こんにちは! 平塚市のお隣、茅ヶ崎市在住の小野寺です。平塚を訪れたらぜひ立ち寄ってほしいスポットを紹介します。
今回は創業70年の居酒屋「亀善」です。亀善は平塚駅の西口から歩いて3分、店のおもての赤ちょうちんが目印です。
この赤ちょうちんには、亀善のことを知ることができる象徴的なルールがあります。亀善の店内がお客さんで混みあって料理が遅れそうなとき、この赤ちょうちんの灯りを消してそれ以上お客さんが増えないようにするのです。
その日だけ見れば、当然ひとりでもお客さんを増やしたほうが売上は伸びます。ただ「家の延長線上」を目指す亀善は、店内の居心地を良くするために赤ちょうちんの灯りを消すのです。そのスタンスこそが、70年も続く長期的なファンづくりの秘訣と言えるでしょう。
昔ながらの居酒屋
亀善が70年前から続けている定番料理は、アジフライと焼き鳥です。初めて亀善を訪れた方も、まずその二品を頼んでみると間違いがありません。ちなみにアジフライは、ハムカツなど別の揚げ物とセットにすることもできますよ。
亀善のこだわりは、「その時期にとれるものを、生で仕入れて調理する」ことです。昔は当たり前だったこのスタイルをいまも変わらず貫くことで、業務用の冷凍食品では出せない味を提供しています。
このことを知ると、冒頭の「混雑時の赤ちょうちん話」もより納得がいくのではないでしょうか。亀善は料理の手間ひまを惜しみたくないからこそ、お店が混雑しすぎないようにしているのです。
亀善はお酒のラインナップにも気を使っています。日本酒や焼酎のトレンドを酒屋さんに相談したり、ほかの飲食店やインターネットで情報を仕入れたりすることも欠かしません。そこから「日本酒の4種飲み比べ」メニューを用意することで、お客さんの「いつもの」からもう一歩広がりが出るように工夫しています。
亀善のコンセプトは「家の延長線上」ですから、ここまで手間をかけながらも値段はかなり抑えめです。居心地がよく、おいしい飲み食いができ、お財布にもやさしい。こんな昔ながらの居酒屋のお手本のようなお店だからこそ、亀善は70年も繁盛し続けているのだと思います。
平塚にあるもう一つの居場所
亀善が長年愛される最大の理由は、やはり人にあります。
亀善は、長年この店を支えてきたママと、チェーン店のマネジメントを経験してきた甥の内倉さんとが二人三脚で店づくりをしています。
「うちは『亀善でいいや』と思ってくれるお客さんが来てくれれば、それで良いんです」という言葉からも滲み出ていますが、この二人の謙虚な人柄がお店のファンを生み続けています。
時代が変わっても守り続けるべきところはママが支え、時代の変化に合わせて変えるべきところは内倉さんが変えていく。そうやって今後も、親子三代、四代と亀善に通うお客さんを生み続けていくのだと思います。
もしあなたが自宅以外で居場所が欲しいときは、平塚にある亀善のことを思い出してみてください。きっとそこには温かくて居心地の良い「家の延長線上」が待っていますよ。
亀善
住所:神奈川県平塚市紅谷町17-20
TEL:0463-23-4645
営業時間:17:30〜22:00
定休日:日曜・祝日
Facebook:市民酒場亀善
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