最近の建売住宅は、ハウスメーカーが建てる注文住宅に迫るほど、間取りや設備を選べるケースも増えています。でも、せっかくだからと様々な設備を採用していくと、注文住宅と大差ない価格まで膨れ上がってしまうことも…。そこで今回は、ハウスメーカーで建売住宅の営業・販売経験があるAさんに、是非入れたいおすすめの設備について聞いてみました。
これだけは建売住宅に必要不可欠! おすすめのオプション設備
まずは、是が非でも入れたい設備からお聞きしましょう。
Aさん:「“カーテンレール”や“網戸”は最初から設置されていると思い込んでいる方が多いのですが、オプション扱いのケースも珍しくありません。また、“エアコン”を設置するにはスリーブ設置工事が必要です。つまり、壁に穴を開ける工事が発生するため、建物の構造を分かっている施工業者に設置してもらった方が安心。始めから設置することをお薦めします」
いずれも生活必需品ですから、付けない訳にはいかない設備と言えそうです。また、防犯設備も始めから備えておくと安心とのこと。
Aさん:「“ホームセキュリティシステム”の利用がベストですが、“面格子”や“目隠しルーバー”、“シャッター”を設置したり、踏むと音がする“砂利”を敷いたりと、コストを抑えながら防犯対策をすることも可能です」
できれば設置したい! 建売住宅にあると便利なオプション設備
それでは続いて、必須ではないけれども、あると便利なものを教えて貰いましょう。
Aさん「“食洗機”や、生ゴミを排水口で粉砕処理できる“ディスポーザー”、“収納棚”は購入時の設置をお薦めしていました」
いずれも後付けが不可能とは言いませんが、大掛かりな工事が必要になる可能性もあり、始めから設置した方がラクでしょう。
また、ポストやネームプレートもオプション扱いですが、引っ越したその日から郵便物は届きます。引き渡し時に設置されていた方が便利です。
防犯対策
前述の防犯対策としては、鍵の種類にも気を配りたいところ。
Aさん:「サムターンやカード式など、複数の方式で扉を施解錠できるタイプがお薦めです」
カードキーは、センサーにかざすだけで施錠・開錠ができるため、買い物帰りで両手が塞がっている時などに便利ですし、複製されるリスクも低いことで知られています。最近は2種類の鍵を併用することでピッキングを防止できるタイプが増えていますので、積極的に採用したいところです。
建売住宅のオプションの中でも高額な、キッチンのカップボードは必要?
「システムキッチンと同じシリーズのカップボードを作り付けにしたい」と考える方は、多いのではないでしょうか。天井までのぴったりサイズなのでスペースを有効に活用できますし、地震で倒壊する心配も軽減できます。しかし、ネックになるのはやはり価格。様々なオプションの中でも金額が大きく、「市販の置き家具で安く済ませよう」「入居後に自分で手配しよう」という想いも頭をよぎります。
Aさん:「木材やステンレスなど、キッチンの素材と合わせると統一感のある空間になります。設置場所を正確に採寸したり、空間に合う家具を探したりする大変さもあって、最終的には設置を決める方が多いです」
何十万円もする大きな買い物ですから迷ってしまいますが、デザインや収納力を重視する方や、引き渡し後にできるだけ早く新生活を始めたい方は、思い切って取り入れても良さそうです。
庭を始めとするエクステリアのオプションは利用する? 後回しでもいい?
門扉や塀、カーポート、植栽といったエクステリアは、限られた予算でやりくりをする中で、つい後回しにしてしまいがち。中でも庭は「後々自分で手入れをすればいい」「お金が貯まったら手を付けよう」と考える方もいるでしょう。しかし、地面を土のままにしておくと、雑草が伸び放題で見るも無残な状況になったり、土埃が舞い上がり、洗濯物が真っ黒になってしまったり、雨が降ればぬかるんでしまうことも。受け渡し後、すぐに庭の手入れができる方以外は、何らかのオプションを検討した方が良さそうです。
Aさん:「外構はマイホームの顔ですから、自分たちでコーディネートしたいと考えるお客様が多かったですね」
天然芝や砂利を敷いたり、ウッドデッキを設置したり、マイカーユーザーならカーポートも必要。草木に水やりをするために、立水栓もあると便利です。
(参考記事:住宅ローンに駐車場や門扉などの“外構費用”って組み込める?)
建売住宅を購入するなら、オプションにかける総額を決めておくことが大切
様々なオプションを紹介されると、ついあれもこれも取り入れたくなってしまいます。Aさんの経験上、オプションに掛ける費用は平均400~500万円程度とのこと。事前にオプション費用が掛かることも見込んでおけば、建売住宅でも自分らしく、住みやすい家にすることができるでしょう。予算には限りがありますから、価格の上限を決めて、無理のない範囲内でカスタマイズを楽しんでみてはいかがでしょうか?
(参考記事:新築“建売”一戸建ての購入に必要な費用とは? 「建売住宅」の費用内訳と金額一覧)
(最終更新日:2019.10.05)