買うならどっち? マンションと戸建てのメリット・デメリット

マイホームは、人生のなかでも大きな買い物です。マンションと戸建て住宅のどちらを買うかで迷う人は多いのではないでしょうか。自分のライフスタイルに最適な選択をするためには、それぞれのメリットやデメリットを知っておくことが大切です。このコラムでは、マンションと戸建て住宅の特徴について詳しく解説します。ぜひマイホーム購入の判断にお役立てください。

マンションと戸建てならどちらを選ぶべき?

マンションと戸建てのどちらを選ぶべきかは難しい問題です。なぜなら、どちらか片方が優れているというものではないからです。それぞれに特徴があり、同じようにメリットとデメリットがあります。それらを踏まえたうえで、どちらがより自分のライフスタイルにマッチするかという点で判断することが大切です。もちろん、価格や立地などの条件面が折り合うかどうかも重要な要素となりますが、大枠としてマンションと戸建てのどちらが自分に向いているのかを考えてみましょう。

マンションの特徴

マンションとは、大型の集合住宅のことです。一棟の建物を一住戸ごとに区分けして所有するのが特徴です。自分だけで自由に使える専有部分と、住民全員で共有する共用部分に分かれます。専有部分とは居住部分のことで、共有部分には玄関やエレベーター、バルコニーなども含まれます。共有部分の使い方については、それぞれのマンションの規約のなかで細かく定められていることが多いでしょう。

マンションの場合、建物や敷地、設備などの維持管理を行うための管理組合があり、マンションを購入すると自動的に組合員になります。管理組合の執行部として数名の役員を選出しますが、役員は持ち回りで任命されるのが一般的です。マンション全般の維持管理に関する決定事項は定期的に開催される総会で決定されます。総会には、役員をはじめとする組合員、そしてマンションの管理会社から担当者が出席します。

1.メリット

立地条件のいい場所にあるのがマンションの大きなメリットです

マンションのメリット一つ目は、防犯性に優れていることです。一般的なマンションの造りとして、共有の玄関部分があり、二重玄関による安心があります。基本的には室内にインターフォンがあり、訪問者を家に上げたくない場合は共有玄関部分で断ることができますので、ひとり暮らしの場合でも安全性が高いと言えるでしょう。

戸建てと比べると立地が良いところに建てられていることが多いのもマンションのメリットです。基本的に、マンションは大手不動産などが営利目的で建設を行っています。多くの人がマンションに望む条件のひとつが好立地です。そのため、マンションを建てる際には、駅から徒歩で歩ける、大通りに面しているなど、利便性がよく安全な場所が優先的に選ばれる傾向にあります。

また、戸建てと比べるとマンションのほうが室内が暖かい傾向にあります。理由は気密性の高さです。戸建てと比べるとマンションのほうが壁に覆われている面積が多く、さらに窓を閉めきることでしっかりと外気を遮断できます。隙間風や花粉などの問題が少ないのもマンションのメリットです。また、基本的に管理人がおり、共有部分やゴミの排出場所などの掃除も行ってくれますので、戸建てと比べると管理も楽だと言えるでしょう。

2.デメリット

マンションには、もちろんデメリットもあります。まず、2階建てが多い戸建てと比べるとマンションはワンフロアが基本です。そのため、居住面積はどうしても狭くなってきます。両隣や上下にほかの家族が住んでいる場合は、騒音が気になる場合もあるでしょう。また、マンションの維持管理に関する決定事項はすべて総会などで協議されて決定されますので、意見がまとまらないケースも想定されます。仮に建物が老朽化した際にも、建て替えや修理費等の調整が難航し、対応が遅れてしまうこともあるかもしれません。

また、毎月の管理費や修繕積立費、駐車場代などの負担もあります。特に修繕積立費はマンションの築年数が一定年数を超えた時点で急に上がる場合があります。さらに、将来の資産価値については、立地によっても条件は異なりますが、土地付きの戸建てと比べるとあまり期待できない傾向にあります。加えて、マンションの場合は近隣にどんどん新しい物件が建つことも多く、築年数が経つことで建物の資産価値が下がっていくこともあります。

戸建ての特徴

戸建ての特徴は、基本的に土地と建物がセットで売られるということです。住宅ローンを完済すれば、建物だけではなく土地も自分や家族の所有となります。仮に経年劣化によって建物自体の価値はなくなっても、土地の価格が維持されれば土地の資産価値が残ります。土地をどう資産活用するかも自由です。たとえば、駐車場にして継続的に収入を得ることもできますし、好立地であれば不動産会社に高価格で売却できる可能性もあります。

1.メリット

戸建てのメリットは、マンションと比べると住居部分の面積を広めにできることです。地盤強度や建築条件にもよりますが2階建てや3階建てにもできますし、豊かな空間を活用して自分の希望する間取りにできるのは大きな魅力です。駐車場や庭のスペースも確保しやすく、ガーデニングなどの趣味を楽しむこともできるかもしれません。また、マンションのように壁一枚隔てたところに人が住んでいるわけではないため、周囲の生活音が気になりづらく、自分が立てる音にも神経質にならなくて済みます。

マンションと比べると窓をたくさん設けることができ、光や風を取り入れやすいのもメリットと言えます。さらに、集合住宅ではないので、管理費や修繕積立金、駐車場代なども不要です。家族が増えたことや家の老朽化対策などでリフォームする場合も、すべて自分の希望するタイミングで実施できる点も大きいでしょう。

2.デメリット

戸建ての場合は土地代も含みますので、立地によっては価格が高くて手が出ないこともあります。その結果として、立地面で妥協しなくてはならない場合もあるでしょう。また、防犯対策においては、すでに述べたようにマンションのほうが有利です。ホームセキュリティに入るなど、自分で必要な防犯対策を行う必要があります。気密性もマンションと比べると劣る傾向にありますので、冬には寒く感じる場合もあります。居住空間も広いため、マンションと比べると光熱費は高めになるでしょう。

また、マンションと違って管理人もいませんので、庭や玄関先はもちろん、場合によっては家の前の道などの掃除をする必要もあります。管理の面では、マンションよりも手間がかかることが多いでしょう。また、リフォームや増築といった修繕費もすべて自分で負担することになります。相談などが要らないぶん、自分で責任を持って計画的に貯蓄しておく必要があります。

ライフスタイルや価値観に合わせて

人や家族の数だけ、最適な家の形もあります

マンションと戸建てでは、それぞれに強みがあります。現在の家族状況はもちろん、将来的に自分や家族に起こりうるライフステージの変化なども見極めたうえで、最適な選択を行うことが大切です。希望するすべての要素を満たす住まいを選ぶことができれば理想的ですが、現実的には価格その他の条件との折り合いになってくることが多いでしょう。自分や家族が特に重視するポイントは何かを整理して、どちらがより理想に近いかという点で判断してみることが大事です。

(最終更新日:2019.10.05)
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