ARUHIマガジン地域レポーターの松戸ロードです。常日頃、千葉県松戸市で地元に密着した地域情報を、現地取材をもとに発信しています。各地でさまざまなお店、商店街を取材する機会も多いのですが、今回はJR常磐線「北小金」駅北口を降りてすぐの商店街に注目。毎月29日に継続的に開催されている「ニクの日」イベントから、地元で愛される商店街の工夫をさまざまな観点から聞いてみました。
松戸・北小金北口の商店街を中心に続く「ニクの日」
毎月29日の「ニクの日」イベントは松戸の北小金駅周辺のお店で毎月定期的に開催されています。2018年の開始当初は北小金駅北口周辺のお店から始まり、4店舗から9店舗と増え、北小金広域に広がりをみせています(2019年12月時点)。
SNSでの広報展開にも特徴
2018年の開始から毎月継続して1年を超え、9店舗での恒例イベントとして北小金はもちろん、広域にわたり認識されています。
地元での情報発信はもちろんのこと、ツイッターをはじめとするSNSでの情報発信も積極的に行っている点も現代ならではの特徴のひとつと言えるでしょう。
「次はどのような限定メニューが展開されるか」などお客さんからの問い合わせもあり、お店からの一方通行にならない地域で愛されるイベントとなっています。
たこ焼き屋さんの人気メニュー「オムたこ」
「ニクの日」イベント開催店の1店、「北小金のたこ焼き屋」でお話を聞いてみました。
通常メニューのたこ焼きも味の濃さでごまかすことなく、素材のおいしさが引き立つ1品ですが、新メニューの「オムたこ(オムライス風の玉子で包んだたこ焼き)」も絶品でした。
飲食店の取材では、お昼時やおやつ時などいわゆるピークを外して訪問を行うことが鉄則です。取材当日もいわゆるアイドルタイムに訪れましたが、それでもお客さんでにぎわっていたのが印象的でした。
店主の親しみがある接客も特徴の一つです。常連だから話が弾むというわけではなく、お客さんの要望にしっかり寄り添って対応していることが伝わってきました。聞いてみると、「関西地域の出身であれば当たり前のことですよ」とあくまで自然体。こうした気遣いが街の人に支持される理由なのかもしれません。
地元北小金産の「あじさいネギ」を使用
たこやきに欠かせないネギは、地元松戸のブランドねぎ「あじさいネギ」を使用しています。
「あじさいネギ」といえば、2019年11月には全国ねぎサミットが松戸(21世紀の森と広場)で開催された際、初日の雨の強い中でも大勢の人でにぎわっていたことが記憶に新しい、注目のネギです。
「顔が見える食材」とはよく言われますが、同店で使われている「あじさいネギ」も実際に近隣の生産者から直接仕入れています。この「あじさいネギ」を使用したたこ焼きは、ネギ生産者からもおいしいと好評なのだとか。
近隣県以外からもはるばる来店、商品化したいというオファーも
「北小金のたこ焼き屋」では、ほかにも注目のお話を2点ほど聞くことができました。1つ目は近隣県以外からも同店のたこ焼きを主目的に来店されるお客さんもいる点。
松戸・北小金へ常磐線で1本の都内(北千住方面)や茨城県(取手方面)だけでなく、さらに先の県外からの来店する人がいるというのは驚きです。商品の魅力はもちろんのこと、継続した情報発信の賜物と言えるかもしれません。
2つ目は、ほかの飲食業者から「オムたこ」を自分のお店でも商品化したいという連絡が届く点です。簡単に真似されても大丈夫なのかと聞くと、調理全体を通して工夫は徹底しているとのこと。たしかに、オムたこの玉子の部分の食感など、ただ焼いただけとは明らかに違う感触が光ります。
さまざまな年代の店主が協力して作り上げる「ニクの日」
「ニクの日」イベントの連絡先店にもなっている布施屋酒店の店主から、同イベントがこれだけ継続して伸びている工夫を教えてもらいました。
まず、トップダウン型の組織体制にしていない点です。イベント自体の開催を目的とはせず、常にお客さんと各店の距離感を第一にしていきたいとのこと。また、イベント開催のためにお店の営業に過度な負荷がかからないように、無理なく続けられる形で続け、お店同士もフラットな関係を意識しているそうです。
各店の店主の年代を見ても、世代を超えた年齢層に驚きます。仲が良く、それでいて商いとしての成立を忘れない、ただのなれ合いではない組織だと感じました。
勢いのある商店街の取り組みは、現地を訪れてみると、さまざまな点から納得できる部分がありました。
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家探しの参考になる街の情報を「そこに住む人」の目線で発信する、ARUHIマガジンのオフィシャルブロガー・ライター。地元で愛されるグルメや注目のお店をはじめ、とっておきの穴場や子連れお出かけスポットなど、知って得する情報を発信中!