暮らしに欠かせない日用品やおもちゃなど、皆さんは何を基準に購入していますか?価格や機能性?それともデザインや安全性でしょうか?国民の消費生活全般を担う消費者庁では、100円ショップなどで購入した製品に関して、昨今、事故情報が相次いでいることを受け、「日用品の安全性に関する意識調査」を実施しました。その結果から、価格と安全性に対する消費者の考え方や傾向が明らかになっています。今回は意識調査の結果と合わせて、商品を購入する際に気を付けたいポイントをまとめました。
安価なものほど衝動買いをしがち? 「日用品の安全性に関する意識調査」から分かったこと
調査において「日用品を購入する時、どのようなことを重視しますか?(複数回答可)」と尋ねたところ、82.8%の人が「価格」と答え、次いで73.6%の人が「機能」と回答しています。「安全性」と答えた人は41.8%で、「価格」や「機能」と比べると重視する人が少ないことが分かります。
さらに日用品を購入する際の衝動性について尋ねた質問では、500円未満の商品の場合「衝動的に購入する」に「かなり当てはまる」「ある程度当てはまる」と回答した人は26.7%となりました。一方、1万円以上の商品の場合、衝動的に購入すると回答した人の割合は10.1%と低かったことから、安い商品ほど衝動的に購入しやすい傾向が見られました。
商品購入時の安全性への意識について尋ねたところ、「製品の安全性まで考えてから購入する」に「かなり当てはまる」「ある程度当てはまる」と回答した人の割合は、500円未満の商品の場合は37.5%、1万円以上の商品の場合で73%となり、安い日用品を購入する時の方が安全性への意識が低いことが明らかになりました。
続いて製品の安全性に関する表示への意識についての質問では、「警告、注意、対象年齢などの表示を確認してから購入する」に「かなり当てはまる」「ある程度当てはまる」と回答した人の割合は、500円未満の商品の場合は37.4%であったのに対し、1万円以上の商品の場合は48.7%となっています。安価な日用品ほど、安全性に関する表示を確認しないで購入する傾向があるようです。
安価で様々な日用品がそろう100円ショップなどでは、店頭でお目当ての商品や気になっていた商品を見つけたら、安全面の確認は不十分なまま、買い物かごに入れるという方が多いのではないでしょうか。しかしながら、消費者庁には100円ショップで購入した日用品に関する事故の情報が、5年間のうちに300件以上寄せられているのも事実。安価であるため購入しやすい一方で、消費者はどういった点に注意が必要になるのでしょうか。
安価な日用品であっても、安全性を考慮して購入することを習慣に
日用品は同じようなものでも、100円程度のものから数万円するものまで、幅広い価格で販売されています。購入する際は、価格だけでなく安全性も考慮して購入する習慣を持ちましょう。その際には以下のポイントを参考にしてください。
・玩具安全マーク(STマーク)の表示の有無
小さいお子さんは誤飲や誤使用による事故のリスクが心配です。おもちゃの場合、「安全であること」の指標のひとつになるのが「玩具安全マーク(STマーク)」。このマークは、玩具業界が策定した玩具安全基準(ST基準)適合検査に合格した安全なものであることを示しています。このマークが付いているものを選ぶとよいでしょう。
・警告、注意、対象年齢の注意表示を確認
使用方法を誤ることでも事故につながるケースがあります。商品を購入する際には、「警告」「注意」「対象年齢」などの注意表示を確認してから購入する習慣をつけましょう。また購入後も正しく使用し、事故を未然に防ぎましょう。
・リコール情報をチェック
日用品の中には、リコール対象製品になっているものもあります。消費者庁ホームページにはリコール情報サイトがありますので、時々チェックして、使用しているものが対象になっていないか確認し、もしある場合は回収に協力しましょう。
まとめ
今回の調査から、消費者は安価なものほど安全性を意識せずに衝動買いする傾向があることが分かりました。身近な日用品だからこそ、価格だけでなく注意表示を確認して購入する習慣を持ち、事故や危険を未然に防ぐ生活の力をつけていきましょう。
【調査概要】
調査方法:インターネット調査
実施期間:令和元年9月11日(水)~9月13日(金)
調査対象:有効回答者数 3,000 人
全国の消費者(15 歳以上 79 歳以下)を対象に、性別及び年齢(7 区分)を人口構成比に割り付けて抽出
「日用品の安全性に関する意識調査-価格と安全性に対する考え方について-」
ニュース提供元、情報提供元:消費者庁