学校卒業後、地元企業に就職し、地元で家を建てるという人もいれば、遠方の大学や専門学校に進学し、そのまま家を出る人、仕事の都合で住む場所が定まらない人もいます。一度地元を出てしまうと、帰りたくてもなかなか帰れないことも少なくありません。
地元を離れた人は「将来的には地元に戻ってきたい」と思うものなのでしょうか、それとも「住み慣れた土地で暮らし続けたい」と思うのでしょうか。
そこで今回は“地元を離れて生活している人”に、将来的には戻ってきたいと思っているかどうかアンケートを実施しました。
【質問】将来、自分の「地元」に戻って生活したいと思いますか?
【回答数】
はい:46
いいえ:54
帰りたくても帰れない? 過疎化がネックの場合も
アンケートの結果、わずかな差で「いいえ」と答えた人が多い結果となりました。
【いいえ】
・地元に帰りたい気持ちはあるが、離れた場所に嫁いだので、現実的に地元に帰ることは無理だから。(20代/女性/会社員)
・結婚してから地元を離れ、新しく住んでいる所に一戸建てを建てたから。(30代/男性/会社員)
・地元に対しての愛着は特になく、友達も全国に分散しているから。(40代/男性/正社員)
・地元は不便なところなので、将来地元に戻って生活したいとは思いません。(30代/男性/会社員)
・寂れていく一方で、買い物に不便だし、医療も不安なので生活したくないです。(40代/男性/会社員)
・一度都会に出て、その便利さに慣れてしまうと、もう田舎の不便な生活には戻りたくなくなってしまうので。(40代/男性/パート・アルバイト)
・そこまで離れているわけでもないですし、妻や子どものことを考えたら地元に戻る選択肢は全くありません。(30代/男性/正社員)
・今の環境は地元よりかなり田舎ですが、のんびりしているので気に入っています。人混みが苦手になってしまったので。(50代/女性/専業主婦)
・地元にはあまり良い思い出がないから。せっかく転居して性格も明るくなったので、わざわざ過去に戻りたくない。(50代/女性/正社員)
結婚後に遠方へ嫁いだ人や、仕事の関係で遠方に家を建てた人は、帰りたい気持ちがあっても、生活の基盤がすでにできてしまっているため、帰れないと考えている人が多いようです。
一方で、地元がさびれている場合は老後の不便な生活を不安に思う人が多く、必ずしも地元に深い愛着がある人ばかりではないことがわかりました。
また、都会出身で地方に生活拠点を移した人は田舎暮らしが気に入っているという意見も多く、地元にこだわらず、ライフスタイルに合わせて住む場所を選ぶことが満足度に繋がっているようです。
地元に戻りたい一番の理由は両親? 住み慣れた地元を望む声も
アンケートの結果、4割以上の人が「将来は地元に帰りたい」と答えました。
【はい】
・親が心配なので、何かあったときにいつでも実家に帰りやすいから。 また、都会より生まれたふるさとのほうが人があたたかく、この場所で子育てしたいと思う。(20代/女性/会社員)
・生まれ育った地で親孝行をして暮らしたい。また、仲の良かった友人とも再会したい。(50代/男性/会社員)
・家族や親せきや友達がいるふるさとは、安心感があると思うから。(60代/女性/専業主婦)
・実家に近い方が子育てしやすいし、地元が好きなので地元に住みたい。(20代/女性/専業主婦)
・いろんな思い出の場所に行ってみたい、それにやっぱり地元の気候に慣れているので住みやすいから。(30代/女性/パートアルバイト)
・生まれたところと死ぬところは一緒がいいので、定年したら地元に帰りたい。(40代/女性/パートアルバイト)
・同じ都内で、便利さや住みやすさはさほど変わらない。でも地元にはやっぱり「愛着」がある。(20代/女性/正社員)
・やはり自分が育った場所への愛情やなつかしさが歳を重ねるごとに大きくなっていくから。(30代/男性/正社員)
・将来的には地元のために何か頑張れたらよいかな、と思ったからです。(30代/女性/契約社員)
地元に帰りたいという大きな理由のひとつが、「親が心配だから」という意見でした。親が年を取ってきたり、親元に子供が残っていない場合は特に自分がそばに居なければと考える人が多いようです。
比較的若い世代は、親元で子育てをしたいと考える意見が多く、環境の整った場所で子育てするために地元に帰りたいという意見が目立ちました。
地元への帰郷を決意するには、結婚、出産、退職が転機となりそうです。
自分にとって一番ベストな場所を選ぼう!
一度地元を離れてしまうと、地元を愛していても、すでに生活基盤が移っているためなかなか帰郷に踏み切れないこともあります。結婚している場合は、自分は地元に帰りたいと思っていても、パートナーや子供が嫌がる場合もあり、なかなか思うようにはいきません。
地元にこだわりたい人も、今の生活環境に満足している人も、将来のことは老後の生活プランをじっくり立て、自分や家族にとって一番よい場所でしっかりと生活基盤を作り、落ち着いて生活できる環境を整えることが大切です。
■調査地域:全国
■調査対象:年齢不問・男女
■調査期間:2017年01月11日~25日
■有効回答数:100サンプル