そろそろボーナスや貯めた貯金で住宅ローンの繰り上げ返済でもしようと考えている人もいることでしょう。でも、ちょっと待ってください!もしかしたら、そのお金で住宅ローンを借り換える方が、長い目で見てお得かもしれません。
繰り上げ返済する前に、住宅ローンの借り換えを検討してみよう
住宅ローン控除額は年末の借入残高で決まるため、年が明けた今、繰り上げ返済をしようと考えている人もいるでしょう。しかし、まとまったお金があるのなら、繰り上げ返済をする前にぜひやって欲しいことがあります。それは、その資金を元に住宅ローンを借り換えたらどうなるか、シミュレーションを行うことです。
現在返済中の住宅ローンの残りの返済期間が10年以上、かつ借入残高が1,000万円以上、さらに金利差が1%以上あると、借り換えメリットが出ると言われています。しかし、ここのところ低金利が続き、借り換えによって住宅ローンの返済総額が抑えられる可能性が高まったこと、そして、事務手数料や保証料、団体信用生命保険特約料など諸費用を抑えた金融機関が増えたことから、上記に当てはまらなくても、借り換えの方が効果が大きい場合があります。
たとえば160万円を繰り上げ返済する予定なら、60万円を借り換えにかかる諸費用に充て、さらに残りの100万円で残高を減らした上で住宅ローンを借り換えた場合の返済プランをシミュレーションし、繰り上げ返済した場合と比較してみてください。
金利差があるほど、諸費用が安いほど借り換え効果が出やすい
多くの金融機関の住宅ローンは、基準となる金利からの引き下げが行われています。しかし、引き下げ幅が次第に大きくなり、基準となる金利自体も低くなっている現在、金利による差別化が難しくなってきました。このような背景もあり、保障範囲を広げた団体信用生命保険を選べる、事務手数料を下げる、保証料がかからないなど、金利以外の部分でアピールする金融機関が増えています。
住宅ローンの借り換えには下表のような諸費用がかかりますが、諸費用のうち多くを占める「事務手数料」や「保証料」が安い(かからない)と、借り換えの効果がより出やすく、繰り上げ返済するよりも今後の支払い総額が少なくなることがあります。
最近はWeb上で繰り上げ返済や借り換えにかかる諸費用を含めたシミュレーションができる金融機関が増えています。諸費用は概算であること、必ずしも適用金利がその通りになるとは限らない等の注意点はありますが、窓口にわざわざ出向かなくても、Web上で借り換えの検討ができます。もちろん窓口に出向けば、個々の状況に合わせた詳細なシミュレーションができますが、まずは週末のお休みの日にでも、金融機関ホームページをチェックしてはいかがでしょう。
<住宅ローン借り換え諸費用>
項目 | 概算費用 | 補足説明 |
---|---|---|
印紙税 (金銭消費貸借契約1通あたり) |
2万円 | |
登記関連費用 | ~15万円程度 | |
登録免許税 (抵当権設定/抹消) |
8万2,000円 | |
事務手数料 | 3~5万円程度(定額型の例) 40万円程度(定率型の例) <別途消費税> |
|
保証料 | 約44万円 | |
団体信用生命保険特約料 | 約7万円/年払額(1年目) |
住宅ローン借り換えの注意点
借り換えには注意点もあります。それは、住宅ローンを新規借り入れしたときより、収入や勤務状況、健康状態が悪くなっていないかどうかということです。
個々の状況を踏まえた検討はWeb上ではできません。借り換えシミュレーションをして融資を受けたい金融機関が絞れたら、希望の金融機関に問い合わせをし、審査してもらうと良いでしょう。金利は毎月変わりますので、タイミングを逃さないよう早め早めに行動しましょう。
金利が低いものに限らず、諸費用があまりかからない住宅ローンを選べれば、より大きな借り換えメリットが期待できます。繰り上げ返済だけが住宅ローンの金利負担を軽くする手段ではありません。借り換えには諸費用が必要になり、余裕資金が無いと検討できないので、繰り上げ返済する資金がある時こそ借り換えのチャンスでもあるのです。どちらがより効果的に手持ちの資金を活用できるのか、じっくり検討してみましょう。
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(最終更新日:2019.10.05)