住宅ローンの申込書は審査をしてもらうための大切な書類です。申込書や提出書類に不備があると審査に時間がかかることもあるので、記入例を見ながらていねいに、空欄がないようにしっかりと書かなくてはなりません。申込書の書き方から間違った時の訂正印の押し方まで、チェックポイントをおさえておきましょう。
住宅ローン申込書の記入例とポイント
住宅ローンの申込書は金融機関ごとにフォーマットが異なりますが、記入する内容はほぼ同じです。
1つは「ローンの申込人や連帯保証人、連帯債務者」の情報、2つ目は「購入する物件」の情報、3つ目は「資金計画」です。
【1】申込人情報
1つ目の申込人の欄では、“その人がローンを完済する返済力があるかどうか”を確認します。そのため、「勤務先」「職種」「勤続年数」「年収」などを正確に記入します。
転職したばかりでも、必ず現在在籍している「会社名」を記入します。金融機関から在籍確認の電話があるかもしれないため、転職を隠しておくことはできません。前年度の源泉徴収票と会社名が違う場合は、雇用契約書やすでにもらっている給与明細等の内容により、今後の安定収入を予測してもらえることもあるため、事前に提出書類を金融機関に確認しておきましょう。
また、「カードローンやキャッシングなど他の借入金」がある場合は、借入残高や返済額など返済予定表を見ながら正確に記入します。「預貯金などの金融資産」や「所有する不動産」の情報もできるだけ正確に記載しましょう。頭金以外に資金の余力があることを伝えることができます。
また、ペアローンや連帯債務、収入合算する人がいる場合は連帯保証人や連帯債務者の欄に記入が必要です。連帯保証人や連帯債務者も申込人と同じ返済義務があるため、正確に勤務先や年収を書き、正社員か派遣社員などの雇用形態や、非正規社員の場合は契約の継続性が伝わる記入をしましょう。
また、産休、育休を取得中の方や復帰後、源泉徴収票が発行されていない場合などは、年収の記入方法等について金融機関に問い合わせて、できるだけ正確な数字を記入しましょう。
【2】物件情報
2つ目のポイントは物件情報です。「物件の住所」や「新築/中古・戸建て/マンション等の種類」「面積」「工務店や仲介業者の名前」などを記入します。建築途中で倒産などということがないように工務店の信用力も重要です。
「同居家族」や「土地・建物の共有者」「入居予定日」なども記入します。ローンは組まないけれど土地や建物の名義人になる場合は、「担保提供者」欄に名前を書きます。担保提供者とは、住宅ローンの返済が滞った時、土地と建物を売却して返済に充てることを同意してもらう人です。担保提供者は連帯保証人とは違い返済義務はないので、収入の要件はありません。定年退職後の親御さんの土地に家を建てる場合など、親御さんがローンを組まなければ連帯保証人ではなく担保提供者となります。
【3】資金計画
3つ目のポイントは資金計画です。「物件の価格」「頭金」「資金の贈与」「ローンの額」「借入期間」や「ボーナス払い」等を記載します。また、ローン減税の申告のための「残高証明書」の発行や、契約者に万が一のことがあった時保険でローンを完済してくれる「団体信用生命保険」の申し込みチェック欄も忘れずにチェックしましょう。
アルヒ株式会社の申込書の記入例も参考にしてみてください。>>書類ダウンロード/本申し込み
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住宅ローンの事前審査・本審査では他にどんな書類が必要なの?
申込書に記載した内容に間違いがないか、申込書と一緒に提出する書類で確認します。大きく、本人の返済力を審査するための資料と物件の担保力を審査するための資料に分かれます。
事前審査と本審査では提出書類が少し異なります。事前審査では申込書と本人確認、収入、借入金や物件の概要がわかる最低限の書類を提出します。提出書類は金融機関によって多少異なるため、事前にコールセンターなどで確認してください。
提出書類の例を挙げておきますので参考にしてください。
【新規購入の場合の事前審査提出書類例】
目的 | 書類名 |
申込書 | 事前審査申込書・個人情報提供に関する同意書など |
本人を確認する書類(写し) | 運転免許証・パスポート・健康保険証など |
収入を証明する書類(写し) | 源泉徴収票・確定申告書など |
勤務先の内容がわかる書類 | 会社案内・名刺等 |
借入中のローンに関する書類 | 契約内容・残高等がわかる書類 |
対象物件に関する内容がわかる書類 | 販売チラシ・見積書・間取り図など |
販売・施工業者に関する書類 | 会社名・連絡先・担当者がわかる書類 |
事前審査では購入する物件については売買契約書を取り交わしていなくても、手元で準備できるチラシや見積書などでも審査可能な場合が多いようです。事前審査に通っていくらくらいのローンが借りられるかの目安がわかってから売買契約書を取り交わし、本審査に申し込むのが一般的な流れです。
アルヒ株式会社の事前審査提出書類を参考にご覧ください。>>【ARUHI事前審査】ARUHIフラット35(買取型)・(保障型)必要書類一覧
事前審査ではなく本審査に申し込む時は、より多くの確認書類が必要になります。売買契約書や一戸建てであれば建築確認済証等が必ず必要になります。確認資料も細かく決められていますので下記を参考にしてみてください。
【本審査で必要な書類例】
書類名 | 取得先 |
住宅ローン借入申込書 | 借入先 |
個人情報の取り扱いに関する同意書 | 借入先 |
団体信用生命保険・三大疾病特約等の申込書兼告知書 | 借入先 |
書類名 | 取得先 | ||
本人確認の書類 | 日本国籍の方 | ・住民票(3ヶ月以内、本籍地・マイナンバー以外すべて記載のもの原本)※必須 | 各市区町村の発行窓口・郵送 コンビニ交付(2018年7月10現在で全国535の市区町村で可能) |
・健康保険証(裏表写)※必須 | 本人が所有 | ||
・運転免許証(裏表写) | 本人が所有 | ||
(運転免許証がない場合) ・パスポート ・マイナンバーカード表面写 ・住民基本台帳カード (いずれもない場合) ・印鑑証明書(発効後3ヶ月以内) |
※印鑑証明書の取得先は住民票と同じ | ||
外国籍の方 | ・在留カードもしくは特別永住者証明書写 | 本人が所有 | |
・運転免許証写 | 交付を受けている場合のみ |
書類名 | 取得先 | ||
年収を証明する書類 | 給与所得者 | ・源泉徴収票直近1年~3年分写 | 勤務先(年数は金融機関による) |
・住民税決定通知書または課税証明書 | 勤務先・または市区町村 | ||
転就職や産休育休を取得した人は直近1年間の給与明細書の写しか給与証明書の原本等 | 勤務先 | ||
個人事業主・確定申告者 | ・確定申告書および付表 直近2年分~3年分写し | 本人が所有 | |
・申告所得税納税証明書その1、その2 直近2年~3年分 | 申告先税務署窓口・郵送・インターネット | ||
法人代表者 | ・法人の決算報告書(3期分科目明細付)など | 会社 | |
・法人税納税証明書その1、その2(3年分) | |||
・法人事業税納税証明書3年分 | |||
今回の住宅ローン以外の借入内容に関する申出書、完済に関する念書、返済予定表など | 申込日現在または3ヶ月以内に完済した借入金等があれば、その金融機関。申出書・念書等は金融機関書式 | ||
その他金融機関から提出を求められた書類 | - |
その他、契約時、抵当権設定時には契約者、連帯保証人、担保提供者の印鑑証明書(発効後3ヶ月以内)が必要になります。
次に物件に関する資料について見ておきましょう。
【提出する物件資料例(借り換え・リフォームは除く)】
書類名 | 土地購入 | 建築 | 新築戸建購入 | 中古戸建購入 | 新築マンション購入 | 中古マンション購入 |
売買契約書写 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
重要事項説明書写 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
パンフレット・チラシ・販売図面・物件概要書・価格表等の写 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
工事請負契約書写 | ○ | |||||
建築確認済証写 | ○ | ○ | ○ | |||
間取り図・配置図写 | ○ | ○ | ○ | |||
検査済証写 | △ | ○ | ||||
土地登記事項証明書(発効後3ヶ月以内のもの) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
建物登記事項証明書(発効後3ヶ月以内のもの) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
土地の公図(発効後3ヶ月以内のもの)実測図・住宅地図 | ○ | ○ | ○ | ○ |
一戸建てに比べマンション購入の場合は提出資料が少ないのがわかります。一戸建てにしてもマンションにしても物件に関する資料は不動産業者や建築業者が準備できるものですので、しっかりと揃えてもらいましょう。
また、連帯保証人や連帯債務者も、申込人と同じように本人確認や収入を証明する書類の提出を求められます。申込人と同じ返済義務があるからです。ローンを組まなくても、共有名義の方は担保提供者として申込時に本人確認の書類の提出は必要です。
印鑑は実印が必要? 認印ではだめ?
事前審査の申込書に押す印鑑はシャチハタ以外の「認印」でも大丈夫ですが、本審査の申し込みやローンの契約書には必ず「実印」が必要になります。
実印とは住んでいる市区町村で印鑑登録をした印鑑です。事前審査に申し込んだ時点で印鑑登録を行いましょう。また実印は持ち出すことが多い認印や銀行印とは別の印鑑で登録することが望ましいでしょう。
ローン契約書や抵当権設定契約書には必ず実印を押し、発効後3ヶ月以内の印鑑証明書を添付します。連帯保証人や担保提供者も実印と印鑑証明書が必要になりますので、いつの段階で実印と印鑑証明書が何通必要になるか、金融機関に確認しておきましょう。
また、申込書や契約書に間違った記載をした場合、訂正印が必要になります。書類に押した印鑑と同じ印鑑で、間違った文字を二重線で消し、訂正印を押します。
すでに押してある印鑑と重ならないように、文字が見えなくならないように注意してていねいに押しましょう。書き方、押し方がわからない時は自己判断せずに、金融機関に確認しましょう。
まとめ
住宅ローンの申込書を提出するときは、記入すると同時にたくさんの書類を準備することになります。内容が間違っていたり、提出書類がそろっていなかったりすると書類のやり取りや記入内容の確認に時間がかかり、審査が遅れたり信用にかかわる場合もあります。必ず申し込む金融機関の記入例や書き方を参考に、必要な情報は確認書類を見ながらわかりやすい文字で書きましょう。
準備する書類はなじみがなく大変と感じるかもしれませんが、金融機関の必要書類一覧をチェックシートとして、漏れがないように不動産会社と連携しながら準備しましょう。
また、印鑑は本審査では実印が必要になります。事前審査を申し込んだら印鑑登録をして実印を準備しておきましょう。連帯保証人や共有名義の担保提供者がいる場合も実印の準備が必要です。申込書や契約書の書き間違いには同じ印鑑での訂正印が必要になります。できるだけ訂正がないように慎重にていねいに記入しましょう。
金融機関のローン審査を担当する人はあなたの顔を知りません。申込書はあなたと審査する人をつなぐ大切な顔となります。申し込む人や購入する物件の内容が正確に伝わるよう間違いがないように、空欄がないように、ていねいに記入しましょう。
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(最終更新日:2023.07.18)