マンションにネズミが侵入! 対策方法や駆除にかかる費用を解説

ネズミは一軒家に出るというイメージがあるかもしれませんが、マンションにも発生するリスクはあります。ネズミの侵入ルートや被害、対策方法について知っておけば、購入するマンションにネズミが発生するリスクを見極める材料となるでしょう。また、もしすでに自宅マンションにネズミが発生しているのであれば、適切な対応が必要です。この記事では、ネズミの侵入ルートや対策などについて紹介します。

マンションにネズミが侵入! どんな被害がある?

ネズミの被害は、主に「配管の損傷」「健康被害」「精神的ダメージ」の3つです。

配管の損傷

ネズミは、狭い場所や暖かい場所、えさが近くにある場所を好みます。そのため、キッチンの配電盤や天井裏の断熱材などに潜んでいる可能性が高いのです。ネズミの歯は一生伸び続けるため、いろいろなものに噛みついて歯を削る習性があります。特に、ケーブルや電線はネズミにとってちょうど口の大きさに合うサイズなので、好んでかじる傾向があります。ネズミが噛みついたことで、火災や水漏れのリスクが生じ、経済的に莫大な被害にあうことにもなりかねません。

健康被害

「健康被害」は、ネズミの糞や尿に存在するサルモネラ菌やハンタウイルス、E型肝炎ウイルスといった菌や、ネズミの体に寄生するダニやノミなどが原因で生じます。糞や尿の菌は、感染症や食中毒といった健康被害を及ぼす可能性があります。さらに、ネズミに噛まれることで、けがをしたりアナフィラキシーショックを起こしたりする可能性もあります。傷口から菌が体内に入れば、肺炎や胃潰瘍、肝炎といった病気を発症することもあるのです。さらに、ネズミが死んでしまうと、体に寄生していたダニやノミは、血を求めて人へと寄生することも考えられます。

精神的ダメージ

また、ネズミが家にいることによる不快感や、侵入リスクからくる恐怖感などで精神的ダメージを受けてしまうこともあるでしょう。不眠症やノイローゼ、食欲不振などに陥ってしまうことも珍しくありません。

どこから入ってくる? ネズミの侵入経路

ネズミは、子どもであれば1.5cm程度、大人なら2.5~3cm程度の穴があればマンションに侵入することができます。特に、体の小さいハツカネズミは、ほかのネズミと比べるとより小さい穴からでも侵入可能です。

例えば、「エアコンの導入部や室外機」「換気扇」「壁の隙間」「壁の割れ目」などはハツカネズミやクマネズミの侵入経路になりやすいです。また、クマネズミは「排水パイプ」や「電線」を伝って窓から侵入する場合もあります。フットワークが軽いため、高層階でも油断できません。「網戸」を噛み切って侵入してくることもあります。

一方、ドブネズミは比較的体が大きく湿気に強いという特徴があります。そのため、「トイレ」「キッチン」「ガスの配水管」や「排水口、床下の通風孔」などから侵入しやすいです。ただし、高所へ登るのが苦手なので、高層階での被害の心配はほぼありません。

マンション内にネズミがいるかも? 5つのチェックポイント

マンション内にネズミがいるかどうかは、5つのポイントをチェックすることで確かめることができます。

1つ目は糞です。ドブネズミの糞は10~20mmで、こげ茶もしくは灰色です。太く、まとまって落ちています。クマネズミの糞は6~10mmの茶もしくは灰色で、細長いのが特徴です。ハツカネズミの糞は、4~7mmと米粒くらいの大きさで、茶色く両端がとがっています。このような糞が室内にあれば、ネズミがいると考えてよいでしょう。壁伝いや貯蔵スペース、物陰などに落ちていることが多いです。

2つ目は鳴き声や足音があるかどうかです。天井裏でカサカサという音や、鳴き声が聞こえたり、壁などで物が削られるような音がしたりする場合は、ネズミがいるかもしれません。

3つ目は室内の食料品が荒らされているかどうかです。食料品そのものや、袋がかじられている場合は、ネズミの存在を疑いましょう。また、ネズミは観葉植物やペットのえさも食べるため、それらが食べられていないか確認しましょう。

4つ目は足跡です。ネズミが歩くと、体の油や汚れが壁や床に付着します。これをラットサインといい、このラットサインを探すことでネズミがいるかどうかをチェックすることができるのです。

5つ目はマンション内や周囲の建物でネズミの駆除があったかどうかです。駆除を行った建物から移動してくる可能性があるからです。

ネズミ駆除の費用は誰の負担? 相場は?

マンションに出たネズミを駆除する際の費用は、マンションによって負担する人が異なります。そのため、管理組合や管理会社に相談するのが確実です。

駆除する費用

ネズミの駆除にかかる費用は、業者に依頼する場合と自分で駆除する場合とで相場が異なります。業者に依頼する場合、専有部分だと1~10万円が相場です。駆除だけでなく、今後ネズミが再び住まないようにするために対策も含まれています。ネズミの餌になるものを排除したり、侵入口をふさいだりします。さらに、ネズミの巣作りの材料となる布や紙を片付け、屋根裏や床下、押し入れなど巣を作りやすい場所を掃除するのです。

駆除する方法

また、ネズミの駆除といってもいくつかの方法があります。たとえば、粘着シートでの捕獲する方法があります。ネズミの通り道を分析し、ネズミを捕まえます。ほかにも、独餌を食べさせたり、かごを使って捕獲したりする方法もあります。このように、採用する駆除方法によって金額が異なるため、費用相場に幅があります。

また、マンションの築年数や構造、広さなどによっても、金額が変動します。正確な金額を出したいのであれば、直接マンションまで来てもらい、見積もりをとってもらいましょう。マンション全体の侵入口をふさぐなど、場合によっては相場をはるかに超えた金額を提示される場合もあります。そのような場合は、見積もり額の根拠や納得できるように詳細に教えてもらいましょう。

自分で駆除する場合

業者ではなく自分で駆除する場合にも、2~20万円程度かかります。費用の内訳としては、ネズミの捕獲に必要な道具や侵入口をふさぐ道具、駆除後の清掃費、被害に遭った設備の修繕費などです。業者に依頼するのと費用に大きな差はありません。むしろ完全に駆除しきるまでの期間が長期化し、費用もかさむ可能性があります。基本的には自力での駆除ではなく、業者に頼むのがよいでしょう。

自分でできるネズミの駆除方法と手順

もしも業者ではなく自分で駆除しなければならないというときは、まずはネズミの居場所を把握することから始めましょう。ラットサインや糞などをもとにネズミを探します。

次に罠を仕掛けます。毒餌や粘着シート、ネズミ捕り、超音波、忌避剤など罠の種類はさまざまです。ネズミを追い出すものから殺すものまで、目的と効果はそれぞれ異なるため、確認のうえ選びましょう。ネズミを捕獲できたら、ゴム手袋やマスクで感染症対策をしてから処理してください。

処理後は、ネズミの体に付着していたダニや病原菌が増え広がらないよう、清掃と除菌を徹底します。特に、ネズミの巣には糞が大量にあるため、箒や掃除機などですべての糞を回収しましょう。その際にももちろん、ゴム手袋とマスクは必須です。糞をすべて回収したら、除菌シートや除菌スプレーで糞があった場所を徹底的に除菌します。さらに、ダニ駆除薬でダニ駆除も忘れずに行いましょう。最後に、ネズミの侵入口を金属たわしなどでふさいで終了です。

ネズミが侵入しにくいマンションにするために!

食べ残しはすぐに片付ける習慣を!

マンションにネズミが侵入するのを防ぐには、ねずみが嫌う環境をつくりだすのが基本です。ネズミが主に食べ物につられて侵入してきます。そのため、食べ残しを放置せず、蓋つきの容器やしっかり閉まる棚などに片付けましょう。ただし、段ボールやビニール袋は破られてしまうため、避けてください。食後は早めに食器を洗い、生ごみは蓋つきのゴミ箱に入れます。鉢植えなどの植物もネズミの住処や隠れ場所になるため、なるべく置かないようにしましょう。

また、布製品や紙類は、ネズミの巣の材料となります。蓋の閉まるプラスチックケースに収納しておきましょう。さらに、ネズミが侵入しにくい環境にすることも大切です。金網や金属たわし、パンチングパネルなどを使い、通気口や小さな穴、隙間、換気扇などをふさぎましょう。

小まめな対策がネズミの侵入を防ぐ!

マンションで生活していてネズミの気配を感じた場合、そのときにはネズミがすでに住み着いていたり、繁殖したりしている可能性が高いです。自分で駆除することもできますが、時間も費用も手間もかかるため、大変です。そうならないためにも、普段からネズミが侵入しにくい環境にしておくことが大切です。

(最終更新日:2019.10.05)
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