2019年6月に発表された内閣府の男女共同参画白書によると、2018年時点の日本における共働き世帯数は1,219万世帯であるのに対し、男性雇用者と無業の妻(専業主婦)から成る世帯は606万世帯となっています。今や、共働き世帯が専業主婦がいる世帯の2倍を超えている状況ですが、共働き夫婦は仕事だけでなく家庭での家事の分担もきちんとできているのでしょうか。
市場調査メディア「HoNote通信」を運営する株式会社マクロミルが、夫婦ともにフルタイムで働く20~40代の既婚男女1,000人を対象に実施した「共働き夫婦の家事分担」調査によると、共働き世帯の家事分担についての理想と現実のギャップが浮き彫りになりました。
共働き夫婦は年々増加。特に20代の増加率が高い傾向に
株式会社マクロミルが実施した調査によると、同居夫婦の就業状況について「共働きである」と答えた人は、20代で52%、30代で53%、40代で63%となっており、いずれも前年より増加していました。特に20代の増加率が高く、前年から7ポイント増えています。
このような共働き夫婦の増加傾向は、内閣府の男女共同参画白書でも明らかになっています。1980年以降に増加し始めた共働き世帯は、1997年に男性雇用者と無業の妻(専業主婦)から成る世帯の数を上回り、2012年頃以降に急速にその差が広がっているようです。
家事分担率の理想は「夫50%:妻50%」という夫婦平等
夫婦両方がフルタイムで働く共働き世帯を対象に実施された、「理想とされる家事分担比率」に関する調査では、「夫50%:妻50%」と答えた人が43%で最多でした。フルタイム同士の共働きであれば、家事の比率も半分ずつ分担するのが理想だと考える人が多いようです。続く2位は「夫40%:妻60%」で21.7%、3位は「夫30%:妻70%」で16.9%という結果となっています。
現実は過半数の妻が7割以上の家事を担当! 夫の家事分担率は昨年より減少
しかし、「現実の家事分担率」についての調査結果を見ると、最も多い分担比率は「夫10%:妻90%」となっており、理想と現実の間に大きなギャップが生じていることが分かりました。回答全体を見ると、妻の家事分担率70%以上を選択した人が66.7%という結果になっています。しかも、これらの割合は前年調査よりも増加しており、家事分担における「夫婦平等」は現実世界では後退している様子がうかがえます。
そのため、「配偶者に今以上に家事をしてほしいと思いますか?」という質問では、女性の26.7%が「そう思う」、38.2%が「ややそう思う」と回答しています。共働き世帯が家庭での夫婦平等を実現するためには、夫がもう少し積極的に家事に取り組む必要があるのかもしれません。
また、家事代行サービスなどをうまく利用し、全体的な負担を減らすという方法なども検討してみると良いでしょう。
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【調査概要】
■調査主体:マクロミル
■調査方法:インターネットリサーチ
<就業状況の把握調査>
■調査対象:全国20~49歳の男女(マクロミルモニタ会員)
■割付方法:平成27年国勢調査による、性別×年代別の人口動態割付/合計20,000サンプル
■調査期間:2019年10月7日(月)~10月8日(火)
<共働き夫婦の家事分担に関する調査>
■調査対象:配偶者と同居し、夫婦ともにフルタイムで働く20~49歳の既婚男女(マクロミルモニタ会員)/合計1,000サンプル
■割付方法:調査対象の出現比率に基づき、性別×年代別(10代刻み)で割付/合計1,000サンプル
■調査期間:2019年10月10日(木)~10月11日(金)
※週に40時間以上働いている人をフルタイム就業者と定義
※数値は四捨五入した整数で表記
※百分率表示は四捨五入の丸め計算