夢の一戸建てマイホーム、と聞いただけでワクワクと胸が弾むものではないでしょうか。理想の立地、理想の間取りと、理想を挙げていけばキリがありませんよね。しかし、理想にばかり目を向けていては、現実的なリスクやデメリットを見落としてしまいがちです。ここでは、一戸建ての購入において「失敗だった」と思ったことがあるのか、実際の一戸建て購入者から募ったアンケート結果を紹介していきます。
【質問】
一戸建てを購入した経験者ににお聞きします。一戸建ての購入で失敗したなと思ったことの経験はありますか?
【回答数】
ある:69
ない:31
もっと考えておけばよかった! 一戸建て選びで失敗したポイントは
アンケートの結果、一戸建て選びに失敗したと考えている人の声が最も多く寄せられました。一生モノの買い物だからこそ、購入時にあらゆる方向から細部の細部まで検討しておきたいところですね。
失敗した経験ありと回答した人の声
【ライフスタイルの変化】
・土地の広さは、自分や家族のライフスタイルを考え、丁度良い大きさを探すべきです。大きければ管理が大変で、小さければ庭や駐車スペースが確保できない。(30代/男性/正社員)
・生活が変わると問題も表面化する。車庫の大きさ、間取り、収納の大きさなど。(50代/男性/正社員)
・結婚と同時に家を購入することになったため、子どもを想定した間取りをもっと考えれば良かった。子どもが生まれ、二人乗り用の自転車を購入した時に玄関周りに駐輪スペースを作るためにリフォームした。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・敷地が狭いので子どもの自転車を置くスペースがありません。子どもの人数や成長を考えた間取りや設備を予測して購入するべきでした。(50代/男性/正社員)
・少し広すぎる家を購入してしまったかなと思います。今は義母との二世帯ですが、自分たちが老後に子どもたちと二世帯で住みたいとは思っていないので、二人暮らしにしては大きすぎる家かなと思いました。今後の人生プランをしっかりと考えての購入をお勧めしたいです。(20代/女性/専業主婦(主夫))
・将来の家族構成をしっかり考えていなかったので、子ども部屋のスペースが不十分になってしまいました。施工前に業者の専門的アドバイスを受けて、設計することをおすすめします。(40代/男性/パート・アルバイト)
【近隣、周辺環境】
・家自体は問題ありませんが、近所の住人や環境について、もっと調べておくべきだと思いました。(40代/女性/正社員)
・購入した後で隣にビルが建ち、日当たりが悪くなってしまいました。一戸建ては高額なので環境が悪くなっても簡単に買い替えることができません。そのため、購入の際は近隣の環境や開発の状況も確認することが大切です。(40代/男性/正社員)
・中学校が遠かったのが不便でした。3年間だけだと思ってしまいがちですが、部活動等で土日も通学したり帰りが遅くなるため、少し距離を考えた方が良いです。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・両隣だけでなく、その町内にどんな人が住んでいるのかをある程度調べておくと、あとで後悔が少ないです。(30代/女性/パート・アルバイト)
・家の間取りや立地はもちろん大事ですが、隣近所にどんな人が住んでいるかも確認しておかないと、思わぬ近隣トラブルに迷わされる事になります。(40代/男性/正社員)
・家の近くの住宅や住民を見たり、ゴミ捨て場のゴミの捨て方を確認することです。引っ越してから、お隣さんが変な人間でも引っ越すことは簡単にできません。また、隣が空き地などもやめた方がいいです。照明器具が自分で取り換えられる位置にあるか、窓や天井など自分で掃除できる作りかも確認しましょう。(40代/女性/派遣社員)
・ご近所トラブルにあったことです。賃貸のように自由に転居することができなくて苦労しました。(50代/女性/専業主婦(主夫))
・一度購入してしまったら、当然長い間そこに住み続ける事になりますので、立地条件などはもちろんですが、ご近所の方がどのような人なのか、事前に確認出来れば申し分ないと思います。(50代/男性/公務員)
【間取り・収納・内装など】
・階段周りの設計には気を使いましょう。私の場合は、リビングに階段を設けたので、空調効率が悪くなってしまいました。(20代/女性/正社員)
・玄関にクローゼットをつけておけば良かったと後悔しています。花粉やウィルスを部屋に持ち込ませないように、コートやバッグの収納場所があるといいと思います。(40代/女性/パート・アルバイト)
・壁紙の選択に失敗しました。壁紙が弱すぎて、すぐにボロボロとはがれてしまいます。(40代/女性/パート・アルバイト)
・収納できるスペースを自分なりにはいくつか確保していたつもりですが、収納数やその広さ、奥行きなど、もう少し欲しかったです。自分の理想より1.5倍くらいの収納スペースやその広さを確保した方が良いかもしれません。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・畳の和室はいらなかった。「二世帯になったときに」などと無駄に考え、バリアフリーをお勧めされるがままにたくさんつけたが、必要になってからリフォームすればいいだけの話だった。(30代/女性/正社員)
・住宅の購入は、実際に住んでみないとわからないことがいくつもあります。高い買い物ではありますが、価格ばかりにこだわらず、設備の使い勝手や開口部の配置など念入りに調べ、またシミュレーションなどを重ねて購入を決めるのが良いです。(50代/女性/パート・アルバイト)
・工務店の人に、収納の位置や、広さ、深さの話し合いをしっかりとしておけばよかったと思います。トイレと脱衣所の収納の位置が高すぎて届かず、使い物になりません。また、持っている収納ボックスがクローゼットに入らなかったので、買い直しをしたりしてお金がかかりました。(30代/女性/派遣社員)
・床材が弱くてすぐに傷だらけになったことです。住宅購入は一生の内に何度もあることではないと思うので、細部にまでこだわりよく確認することが重要だと思います。(40代/女性/正社員)
・フローリングの床の色を安易に明るい色がいいと考え、白っぽいフローリングにしてしまったこと。部屋が明るいというメリットはあったが、その分小さな傷、ほこりや紙の毛が落ちているとすごく目立ってしまう。もうすこし暗めの茶色にしておけばよかったなと思った。(30代/女性/専業主婦(主夫))
・一つの部屋の空間が狭くなると思い、収納スペースを小さめに作ったのは失敗でした。部屋は広いけれど、結局収納スペースに収まらなかったものをしまうラックや家具を置くスペースが必要になって、なんだかスッキリとしない印象になってしまいました。子どものいる家庭なら尚更収納スペースは広く作っておくべきだと思いました。(30代/女性/個人事業主)
・工務店に任せきりにしていたら、実際に住んでみると不満点が意外と多いのに気づいた。「実際に住んでみたらどうか」の目線でのチェックが重要だと思った。(40代/男性/正社員)
・注文住宅で家を建てました。後悔しているのは電源コンセントの個数です。使うか使わないかわからなくても、たくさんつけておけばよかったと後悔しています。電源の場所で、部屋の模様替えや、電気製品の配置に支障がでます。特に掃除機かける際に苦労しており、電源コンセントがたくさんあるのがいいと思います。(40代/男性/正社員)
・あまり広くなかったので作り付けの収納をなくしてしまった。意外と家具にすると狭く感じたし収納量が少なかったので残しておけばよかった。(40代/女性/個人事業主)
【予算、修繕費など】
・古民家を格安で買い取りましたが、水まわりがやはり古く、修繕で予想以上の出費がかかりました。中古の物件、特に古民家を購入する際は水まわりに注意が必要です。(40代/女性/個人事業主)
・やっぱり最初の資金は多いに越したことはないので、もっと貯めておきたかった。(40代/女性/パート・アルバイト)
・事前に何回か行ってよくチェックしたほうがいいです。後から色々な修繕費がかかります。(30代/女性/個人事業主)
・外構の予算を計算せずに建築費用に回してしまったので、予算が足りなくなってしまった。やはり事前の準備はやってやり過ぎる事はないと思います。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・住宅展示場にいる営業マンの話が上手く予め決めていた金額よりオーバーした金額だったが、つい興奮して契約してしまった。契約して展示場から出て数十分後に失敗したと後悔した。(30代/女性/専業主婦(主夫))
一戸建ての購入時に、将来的な家族構成をしっかり考えなかった結果、不自由が生じたという声が集まっています。また、資金面から妥協すると、後悔してもしきれない結果になるかもしれません。住宅自体に問題はなくとも、住環境が問題になる可能性もあるので、街の雰囲気や治安といった面からも情報収集しておきたいところです。
綿密な計画とシミュレーションが成功の秘訣?
一戸建て購入に失敗しなかった人の声も比較的多く寄せられています。成功した人がどういったポイントに注目して一戸建てを選んだのかを知れば、失敗のリスクを減らせるでしょう。
失敗した経験なしと回答した人の声
【しっかり検討・下見】
・時間をかけて金額、立地なども含め納得のいく物件を探した方が、大きなリフォームの必要もなく快適に生活することが出来ると思います。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・複数の物件を検討、比較してその場で決めずに時間をかけて探すこと。(30代/男性/正社員)
・とにかく勢いで決めないことが大切ですが、慎重にやり過ぎてもタイミングを逃してしまうので注意が必要です(30代/女性/正社員)
・しっかりと下見をして、その家に住んだ時の想像をする。住む人数にあった広さの家を選ぶ。治安の善し悪し、隣の家との間隔が狭すぎないか、など。(20代/男性/正社員)
・見に行ってすぐ気に入った物件でも、2度・3度と見に行く事をお勧めします。(50代/女性/個人事業主)
【確認・情報収集・シミュレーション】
・家族構成の変化、勤務先の変更など、様々なシミュレーションを事前に行うことだと思います。(50代/男性/正社員)
・担当の人とのこまめなやりとりと、自分たちが自主的に気になることを調べ、聞くこと。(20代/女性/個人事業主)
・購入前に設計者と打ち合わせをしっかりとしてイメージを伝えておくとで失敗がなくなると思います(40代/女性/個人事業主)
・自分は失敗とは思っていないが、間取りについては、状況により実需が変わるので予測困難なことが多い。可能な限りの想定を巡らせておく。(40代/男性/正社員)
・経験者や専門家に相談したり、適正価格かどうかも自分で確認したほうがいいと思います。(40代/男性/個人事業主)
・自分の目的、理想を明確にして、それに合わせた情報を集めることに尽きると思います。(40代/男性/正社員)
・自宅から駅までの道のり、買いものなど日常生活が行えるか、直接歩いて通勤が可能か、買い物をして帰ることができるか、車で買いものをした際のルートなど生活を始めたらどのような生活になるかをシミュレーションしておくと思っていたのと違うということがない。(40代/女性/正社員)
【近隣を確認する】
・立地、広さを考慮することが必要です。一戸建てだとマンションと違い共有部がなく、また、管理人などが居ません。したがって近所づきあいがすごく大切になってきます。近所の人たちの生活リズム、雰囲気などをよく見てから購入が必要です。(30代/女性/パート・アルバイト)
・住みたい地域の治安や交通の便、近くにスーパーマーケットがあるかどうかなど、条件が合うかどうかが決め手です。(40代/男性/個人事業主)
・どのような人達が住んでいるのか、予め分かる範囲で見ておいたほうが良い。(50代/男性/正社員)
・一戸建てはアパートやマンションよりプライバシーはありますが、それでも近所との付き合いはあります。周りにどんな方が住んでいるかを調べるのも重要と思います。(40代/男性/専業主婦(主夫))
一戸建てを選ぶ際には、多方向から物件を吟味して、総合的に検討する必要があります。一戸建て住まいには付き物のご近所づきあいや、治安などの住環境面が自分に合っているかどうかは見逃せないポイントです。
また、資金面では可能な限り妥協せず、無理のない範囲で理想の物件を追求することが大事だと言えるでしょう。購入を検討している一戸建てで自分たち家族が実際に暮らしている様子を具体的にイメージしてシミュレーションし、不満が出そうな点への対策を講じることがポイントではないでしょうか。
抜かりない将来設計は不可欠! 満足できる一戸建て購入を
一戸建てという人生最大レベルの買い物を、自分と家族にとっての「大成功」で終わらせるために必要なのは「抜かりのない将来設計」と言えます。立地、間取り、建材など、今後の家族設計に照らし合わせながらすみずみまで検討し尽くしましょう。
アンケート結果からは、譲れないポイントはできるだけ妥協せず、予測できそうな変化は可能な限り予測しておくことで失敗を防げることがわかりました。事前のシミュレーションと情報収集に力を入れて、家族の将来に真剣に向き合いながら、幸せな生活が自然とイメージできるような一戸建てを購入しましょう。
■調査地域:全国
■調査対象:年齢不問・住宅購入経験者の男女100人
■調査期間:2020年2月7日~21日
■有効回答数:100サンプル