マンションの買い時は結局、いつ? 30代独身・DINKS男性“持ち家”座談会

国土交通省が発表した2018年度の「住宅市場動向調査」によると、分譲マンションの世帯主の年齢は30代が最も多く、49.5%。初めて住宅を購入する「一次取得者」に限定すれば60.0%と、6割を占めています。30代のみなさんの中には「自分もそろそろ買い時かな?」と考えている人も多いのではないでしょうか。
そこで、分譲マンションを購入、もしくは検討中の独身・DINKSの男性に集まってもらい、「マンション購入座談会」の第2弾を開催! マンションを購入したい理由や買い時について語ってもらいました。
※前回の記事:マンション購入派の本音を教えて! 30代独身・DINKS女性“持ち家”座談会

年齢、結婚、出産… マンション購入を考えた理由は?

今回、座談会に参加してくれたのは、以下のメンバーです。

30代男性ならではのマンション購入の本音について、さっそく探ってみましょう。

―今日は「マンションの購入経験がある」もしくは「購入を検討している」みなさんに集まっていただきました。まずは購入した、または購入したい理由と、そのきっかけから教えてください

Hさん:ありきたりですが、結婚がきっかけです。私も妻も1人暮らしで、同居をするにあたり住まいを探し始めました。賃貸も検討しましたが、「せっかくなら買おう!」ということになり、もともと私が暮らしていた武蔵小山に新しくできたマンションを購入。資産形成の意味で早い時期から住宅購入に興味があったことも、新築マンション購入の決断を後押ししました。

Iさん:結婚した当初、「仮住まい」としてUR賃貸住宅に入居し、早3年が経ってしまいました。更新料がかからないため、住宅購入のタイミングを逃している感がありますね。コスパを重視したいタイプのため、物件価格が高止まりしているのも、購入を躊躇する一因になっています。エリアに特別なこだわりはありませんが、共働きのため、今の通勤時間と同じぐらいの、乗り換え1回・1時間以内で通えるエリアで探したいです。

Tさん:半年前に子どもを授かりまして、今後の子育てを考えると現在暮らしている池袋の住まいは手狭なため、マンション購入を考えています。環境を早めにととのえたい気持ちがあるものの、今年6月に転職したばかりのため、住宅ローンの審査が通るか少し心配な面も…。そうした状況もあって、2~3年後の購入が現実的かなと思っています。

Kさん:40歳を目前に、自己居住と投資、どちらも見据えてマンションを購入しました。自己居住目的のみでしたら、前に住んでいた笹塚近辺がベストなのですが、今後賃貸に出す可能性も考えて、池袋のマンションを選びました。都内なら西側のほうが、地盤がしっかりしていて災害リスクが低いと感じましたし、池袋はさまざまな再開発事業が進行中のエリアのため、資産価値が下がることはないと思いました。

Sさん:現在はアパート暮らしですが、月8万円程度の家賃を払い続けていることがもったいないと感じています。月々の住宅ローン返済額が家賃と同等、または数万円プラスの予算感で、できるだけ勤務先に近く、ターミナル駅にも近いエリアが理想。間取りは家族が増えても住み続けることができる2LDK以上が希望です。「今すぐに」というわけではありませんが、財形住宅融資を利用するリミットが45歳のため、それまでに決断したいです。

物件選びの主導権を握るのは夫? それとも妻?

―DINKSのみなさんに伺いますが、家庭内で物件選びの主導権を握るのはどちらですか? また、パートナーと意見が合わなかったらどうしますか?

Hさん:どちらかというと、私が主導権を握っていましたね。私の単独名義で住宅ローンを組む前提だったため、最終的な決断は委ねられたというか、気を遣ってもらった雰囲気があります。家探しに関して意見が合わなかったことはほぼなく、案外スムーズでしたね。

Tさん:うちは基本的に妻の担当です。現在、大宮周辺のマンションを検討していますが、妻の実家がある川越まで30分以内と子育てのサポートを受けやすく、私の職場にも1時間圏内なので、現実味のあるエリアかな、と。妻の勤務先は東京駅近くで、育休後に復帰予定なので、妻の通勤環境としても悪くないと思っています。

Iさん:私が主導権を握ることになると思います。実はすでに投資用のマンションを所有しているため、住宅購入自体は初めてではありません。過去の経験をもとに、コスパも重視しながら私が候補の物件を選び、その中から妻に選んでもらうことになりそうです。もちろん、妻の意見は尊重しますし、意見が合わなければがっつり家族会議をするつもりです。
個人的には、資産性を重視したいため、駅近の中古マンション推しですが、妻にいかに納得してもらうかがポイントかもしれません。目移りしないように、新築マンションはできるだけ見せないようにしようかと(笑)。きっと、リノベーション済みの物件なら気に入ってくれるのではないかと思っています。

ライフイベント重視? 資産性が大切? 購入のベストなタイミング

結婚など、大きなライフイベントをきっかけに購入を検討する人が多いようです(画像:PIXTA)

―ところで、みなさんは、どうやって「買い時」を見極めますか?

Kさん:こればかりはタイミングだと思っています。今の家は出合って2~3週間後には、住宅ローンを契約していました。「出合いがあったら即決断」が信条です。

Iさん:5年ほど前から住宅購入を視野に入れているのですが、定点観測をしてしまったが故、ここ数年でマンション価格が高騰していることを否が応にも感じています。正直、買いづらくなってしまった部分があるのですが、どこかのタイミングでエイッ! と覚悟を決めるしかないのだろうなと思っています。

Sさん:物件価格の上下よりも、自分自身のライフイベントに合わせて購入すると思います。今住んでいるエリアの近くなどで新しいマンションが建てば、購入意欲が高まりそうです。

Tさん:遅くとも、生まれてくる子どもが小学校に入学する前には買いたいです。それまでのどのタイミングで購入するのかは、物件との出合い次第だと思います。物件価格が下がったときに買えればベストですが、そのタイミングを待っていたら、良い物件を逃してしまいそうなので…。

Hさん:購入したのは9年前ですが、今にして思えば物件価格が上昇する前の、良いタイミングで購入できたな、と。ただ、当時の感覚としては結婚・同居というライフイベントありきで、コストパフォーマンスはあまり重視していませんでした
26歳での購入は一般的には早いタイミングかもしれませんが、住宅ローンを借りた際のリスクとなる「職を失う」「体を壊す」といった最悪のシナリオを考えても、まだ若い20代での購入は逆にリスクが少ないのではないかと感じました。月々の住宅ローン返済額は10万円程度ですから、もし何かあっても、共働きだったらどうにか払い続けることができそうですし、いざとなれば売却すればいいという思いもありました。

マンション購入で重視したいのは「駅近」「住環境」「コスパ」!?

Kさんが暮らす「武蔵小山」駅前の様子。全長800mの商店街「武蔵小山商店街パルム」のほか、緑豊かな「林試の森公園」も近く、住環境が整ったエリアです (画像:PIXTA)

―マンションを購入する際に実際に重視した、もしくは重視したい“こだわりポイント”はどこですか?

Kさん:何よりも「駅近」です! 徒歩3分以内がベスト。5分でも遠いと感じてしまいますね。階数は5階以上で探しました。1階に飲食系のテナントが入っていれば臭いなどの問題が気になるし、大通りに面していれば排気ガスも心配なため、今まで5階よりも下の階で暮らした経験がありません。

Hさん立地やそれにともなう住環境が第一で、あとは価格や資産価値でしょうか。「マンション=立地」というイメージもあったので、戸建ては選択肢にありませんでした。武蔵小山は子育て世代から高齢者まで幅広い世代が暮らす成熟したイメージのある街。有名な商店街があり生活しやすく、地価が下がるリスクのも少ないのではないかと感じました。

Tさん:立地などは妻の希望を重視したいと思っていますが、いつか貸したり、売却したりする可能性を考えると、ターミナル駅に出やすく、駅近の物件がいいですね。ただ、現在検討している大宮エリアの場合、大宮駅近の物件自体が少ないため、少し離れた物件を検討することになると思います。大宮駅から1~2駅離れるのであれば、徒歩5分以内の物件を狙いたいです。

Sさん:今は独身ですが、将来家族で住むことを考えると、子育て環境が大切になってくると思います。住み慣れた街がいいですね。最寄り駅から多少離れていても、住環境がととのっているとうれしいです。バスを利用するエリアであれば、運行本数を事前にチェックし、通勤に支障がないようにしたいです。

Iさん:中古マンションに絞って探していますが、抑えた価格で購入できれば、リノベーションで自分たち好みの家にすることもできそうですよね。ただ、中古は耐震性が気になりますので、必ず新耐震基準(※)で建てられた物件を選びます。また、将来、買い替えをしやすいように、リセールバリューも重視したいところ。最寄り駅から徒歩5分以内の物件なら、売却しやすいのではないでしょうか。
※「新耐震基準」について詳しく読む:地震に強い!? “新耐震基準”とはどんなもの? 耐震チェックの方法も解説

マンション購入で失敗しないために、契約前にできることは?

モデルルーム見学の際は物件現地周辺の様子もしっかり確認しておきましょう(画像:クリオ ライフスタイルサロン横浜)

―購入検討者から購入者へ、何か聞いておきたいことはありますか?

Tさん:購入後は賃貸のように気軽には引っ越せないと思うので、隣近所に誰が住んでいるのか気になります。購入前にチェックしましたか?

Hさん:新築マンションの場合、事前にチェックをすることが難しいので、ある意味、一つの賭けですよね。できることといえば、「この立地に住むのはどんな人なのか」想像することくらいでしょうか。私の場合は住み慣れた街でしたし、近くの商店街を歩く人たち=地元住民と考えれば、「そこまで心配しなくてもいいのかな」とは思いました
もし、土地勘のない場所でマンションを購入するのであれば、モデルルームを見学するだけでなく、周辺の街をしっかりと歩き、雰囲気を見ておいたほうが、購入後にギャップを感じるリスクを減らせると思います。面倒でも何度か足を運んでおけば、後悔のない買い物ができるかもしれません。

まとめ

30代男性が住宅購入について思うことを、ざっくばらんに語ってもらいました。コスパや資産価値が高いマンションを購入したいと考える一方で、実際にはライフイベントに合わせて購入を検討するケースが多く「欲しい時が買い時」のようです。また、DINKSの場合、住環境などは妻が、金銭面は夫が主となって意思決定をする傾向も垣間見えました。
みなさんもこの記事を参考に、マンションを購入するタイミングや優先したいポイントについて、考えてみてはいかがでしょうか?

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(最終更新日:2021.01.05)