前編はこちら:「もし、サザエさんの“磯野家”を建てたとしたら、住宅ローン返済額はどれくらい?」
波平さんの住宅ローンの完済も見えてきた1994年、カツオやワカメは小学校高学年に成長し、個室が必要なお年頃。5DKの家が手狭になり始めました。サザエさん一家のタラちゃんも成長しますし、子どもがもう一人増えることも想定したいところ。波平さんとマスオさんが増築やリフォームを考え始めても不思議ではありません。
二世帯住宅のリフォームを計画するにあたっては、費用だけでなく名義も重要になってきます。波平さん名義の家にマスオさんがリフォーム資金を出すと、実は波平さんへの贈与になってしまうこともあるのです。リフォームを考え始めたら知っておきたい、二世帯住宅のリフォーム資金計画について、サザエさん一家を例に考えてみましょう。
いくらのリフォーム代がかかる?
まずはサザエさん一家の家族構成と自宅の現状、リフォームの希望を確認しておきましょう。
【1994年時点サザエさん一家の家族構成や土地建物の現状】
波平さん一家 | 波平さん54歳、フネさん52歳(推定)、カツオ11歳、ワカメ9歳 |
マスオさん一家 | マスオさん32歳、サザエさん24歳、タラちゃん3歳 |
住宅ローン残高 | 波平さん約83万円(あと1年で完済) |
土地 | 250平米 |
建物 | 110平米 |
間取り | 5DK |
建ぺい率・容積率 | それぞれ約44% |
土地・建物の名義 | どちらも100%波平さん |
【リフォームの希望】
5DK→6LDKに間取りを変更と増築 |
1階部分の台所と茶の間を隣室とつなげてLDKとする |
1階の耐震補強後2階に2室とトイレを増築 |
アニメの中のサザエさんは、フネさんとサザエさんが台所で食事を作り、茶の間で家族そろって食事をするというスタイルですが、バブル直後の1994年頃は台所で家事を行う人が孤立しないように、LDKタイプの間取りが主流となりました。サザエさん一家も家族のだんらんの場はLDKで、夫婦の部屋と子ども部屋はそれぞれ個室にリフォームを考えたとします。
リフォーム費用は現在の価格で1,200万円程度と仮定しました。国土交通省の平成29年度 住宅経済関連データによると、首都圏の建設工事費は1975年を100として、1994年には174.6、2015年は185.0に推移していました。このデータから、現在の価格で1,200万円程度のリフォーム代が、1994年の1,130万円程度に相当すると推測します。リフォームでもかなり大きな費用がかかりますね。