住宅購入レッスン 第三回:必ず直面!? 家にまつわる「どっち?」問題

初めて住宅を購入するとなると、わからないことが多くて困る人が多いのではないでしょうか。購入に関してはどのタイミングがふさわしいのか、どのような費用が必要でいくらかかるのかなど、知っておいてほしいポイントが沢山あります。

ここでは、戸建てやマンションを購入する際に、どんなことに気を付ければいいのか、複数回にわたって紹介しています。第一回「どこにどれだけのお金が必要か?」第二回「見逃せない! 家購入にまつわる制度あれこれ」に続き、今回は最終回となる第三回。住宅購入の際に多くの人が直面する、様々な”選択”について解説いたします。

”新築”と”中古”ならどちらを買えば良い?

住宅を購入する際に多くの人が迷うのは、”新築”で買うか”中古”で買うか。中古の物件は水回りが老朽化していたり、耐震性が新築に比べて劣っていることがあります。そのため、老朽化が気になったり、耐震性を重視したい人は新築を選ぶのがいいでしょう。しかし、中古の物件であってもリフォームやリノベーションをすることで新築同様の快適な空間づくりが可能です。そのため、購入費用を安く抑えたい人は中古を選び、手を加えてみてはいかがでしょうか。

参考記事:理想の部屋探しにも役立つ? マンション販売での新築と中古の違いとは

”戸建て”と”マンション”ならどちらを買えば良い?

戸建てとマンションには、それぞれ異なるメリットがあります。そのため、どのような生活を送りたいかで選択が変わります。

・間取りを自由にしたい人は戸建て

特に注文住宅であれば、好きなように間取りを設計することができます。将来的に増築したいと考えている人も、戸建てを選びましょう。また、静かな環境で暮らしたい人やプライバシーを守りたい人も戸建てが向いています。マンションの場合はどうしても隣の部屋の音や振動が伝わってきてしまうからです。さらに、マンションではペットについて制限があることが多いため、ペットを自由に飼育したいなら戸建てを選びましょう。そのほかに戸建てのメリットとしては、庭が持てることが挙げられます。庭が欲しい人は、戸建てを選んだ方が自由に庭いじりができるはずです。

・セキュリティ面を重視したい人はマンション

部屋の鍵だけではなく、エントランスも施錠されていたり、警備システムがついていることが多いからです。また、維持に手間がかからない住居に住みたい人は、マンションを選びましょう。メンテナンスや修繕などは管理会社が行ってくれます。さらに、バリアフリー設計が良い人は、室内に階段がなく、エレベーターがついたマンションがぴったりだといえます。また、マンションは駅や商業施設の近くに作られることが多いため、そういった施設へのアクセスを重視したい人はマンションの方が便利に感じられることでしょう。

参考記事:買うならどっち? マンションと戸建てのメリット・デメリット

”建て売り住宅”と”注文住宅”ならどちらを買えば良い?

住宅の購入には、建て売り住宅と注文住宅という2つの選択肢があります。土地付きの建物を買うのが建て売り住宅、土地を買って家を建てるのが注文住宅です。

割安で戸建てに住みたい人は、建て売り住宅を選ぶといいでしょう。まとめて家が建設された場合は、注文住宅よりも割安になります。また、すでに家が完成していることから、実物を見てから購入したい人にも向いています。さらに、注文に手間をかけたくないという人は、自分の好みの住宅を選んで購入できる、建て売り住宅を選びましょう。

一方、グレードの高い家に住みたい人や、間取りや設備に細かなこだわりがある人は、自分で自由に家づくりができる注文住宅を選ぶべきです。また、住宅を建てられる土地を所有している場合は、注文住宅にして家を建ててしまう方が効率的です。

不動産会社選びのポイント

営業マンが要望をしっかりと聞いてくれるかどうかも、大切なポイント

実際に住宅を購入するためには、不動産選びも重要です。不動産会社は、取り扱い物件数の多いところを選びましょう。それだけ自分の希望に合った物件に出会う確率が高くなります。ただし、不動産会社を最初から一社だけに絞り込んではいけません。不動産会社によって担当するエリアや得意な分野が異なるので、複数の会社の物件を見ましょう。見てみたい物件があったら問い合わせをし、積極的に内見させてもらうと効率よく物件探しができます。

また、営業マンが要望をしっかりと聞いてくれるかどうかも、大切なポイントです。こちらのニーズを知ってもらうことで、的確な物件を紹介してもらえます。さらに、物件には良いところばかりではなく、短所も必ずあります。そのような点についてもきちんと教えてくれる営業マンであれば、安心して物件探しを任せられるはずです。

営業マンと良い関係を築くコツ

満足できる物件を見つけるためには、営業マンと良い関係を築くことも大切です。それにはいくつかのコツがあります。例えば、自分の職業や家族構成など、自分の情報はきちんと開示しましょう。話しづらいと感じる人もいるでしょうが、物件を選ぶためには年収も必要な情報です。適切な物件を紹介してもらうために、これらの情報は伝えておく必要があります。

また、わからないことは遠慮なく質問しましょう。わからないままにしたり、曖昧な返事をしたりすると、あとでトラブルになることがあります。さらに、お互いに良い信頼関係を築くために、無理な交渉や駆け引きは避けるよう心がけなければなりません。営業マンに対して誠実に接するようにしましょう。

新築物件探しのポイント

プライバシーの確保はできているかなどの観点からも確認しておくと、 あとから不満を感じることがなくなります

新築物件の内覧の際には、ぜひチェックしておきたい点があります。

・日当たり

どちらから日が当たるのか、暗くなってしまわないかを確認しましょう。

・生活動線

家族がスムーズに動けるか、家事をするときにどのような動きになるのかをイメージしてみましょう。

・水周り

キッチン・風呂・トイレの使い勝手は良いか、収納は充実しているかなど、生活の利便性に関わる点もチェックする必要があります。そのほかに、プライバシーの確保はできているか、セキュリティ対策はできているかなどの観点からも確認しておくと、あとから不満を感じることがなくなります。

中古住宅探しのポイント

中古住宅であっても、内覧の際に確認しておきたいポイントは新築物件探しのものとほぼ同じです。しかしながら、完成から時間が経っている物件のため、内覧の際にはさらにチェックすべきポイントがあります。

・重要なのは耐震性

1981年以降に建てられた物件は新耐震基準で建てられているので、一定の耐震性があります。その後、2000年に耐震基準の改定があり、木造戸建て住宅の耐震性が向上しました。そのため、最低でも1981年以降の物件、できれば2000年以降の物件を選ぶことで耐震性は安心できます。

・床下のシロアリ対策

給排水管やガス管の点検口が設けられているかなど、耐久性があるかどうかも大切なポイントです。設備配管類にも目を配るようにしましょう。さらに、将来的なことを考えると、リフォームがしやすそうかどうかも注目すべきポイントになります。大がかりなリフォームが難しい物件もあるので、仲介業者に事前に確認しておく必要があります。

注文住宅を依頼するときのポイント

注文住宅の場合は、間取りの決め方にちょっとしたコツがあります。最初に、家族の日頃の生活スタイル・要望を参考にして、希望条件を整理しておくことが重要です。必要な部屋の種類や、こだわりをまとめておくことで、生活しやすい間取りにすることができます。希望条件には優先順位をつけておき、プロに相談しながら実現させていきましょう。

また、間取りを考えるときには家事動線を考慮しなければなりません。キッチンと洗濯機が遠かったり、洗濯物を干す場所が遠かったりすると移動が多く、家事の効率性が下がります。そのほかにも、寝室の近くに浴室があると、お風呂の音で眠れない場合が出てくることがあります。担当者に相談してどの程度の広さの家を建てられるのか、しっかりと把握したうえで間取りを考えるようにしましょう。

(最終更新日:2019.10.05)
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