住宅を買ったら確定申告で税金の還付(住宅ローン減税)を受けよう

今年も確定申告のシーズンになりました。給与所得者にはなじみの薄い制度かと思いますが、住宅を買った人であれば手続きが欠かせません。住宅ローン減税により、納めた税金が戻ってくるからです。手続きの方法を少し詳しく説明しましょう。

申告すると10年間で最大400万円が戻る

住宅ローンを借りて家を買うと、入居の年から10年間にわたり、住宅ローンの年末残高の1%に相当する額が所得税から控除されます。つまり、その分納める所得税が少なくなるというものです。

対象となる住宅ローンの年末残高の上限は4,000万円なので、最大で年間40万円、10年間で最大400万円が控除される大型減税です。ただし、控除される金額は納めるべき所得税の金額までです。所得税額が少なくて控除しきれない分は、翌年の住民税からも13万6,500円を上限に控除されます。所得税が源泉所得税として、あらかじめ給与から天引きされている給与所得者の場合は、初年度は確定申告をすることで税額が還付される仕組みです。

この住宅ローン減税を受けるには、入居の翌年に確定申告が必要です。申告書に必要事項を記入し、書類を添付して税務署に提出します。提出は住所地を所轄する税務署に直接持参するほか、郵送やインターネットで済ませる方法があります。2015年の提出期間はいずれの場合も2月16日(月)から3月16日(月)です。なお、住宅ローン減税には住宅の床面積など一定の適用要件があるので、事前に確認しておきましょう。

住宅ローン減税を受けるための主な要件
人・住宅ローンの要件
・住宅を取得した日から6ヶ月以内に入居し、年末時点で引き続き居住していること
・控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下
・住宅ローンの返済期間が10年以上
建物の要件
・家屋の登記簿上の床面積が50㎡以上
・中古住宅を取得する場合は以下の要件のいずれかを満たすもの
(1)耐火建築物は築25年以内、木造等は築20年以内
(2)一定の耐震基準に適合するもの
(3)取得の日までに耐震改修を行い、耐震基準に適合することが証明されたもの

申告に必要な書類の準備もあらかじめしておこう

所得税の申告書には「申告書A」と「申告書B」というものがあり、申告書Aは給与所得などの人向けです。申告書Bは所得の種類にかかわらず誰でも使用できます。住宅ローン減税を受ける場合はこのほか、「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」にも記入が必要です。いずれも税務署に行けば用紙がもらえるほか、国税庁のホームページからダウンロードしたり、パソコンなどから直接書き込むことができます。

なお、申告には以下の書類も必要です。

・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
・住民票の写し
・勤務先から交付を受けた源泉徴収票(原本)
・住宅や土地の登記事項証明書(原本)
・売買契約書や請負契約書の写し

このうち住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書は、住宅ローンを借りた金融機関から送られてくるものなので、忘れずに保管しておきましょう。

パソコンで申告書の作成や電子申告もできる

申告書や計算明細書の記入は少し手間がかかりますが、書き方の手引きがあるのでそれを見ながら書けば難しくはありません。不安な人は税務署に出向けば相談することも可能です。なお、税務署によっては駅ビルなどで臨時の窓口を設置したり、2月22日と3月1日の日曜日に限って税務署の窓口を開くケースもあります。

自宅のパソコンを使って申告する場合は、国税庁のホームページにある確定申告書等作成コーナーで申告書を作成します。作成した申告書は印刷して郵送などで提出するか、e-Taxとよばれる電子申告システムで送信可能です。e-Taxは印刷や郵送の手間が省けますが、事前に市区町村の窓口などで住民基本台帳カードを入手して電子証明書を取得し、ICカードリーダライタを購入するなどの準備が必要になります。

なお、住民税から控除を受ける場合は、所得税の確定申告をしてあれば特に手続きは不要です。また給与所得者の場合は、所得税の確定申告が必要なのは1年目だけで、2年目以降は勤務先の年末調整の際に住宅ローンの年末残高証明書を提出すれば控除額が還付されます。

税務署に出向いて申告する場合、期限が近づくと税務署が混雑して時間がかかります。また早く申告するほど税金の還付も早く受けられるので、早めに手続きを済ませましょう。

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(最終更新日:2019.10.05)
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