タワーマンションっていいもの? どんな住み心地なのか解説

マンション派の人やこれから新居を購入しようと考えている人の中にはタワーマンションに憧れている方も多いでしょう。しかし、ぼんやりとした憧れはあっても実際に住むとなると、わからないことも多くて不安を感じてしまうものです。そこで、購入の検討材料となるように、タワーマンションとはどのようなものなのか、また、どんな住み心地なのかを解説します。

タワーマンションってどんなマンション?

タワーマンションとは、要するに超高層マンションのことです。より具体的にいうと、高さが60メートル以上、階数にして20階建て以上を目安とした住居用建築物がタワーマンションとされています。なぜ、60メートルかというと、その高さを超える建物は超高層建築物であると建築基準法で定められているからです。

また、他の特徴としては施設やサービスが一般のマンションなどと比べて充実している点があげられます。都市部を中心に建てられる傾向があることも、タワーマンションを語るうえで欠かせないポイントです。

タワーマンションを選ぶメリット

タワーマンションの魅力のひとつとしてあげられるのが、共用設備が充実している点です。たとえば、マンション内にジムやプールが備わっているものもあり、住人が自由に使えるようになっています。また、シアタールームやキッズルームなどを設置しているマンションもあります。さらに、商業一体型のタワーマンションになると、下の階がコンビニやスーパー、クリニック、託児所、銀行、市役所の派出所などになっていたりします。

つぎに、高層階の窓からの景色、眺望のよさがあげられます。たとえば、一般のマンションなら5階程度でもそれなりの高さですが、20階から見える景色は全く違います。5階程度では周囲の建築物にさえぎられて、たいして遠くのほうは見えませんが、20階になると街の風景が一望できるのです。特に、夜の景色は絶景です。そんな風景を毎日見て暮らせるのはちょっとしたぜいたくだといえるのではないでしょうか。

さらに、エントランスが広くて華やかという点もメリットとしてあげられます。なかには2階や3階まで吹き抜けになっているタワーマンションもあり、一般のマンションにはない開放感や高級感を味わうことができるのです。

タワーマンションを選ぶデメリット

設備が充実していて非常に便利だと感じるタワーマンションですが、実は不便な一面もあります。それはエレベーターを使うのに時間がかかるという点です。特に、混雑する時間帯だとエレベーターの前でずっと待ち続けていることにもなりかねません。待機時間が原因となって、次第に外出が面倒になってくることも、タワーマンションならではのデメリットでしょう。

また、地震の発生や強い風が吹けば基本的に、高層階に行くほどよく揺れます。揺れることで地震の力を逃し、建物の崩壊を防ぐ構造の影響で揺れが大きくなっているため、心配する必要はありません。ただ、地震や強風の際に揺れを感じるとどうしても不安になるものです。

タワーマンションの住み心地がいいと感じるポイント

一般のマンションに住んでいると、飛んでくる虫に悩まされるといったケースは少なくありません。しかし、タワーマンションに住むとこの悩みは大幅に解消されます。一般的に、5~6階以上になると虫は少なくなるといわれています。なぜなら、ハエや蚊はそれより低いところに生息しているからです。もちろん、高所なら絶対に虫が飛んでこないというわけではありませんが、高層階に住むほどその確率は低くなります。

また、タワーマンションは部屋の作りがしっかりしており、しかも、廊下には空調が付いています。つまり、エアコンが効きやすくて温度を一定に保ちやすいので、夏は涼しく冬は暖かく過ごすことができるのです。

さらに、タワーマンションの建っている場所は大抵、都市部へのアクセスが抜群です。加えて、高層階に住むと地上から音もほとんど聞こえなくなるので車などの騒音に悩まされなくてすむようになります。そして、なんといってもうれしいのがセキュリティの高さです。入口とエレベーターにそれぞれロックがついていたり、日中は1階にコンシェルジュが常駐していたりするので毎日安心して暮らすことができます。

また、ラウンジやパーティルーム、宿泊スペースも備えたタワーマンションもあり、友人や知人を堂々と招くことができることも見逃せません。

以上の点を総合的に考えると、タワーマンションの住み心地がいいと感じるポイントはかなり多いのではないでしょうか。

タワーマンションの住み心地が悪いと感じるポイント

タワーマンションの高層階に住んでいて怖いと感じるのは地震のときです。大したことのない地震でもかなり揺れるので慣れていないとびっくりするのではないでしょうか。

また、高層階は風が強く、安全性の問題もあって窓はフルオープンにはできません。当然、洗濯物は外に干せないので乾燥機は必須となります。

そして、意外に手間なのがゴミ捨てです。各階に専用のゴミ捨て場があればよいのですが、そうでない場合はエレベーターを使ってわざわざ捨てに行かなくてはなりません。小さなことですが、それもずっと続くと住み心地が悪いと感じる要因となります。

低層階と高層階では住み心地が違う!

同じタワーマンションでも低層階より高層階に好んで住む人は多くいます。特に、最上階はステータス感があるからです。それに、最上階なら上からの足音や物音も聞こえてこないという快適さがあります。

また、低層階であれば周囲の視線は一般のマンションと同様に気になってしまいますが、高層階ならこういった心配もあまり気にしなくてすみます。その点も高層階ならではのメリットです。

一方で、低層階ならではの利点も存在します。1階に住んでいるとエレベーターを使わずにすむので、すばやく外出やゴミ捨てをすることができます。仮に、2階以上に住んでいても低層階なら階段を使って簡単に出入りができます。こうしたフットワークの軽さは高層階では得られないよさだといえるでしょう。

タワーマンションに向いている人

ここまで見てくると、タワーマンションに住むうえで大きなポイントとなるのはエレベーターだということがわかります。タワーマンションの利便性自体は高いので、あとはエレベーターの待ち時間さえ苦にならなければそこに住むメリットは大きいといえます。

また、タワーマンションはほとんどが都心に建てられているので、田舎よりも都会志向の人のほうが適しているのはいうまでもありません。

さらに、高収入というのもタワーマンションに住むうえで欠かせない条件です。マンションの購入費が高いのはもちろんですが、そのほかに月々支払う修繕積立金や管理費があります。

特に、修繕積立金は年々高くなる可能性があるのです。なぜなら、タワーマンションはハイグレードな設備を揃えているために、老朽化していくとそれを維持していくコストも高くなっていくからです。

したがって、将来多少の値上がりがあっても問題ないという人ならタワーマンションに向いているといえるでしょう。

タワーマンションに向いていない人

いうまでもなく、高所恐怖症の人はタワーマンションの高層階に住むのには向いていません。それに、毎日エレベーターに乗ることになるので閉所恐怖症の人も高い階での生活は不向きです。

さらに気をつけてほしいのが、気圧の変化に敏感な人です。エレベーターで急速に昇り降りをするとかなり大きな気圧の変化が生じます。したがって、気圧の変化の影響を受けやすい人が毎日エレベーターに乗っていると体調を崩したり、知らない間に体にダメージを受けたりするおそれがあるのです。

住み心地のよさを考えてみるべき!

タワーマンションには多くの魅力がありますが、憧れの気持ちだけで購入を決めるのはおすすめできません。思わぬところに不便さを感じて後悔してしまうおそれがあるからです。タワーマンションを検討するのなら、この記事などを参考にしつつ、本当に快適な暮らしができるのかをよく考えることが大切です。

(最終更新日:2019.10.05)
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