カッコで不動産屋を見分ける? 「免許番号」に隠された意味

住宅購入の際や賃貸契約後に「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないためにも、信頼度の高い不動産会社を選びたいものですよね。信頼できる不動産会社を見極めるにはどうすればよいのでしょうか。不動産会社選びのヒントのひとつに「免許番号」があるのです。

住宅購入、賃貸契約時には優良な不動産会社を総合的に選ぼう

住宅を購入(賃貸)する際には、できるだけ条件の良い物件を選びたいもの。理想的な物件を契約するためには、優良な不動産会社を選ぶ必要があります。

不動産会社を決める際は、複数の不動産会社を比較すること

全国各地に支店をかまえる不動産会社の場合は、豊富な情報量によって広範囲エリアでの物件探しが可能です。一方、地域に根付いた不動産会社は、物件購入時に役立つ地域情報に精通しています。不動産会社の良し悪しは、特定の情報だけで判断できるものではありません。

不動産会社の基本情報は、インターネットサイトや行政機関ページなどでチェックできます。会社の規模や信頼性・担当者の対応・紹介できる物件数・口コミや評判などを確認した上で、総合的に判断していきましょう。

「免許番号」は不動産選びのひとつの要素

不動産売買や仲介を行うためには、宅地建物取引業の免許取得が必要です。複数の都道府県に店舗や事務所を展開している不動産会社の場合は国土交通大臣の免許、ひとつの都道府県にのみ店舗や事務所をかまえる不動産会社は都道府県知事の免許で営業できます。
なお、免許番号は、会社サイト・不動産広告・店舗内に掲示されています。

【免許番号の記載イメージ】
免許番証号         東京都知事(3)第000000号
免許有効期間       令和1年12月1日~令和6年11月30日
商号又は名称       株式会社○○
代表者氏名        △△ △△
この事務所に置かれている専任の宅地建物取引士の氏名 △△ △△
主たる事務所の所在地   東京都中央区~~~~

免許証番号にはさまざまな情報が記載されています。「不動産会社の宅地建物取引業の免許権者(発行が国土交通大臣であるか、もしくは都道府県知事であるか)」や「( )内に記載されている免許更新回数」などを確認してみましょう。平成8年4月以降は5年ごとの免許更新が義務化されています。つまり、( )内に記載された更新回数が多いほど、不動産会社としての営業歴が長いと判断できるのです。

不動産会社について“もっと”調べるには?

不動産会社を選ぶときは、免許番号の確認のほか「宅地建物取引業者名簿」のチェックもおすすめです。宅地建物取引業者名簿とは、免許取得の年月日・役員氏名・展開するすべての店舗や事務所の所在地、過去の行政処分歴・他事業の兼業情報などが記載されています。

【免許権者別 宅地建物取引業者名簿の閲覧場所】
国土交通大臣の免許業者
・免許業者の本店所在地を所管する地方整備局他(全国10ヶ所の国土交通省の出先機関)
・不動産会社の本店所在地の宅地建物取引業者を所管する部署
都道府県知事の免許業者 
・各都道府県の宅地建物取引業を所管する部署

なお、一部行政庁ではインターネット上で宅地建物取引業者の概要や行政処分歴を確認できます。

【宅地建物取引業者名簿の閲覧場所で確認できる書類】
・宅地建物取引業者名簿
・免許申請書
・免許申請書の添付書類
・宅地建物取引業者名簿の登載事項変更の届出に関する書類

たとえば、これまでに3度免許更新を行っている不動産会社があったとしても、分社した場合には更新回数がリセットされます。
つまり、免許証番号のみを確認した場合は更新履歴のない、創業間もない会社だと推察されるのです。しかし、宅地建物取引業者名簿は免許申請書や変更届出書なども閲覧可能。正確な免許取得日や社歴を確認できます。

「免許番号の更新回数が多い=優良会社」ではない!?

これまでご紹介したように、宅地建物取引業者の免許番号からは更新回数や免許権者をチェックできます。更新回数が多ければ古くから不動産業務に携わってきた老舗だと分かりますし、国土交通大臣による免許発行であれば複数の都道府県に支店をもっていると判断できるのです。

もっとも重要なのは、やはり担当スタッフの対応かも

しかし、免許番号は届け出をした不動産会社であるかの確認材料になるもの。不動産会社の信頼度と直結するものではなく、あくまでヒントとなるひとつの要素にすぎません。「免許の更新回数が少ないから信用できない」「特定のエリアにしか店舗がないから、優秀なスタッフがいない」と判断するのではなく、電話や接客時の対応の印象も重視しましょう。

理想の住まいを手に入れるために、信頼できる不動産会社を選びましょう!

住宅選びにおいて、不動産会社はパートナーのような存在です。担当スタッフの対応や保有する物件数のチェックだけでなく、免許番号や宅地建物取引業者名簿もしっかり確認して、信頼できる優良な不動産会社を見極めていきましょう。

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