家を売却して譲渡所得が出た時に受けられる3つの特例とは?
では、家を売却して譲渡所得が出た時に受けられる減税の特例とはどんなものがあるのでしょうか。この特例には次の3つがあります。それぞれ説明していきましょう。
(1)居住用財産の3000万円の特別控除の特例
(2)長期譲渡所得の特例
(3)特定居住用財産の買い換え特例
(1)居住用財産の3,000万円の特別控除の特例とは?
これは居住用の財産(マイホーム)を売却した際に譲渡所得があっても、3,000万円までは所得を控除できる、つまり、所得税がかからないというものです。たとえば、3,000万円で購入したマイホームが、4,000万円で売れた場合であっても、譲渡所得は3,000万円に満たないので課税されることはありません。
仮に、3,000万円で購入したマイホームが6,300万円で売れた場合、譲渡所得は3,300万円となりますが、ここから3,000万円を控除した300万円にだけ所得税が課税されることになります。
【居住財産の3,000万円の特別控除の特例】
(2)長期譲渡所得の特例とは?
これは、マイホームの所有期間によって、譲渡所得にかかる所得税、住民税の税率が変わるものです。具体的には、所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」、5年を超える場合は「長期譲渡所得」として税率が変わります。
また、所有期間が10年を超えると、さらに軽減されます。
【所有期間によって税率が変わる】
所有期間 | 所得税の税率 | 住民税の税率 |
5年以下(短期譲渡所得) | 30% | 9% |
5年以上(長期譲渡所得) | 15% | 5% |
10年以上 | 10% | 4% |
なお、譲渡所得が6,000万円を超えた場合には、特例の適用を受けることはできません。また、(1)の3,000万円の特別控除と併用することができます。
(3)特定居住用財産の買い換え特例とは?
これは、マイホームの売却額よりも、買い換えで新たに購入した住宅のほうが高い場合に利用できる特例で、譲渡所得に対する課税を繰り延べ(先送り)できるというものです。
この特例を受けるには、所有期間、居住期間が10年を超えていなければなりません。この特例で繰り延べした所得税は、新たに購入した住宅を売却する際に課税されることになりますが、住宅を売却しない場合には、繰り延べしたままの状態が続くので、実質的には課税されないことになります。なお、(1)の3,000万円の特別控除の特例、(2)の長期譲渡所得の特例と併用することはできません。
以上が、家を売却して譲渡所得が出た場合の特例です。家を購入した年と、その前後2年間でこれらの特例を受けた場合、住宅ローン控除は適用されなくなるので注意してください。住宅ローン控除とこれらの特例のどちらを受けるかについては、メリットが大きいほうを選ぶとよいでしょう。譲渡所得が小さく、これらの特例を利用せずに所得税を負担してでも、住宅ローン控除を受けたほうが得であれば、住宅ローン控除を受けるようにしましょう。
住宅ローン控除と譲渡所得の特例、両方の適用を受ける方法はある?
住宅ローン控除と譲渡所得の減税特例のどちらかメリットの大きいほうを選択しましょうと申し上げましたが、両方の適用を受けることは不可能なのでしょうか。
住宅ローン控除が適用されなくなるのは、「家を購入した年と、その前後2年間で減税の特例を受けた場合」です。つまり、3000万円の特別控除の特例や長期譲渡所得の特例を受けても、家を売った年から2年が経過した後に新しい家を購入した場合、一定の要件を満たしていればその家でも住宅ローン控除を受けることができます。
家を売却しても実家に住むことができる場合など、すぐに家を買う必要がない場合には、検討する余地があるでしょう。
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まとめ
住み替えのため、マイホームを買い換えた場合でも、前の家で住宅ローン控除を受けていても、要件を満たしていれば新しい家でも住宅ローン控除を再び受けることができます。ただし、家を購入した年とその前後2年間で譲渡所得の減税の特例を受けた場合には、住宅ローン控除を受けることはできません。
譲渡所得の特例を利用するか、住宅ローン控除を受けるかは、どちらのメリットが大きいかシミュレーションをした上で判断することをおすすめします。
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(最終更新日:2024.04.19)