この記事は、金融機関で働く30代独身男性Kさんが、資産運用として“初めての不動産投資”を行った経緯を紹介する全2回の連載コラムです。前編の今回は、不動産投資を始める2つのメリット「モーゲージリダクション(純資産の増加)とタックスベネフィット(節税効果)」について語っていただきました。
国立社会保障・人口問題研究所が発行する「人口統計資料集2017」によると、50歳時の未婚割合(生涯未婚率)は男性が23.37%、女性が14.06%を記録。つまり、男性の4人に1人、女性の7人に1人が生涯独身ということになります。生涯未婚率は今後も増加が見込まれており、シングルライフに向けた老後の資産形成が欠かせません。
今回お話を伺ったKさんも40代を目前に控え、将来について考え始めたひとり。資産運用として、不動産投資を始めた経緯を伺いました。
来るべき老後を見据えて資産運用をスタート
――Kさんはつい最近、初めての投資物件を購入されたそうですね。不動産投資に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?
Kさん:私が投資について考えるようになったのは今から2年前の時のことです。独身で、今後も結婚は考えていない。収入は全て自分のために自由に使える状況ですが、このまま何となく歳をとっていいのだろうかという想いがありました。
障がい者控除や配偶者控除、育児手当、高齢者に対する支援策、ダイバーシティとかもありますが、“独り身”には何も手当が出ないので、自分で自分の身を守るしかありません。先々を見据え、当面の人生の目標として、「保険」と「マンション」を設定して、これに投資をすべきだと考えたんです。
――それまで、投資経験はなかったのですか?
Kさん:NISAなどで投資信託を運用していた程度です。一昨年、積立型の個人年金保険に入りましたが、こちらも「預金よりはプラスになるかな?」という感覚でした。個人年金保険の場合は、保険料控除が受けられるメリットもあります。投資について本格的に考えるようになったのは、最近のことですね。
マイホーム購入から一転、不動産投資の道へ
――投資の中でも、不動産に着目したきっかけはありますか?
Kさん:実は昨年に、自己居住用のマンション購入を考えていました。1LDK程度の間取りで、新宿・中野エリアを条件として探しましたが、どの物件も狭い割に高額な印象。それでも、とあるマンションの購入を決めかけていたんです。
しかし、金融機関が指定する床面積に担保物件の基準が満たず、住宅ローンの借り入れが叶いませんでした。ここで、マイホーム購入で盛り上がっていた気持ちが萎えてしまいました(苦笑)
不動産投資を始める2つのメリット
――そこで、自己居住用から投資用に切り替えたという訳ですか?
Kさん:今年に入り、投資マンションを2件所有する友人Kさんが虎ノ門にある不動産会社を紹介してくれました。そこで出会ったI社長と営業担当Iさんは、資産活用にかなり詳しい方だったんです。「モーゲージリダクション」の話を聞き、「なるほど」と腑に落ちる思いでした。
――ローンを利用して不動産を購入し、家賃収入の中から住宅ローンの元本返済をすることですよね。
Kさん:マイホームの住宅ローンは自分で返済しなければならず、いわゆる「負債」を背負うことになります。しかし、投資マンションを購入すれば、資産形成に必要な費用を入居者が家賃として支払い、肩代わりをしてくれる訳です。元金を返済するごとに純資産が増加することは魅力だと感じました。
――その他にもメリットはありますか?
Kさん:「タックスベネフィット」、つまり節税効果ですね。マイホームのように住宅ローン控除の恩恵を受けることはできませんが、管理費や修繕積立金、賃貸管理会社に支払う手数料、固定資産税などの税金も必要経費として計上できます。
こうした着想を得てからは頭を切り替え、投資物件を探すようになりました。
【続きはこちら】後編「実際にどのような基準で、どんな物件を購入したのか、今後の展望」
<連載>30代独身男性Kさんの“初めての不動産投資”
前編:不動産投資による資産活用。モーゲージリダクションとタックスベネフィットを狙う
後編:資産価値の下落や空室リスクを軽減。投資物件の判断基準とは?