、様々な状況の時に見に行くことをお勧めします。(30代/女性/パート・アルバイト)
・事前に何度も足を運び、さまざまな時間帯などを調べていたので問題ない。(40代/女性/パート・アルバイト)
・事前にできるだけ多くの情報を集めておくことは重要だと思います。特に朝昼夕夜と街の様相が一変する地域もあるので注意が必要ですね。できればご自身で、時間帯別に街を散策しておくことをおすすめしておきます。(40代/男性/個人事業主)
【周辺施設・環境、立地】
・駅、スーパー、コンビニまでの距離は重要だと思います。駅は近過ぎると音が気になるので、徒歩10分くらいの距離がちょうど良いと思います。(30代/女性/個人事業主)
・周辺に公園やコンビニがあるなど、静かでありながら便利な場所を選ぶといいと思います。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・学校や病院、スーパーやコンビニが多いところが向いている。また、車を使うときは大通りがあるか、電車を利用するときは駅との距離も大切。(20代/女性/個人事業主)
・購入前に最寄り駅の再開発が予定されていたので、再開発後に買いものなどがしやすくなった。(40代/男性/個人事業主)
・まずは治安のよい場所であるかどうかが、安心して生活する上で一番大切なことだと思います。(40代/男性/個人事業主)
・間取りやデザインが気になりがちですが、一番大事なのは立地条件です。(50代/男性/正社員)
・交通の便の良さ、病院、幼稚園、小中学校が近いこと、買い物が便利なことを考慮した上で購入して正解でした。子育てを考えるなら、治安の良さと地域の教育レベルなどの確認も必要だと思います。(40代/女性/個人事業主)
・最寄り駅が2駅あるのですが、近い方が徒歩7分。もう一つの駅が徒歩15分です。近い方の駅は、出勤時間でも他の私鉄電車より混雑が少なく、非常に快適に通勤できます。通勤、通学のことを考えるのであれば、やはり駅から徒歩で10分以内のところがいいでしょう。(50代/男性/正社員)
・静かなところがいいと言うことで郊外などを選ぶ方も多くいらっしゃいますが、場所によっては交通の便が悪く、今は良くても老後に大変と言うことも考えられるのでそういったことも頭に入れておくとよいと思います。(20代/男性/学生)
【地域】
・近隣の付き合いが希薄な現代社会ですが、それでも隣近所とはうまくやっていくに越したことはありません。いざというとき、地域社会の団結はとても大切です。特に子どものいる家庭では、自治体で行う様々な行事があったりするので、地元の方々と仲良くやっていくことも大切です。(50代/女性/パート・アルバイト)
・職場までの通勤時間や利便性も重要ですが、周囲の歴史的環境も調べておくといいと思います。新興住宅地ならともかく、昔からの住宅街だと意外に近所付きあいや自治会への参加がほぼ必須のところもあります。(50代/男性/個人事業主)
街の様子を把握するためには、商業施設ができる予定なども含めて積極的な情報収集が必要だとわかりました。周辺を歩くときは時間帯を変えることで新たな気づきがあるかもしれません。
また、その地域のルールを把握することが大事との意見も見逃せません。子どもがいる家庭では子ども同士の付き合いだけでなく、保護者同士の付き合いも必要になってきます。地域のなかで溶け込んで生活するためには、良好な人間関係を築く努力が欠かせないと言えるようですね。
住宅ローン専門金融機関のARUHIは
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老後の生活まで考慮して幅広い情報収集を!
街選びで失敗しないためには、事前の情報収集が鍵を握ることがわかりました。また、利便性だけを追求するのではなく、通勤や通学ルートに問題点がないかどうかも確認することが大事なようです。そのうえで、入居後にも心掛けるべき点も少なくありません。
地域のイベント開催時には積極的に参加するなど、快適な暮らしを維持するためにも周辺住民との関わりは重要視したほうがいいでしょう。街選びで迷っている人は、こちらに寄せられたアドバイスを参考にしたうえで、物件探しに反映することをおすすめします。
■調査地域:全国
■調査対象:年齢不問・住宅購入経験者の男女100人
■調査期間:2020年2月7日~21日
■有効回答数:100サンプル