住宅ローンを借り換えるときの審査のポイント

2016年2月に導入された「マイナス金利」の影響で住宅ローン金利が下落し、借り換えの申し込み件数が急増していると報道されています。低い金利の住宅ローンに借り換えることで支払利息を削減できますが、申し込んだあとの審査の結果次第では希望した通りの借り換えができないこともあるため注意が必要です。

当初借り入れ以降状況が変化すると借り換え時の審査が通らないことも

2月に日本銀行が「マイナス金利」を導入して以降、住宅ローンの金利が下落しています。そのため、住宅ローンの借り換え需要が高まり、申し込み件数が急増しています。
背景には、新聞やテレビなどのメディアが「マイナス金利」政策の暮らしへの影響を大きく報道したため、これまで住宅ローンの見直しをしていなかった人の背中を押した面もあるでしょう。また、住宅ローンは一般的に申し込み時の金利ではなく、融資実行時の金利が適用されるため「いつ金利が上昇に転じないとも限らないので早めに申し込んでおこう」と思う方が多いことも考えられます。

住宅ローンの借り換えの手続きは、当初借り入れをしたときに審査を通っていることから、申し込みをすればスムーズに進むと思いがちです。しかし、借り換え時も当初の借り入れ時と同様の審査が行われるため、審査の結果次第では、希望する借り換えができないことがあります。
当初の借り入れから状況が変化している場合は、注意が必要です。

<借り換えが難しくなる主なケース>

当初借り入れ時からの状況の変化 説明
転職した 借入条件に2~3年の最低勤続年数を定めている場合が多いため、最近転職した人の借り換えは難しい
独立した 過去2~3年の確定申告書の提出を求められるため、最近独立した人の借り換えは難しい。収入の審査は、会社員のように額面年収ではなく、所得(売上-経費)で評価されるため、売上は多くても所得が少なければ借入可能額は少なくなる。
転勤、結婚などに伴って住宅を賃貸に出した 転勤や結婚に伴って転居し、賃貸に出している住宅は収益物件とみなされるため、住宅ローンとしての借り換えは難しい
収入が減少した 収入が少なるなると、当初借り入れ時よりも借り換え時の借入可能額は少なくなる。当初夫婦の収入を合算して借り入れをし、その後配偶者が退職したり、契約社員、派遣社員になった場合も世帯収入の減少により借入可能額は少なくなる
契約社員・派遣社員など勤務形態が変わった 契約社員や派遣社員は、一般的に収入が安定していないとみなされるため借り換えは難しい
担保評価が減少した 当初借り入れ時から、住宅の担保評価が大きく下がった場合、借り換え時の借入可能金額が決まるため、希望する金額が借りられない場合がある
住宅ローン以外の借金がある 自動車ローンや教育ローン、カードローンなどがあると、それらの借金も含めて住宅ローンの借入可能額が決まるため、希望する金額が借りられない場合がある
住宅ローンやそれ以外のローンの支払いで延滞・滞納をした これまでに住宅ローンに限らず、自動車、教育ローン、クレジットカードのローン等でも支払いを滞らせ、延滞・滞納をしたことがある場合は、審査において個人信用情報に影響を及ぼす可能性があり、借り換えが難しくなる

なお、審査の基準は個々の金融機関が独自に決めて公表しないため、実際に借り換えができるかどうか、また、いくら借りることができるかは、所定の書類を添付して正式な申し込みをしてみないとわかりません。

このように、金利が下がったからといって必ずしも希望する借り換えが簡単にできる訳ではありません。借り換えをするときは、あらかじめ審査に通りやすいように、「転職や独立を考えている場合には借り換え後にする」、「住宅ローン以外の借金がある場合には事前に繰上返済をする」などの対応をしておいたほうよいでしょう。

【フラット35】は当初借り入れた金融機関での借り換えも可能

借り換えは一般的に、現在返済している金融機関と同じ金融機関の住宅ローンに切り替えることはできません。しかし【フラット35】については、【フラット35】から【フラット35】に借り換えることも、同じ金融機関内で借り換えることも問題なく行えます。ただし、審査は当初借り入れ時と同様に行われ、融資事務手数料などのコストもあらたにかかります。

「マイナス金利」の導入決定以来、変動金利(半年型)よりも固定金利タイプの金利が下がっています。特に固定金利の代表格である【フラット35】は史上最低金利を更新する水準にまで下落しています。そのため、返済中の【フラット35】を現在の【フラット35】に借り換えれば支払利息の削減効果が期待できます。
【フラット35】の金利は、「返済期間20年以下」より「21年以上35年以下」のほうが高く、「融資率9割以下」より「9割超」のほうが高く設定されています。そのため、当初は「返済期間21年以上」で借り入れて、借り換えが「20年以下」の場合は金利がさらに下がります。融資率は当初「9割超」で借り入れていても、借り換えの場合は融資率に関わらず「融資率9割以下」の低い金利が適用されます。
これらのことを知っていれば、借入条件を工夫して返済負担を一層軽減することができそうです。実際の効果は、コストも含めたシミュレーションを金融機関に依頼して確認し、「メリットあり」と判断できる場合は早めに借り換えをしてはいかがでしょう。

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(最終更新日:2019.10.05)
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