今、マンションの屋上がアツい! カフェや菜園、地域交流の場へと進化

マンションの屋上には何があるか、知っていますか? 空調や給水のための設備が置かれることはありますが、多くの場合は何もありません。住んでいるマンションに屋上があっても、鍵がかかっていて立ち入ったことがないという人も多いのではないでしょうか。最近では屋上の価値が見直され、積極的に活用する物件も増えてきました。ここでは、マンションの屋上の活用事例について紹介します。

マンションの屋上の価値、再発見!

屋上に誰でも入れるようにしてしまうと、不審者侵入や落下事故などのリスクが生じます。そのため、これまでは管理の都合上、屋上への立ち入りは禁止されることが一般的でした。

でも、視点を変えてみれば、せっかく広いスペースがあるのに活用されていないのは非常にもったいないともいえます。もし自室以外にも、誰でも使えるオープンスペースがあったらどうでしょうか。そのマンションがほかの物件よりも魅力的に見えるかもしれません。

そうしたことから、最近ではあえて屋上を開放し、積極的に活用する物件も出てきました。これまで見過ごされてきた場所ですが、実はさまざまな活用法があるのです。実際の屋上活用事例を紹介しましょう。

誰にも邪魔されない、花火大会の特等席に

ひとつめの事例は、一時的に屋上を活用するケースです。

屋上の特徴の一つは空に近いこと。つまり、夜空に咲く花火もよく見えるということです。普段は屋上を立ち入り禁止にしているマンションでも、住民の要望を受けて花火大会の日だけ開放される例があります。視界を遮るものがなく、見通しの良い屋上は最高の観覧席です。

物件によって管理の方針が異なるため、友人を招待して飲食をして良い場合もあれば、住人のみ・観覧のみという場合もありますが、家にいながら花火を見られるお得感は大きいのではないでしょうか。

住民の交流を生む、現代の縁側として

新しく建つマンションでは、近所に住む人とのゆるやかな交流を楽しめる縁側のような場として、屋上をアピールポイントにする例も出てきています。

たとえば、ドッグランを整備して、犬の飼い主同士の交流を促す事例や、緑化してベンチやパラソルを置き、共用のテラスやラウンジとして活用する事例などがあります。自室のほかにも、開放的なプライベート空間が使えるのは、居住者にとって大きな魅力です。

また、本格的なところでは屋上に防水加工を施し、菜園をつくっている物件もあります。マンションでは庭がなく、園芸をあきらめていた人も、屋上で土いじりが楽しむことができるのです。

屋上庭園や菜園などの屋上緑化に対しては、行政の支援が見込める場合もあるため、これから緑あふれる屋上も増えていくかもしれません。

日当たりが抜群の屋上。共通の話題があれば住人同士、会話も弾む

さらに進んだ例では、マンションの開発会社が屋上でカフェを運営し、住民だけでなく近隣に開放している例も。屋上は、地域のコミュニティを育む場として注目されているのです。

特に、住人間の交流を求めるシェアハウスでは、屋上を憩いの場として開放しているケースもめずらしくありません。バーベキューパーティーを開催したり、ヨガ教室を開催していたりと、活発に利用されています。

ソーラーパネル設置で経済的なメリットも

住人同士の交流を深めるほかにも、屋上を有効活用して、マンションの収益源とする事例もあります。そのひとつがソーラーパネルの設置です。

最初から環境配慮型のマンションとして、ソーラーパネルが設置されている例もありますし、管理組合で検討して後から導入する場合もあります。

太陽光発電によって共用部の電気をまかなったり、売電による収益を管理費や修繕積立金に充当したりすることで、住民の経済的負担が抑えられるというメリットがあります。

このように屋上利用への注目が集まるなかで、屋上付き物件をまとめた賃貸サイトや分譲マンションの特集、屋上の活用法を指南するサイトなども登場してきています。従来のマンション生活とは違う、ちょっと新しい体験をしてみたいという人は、物件探しの際にぜひ、屋上の活用状況にも注目してみてはいかがでしょうか。

(最終更新日:2019.10.05)
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