あえて指名買いする人も! マンションの1階に住むメリット・デメリット

マンションを購入するときに、「1階に住みたい!」という声は比較的少ないといいます。「せっかく高さのある住宅を選ぶのに、わざわざ1階を選ばなくても…」「高層階で眺望を楽しみたい」と考える人が多いからなのかもしれません。その一方、あえて1階の住戸を“指名買い”する人もいるようです。ここでは、マンション1階を選ぶメリット・デメリットを紹介します。

子育てファミリーにメリットいっぱい

1階であることがメリットになる人たちの代表例は、小さな子どもを育てる若年ファミリー層。その理由の一つは、落下事故を防げる点です。もちろん、中・高層階だから必ずしも危険ということはありません。でも、住居を選ぶ際、万に一つを考えてしまうのが親心といえるでしょう。

また、子どもは活発に動き回りますから、階下に対する騒音トラブルを引き起こすことがあります。ベランダから階下へおもちゃを落としてしまうかもしれません。こういったことも、1階なら心配がいりません。加えて、地震などの災害が起きても、子どもを連れて批難しやすいというメリットもあります。

実は子育て世代にはメリットも多いマンション1階の住戸

マンションの1階で得をすること

1階にメリットがあるのは、何も子育て世代だけではありません。階段やエレベーターを使わなくても出入りがしやすいのはもちろん、管理人がいたり、住人の出入りが多かったりして、人の目が届きやすいといえます。高齢者の方でも利便性や安心感を得られやすいでしょう。

また、1階には専用庭がついていることが多くあります。ここはベランダと同様に共有部の扱いですが、普段は実質的に自分の庭のように使用できます。マンションに住みながら、一戸建て感覚を味わえるのは特筆すべきポイントです。

そして、価格の面でもメリットにも注目です。多くのマンションでは、一般的に中・高層階の価格を高く設定しています。固定資産税についても、タワーマンションでは低層階の優遇措置が講じられ始めました。

また、1階の住戸は最後まで販売されていることが多く、値段交渉をしやすい物件が少なくないのです。このように、マンションの1階は考え方次第で、多くのメリットを持っているといえるでしょう。

マンションの1階で困ったこと

反対に、マンションの1階で困るのは、何といってもプライバシーとセキュリティの問題です。外部からの目や、中・高層階に向かう住人の目などが気になることは否定できません。ただ、それらは植え込みや衝立など、工夫次第で対策が可能です。

セキュリティについてはマンション全体の防犯システムが向上しているので、社会問題化しているレベルとはいえないでしょう。空き巣や住居侵入などが心配という人もいるかもしれませんが、実際にマンション内で発生している犯罪は、必ずしも1階に集中しているわけではないようです。

物の落下や虫・湿気の問題は、ある程度仕方のない面はあります。上に人が住んでいる以上、落下物をなくすのは難しいでしょう。虫や湿気は対策次第で減らすことが可能ですが、マンションの構造上、中・高層階より多いのはやむを得ないことです。

同様に、暖房効率も悪くなることが多いといえます。なぜなら、マンションでは冷気が下にたまってしまうためです。このほかにも、日当たりや浸水被害などといったことも問題になることもあります。ただ、これらは購入以前に何らかの対策ができることも少なくないので、事前に物件をよく調べることが肝要です。

1階ならではの醍醐味! 専用庭の活用法

マンションの1階に付属する専用庭には、さまざまな形態があります。多くが土・芝生・植栽といった構成なので、使用法は一戸建ての庭とよく似ているのではないでしょうか。比較的多い活用法はプランターでのガーデニングや家庭菜園です。

庭用のテーブルやイスを置き、ちょっとしたくつろぎ空間にすることもできます。簡易な物置を設置して収納スペースにすることも可能です。遊具を揃えれば、子ども専用の簡易遊園地ができ上がり。このように、専用庭の利用法は無限に広がりますが、あくまで共有部であることを忘れてはいけません。

これらの利用法の中には、管理規約などで制限されているものがある可能性がありますので、注意が必要です。事前にどのような使い方ができるのか、確認してから購入を決めるようにしましょう。

(最終更新日:2019.10.05)
~こんな記事も読まれています~

この記事が気に入ったらシェア