新築マンションが販売される際、「第1期」「第2期」「最終期」というように、販売期が分けられているのを聞いたことはありませんか? このように期間を分けて販売する手法を「期分け販売」と言います。なぜ新築のマンションは「期分け販売」されるのか、またそれぞれの販売期で特徴やメリットがあるのかどうかをARUHIマガジン編集部が調べてみました。
なぜ期分けして販売されるの?
「期分け販売」が行われる最大の理由は、全ての戸数を一度に販売することが物理的に難しいためです。新築マンションは建物が未完成の状態で販売されます。そのため建設現場の近くに販売センターが設置され、モデルルームの案内や物件の説明、住宅ローンの相談などが行われます。
この時、一度に大量の購入客が訪れると、販売センターのスペースや販売担当者の人数が足りなくなってしまうのです。マンションの規模が大きくなればなるほど購入客が増えるため、その対応は困難になります。
そこで、販売する戸数を分割し、「第1期」「第2期」……「最終期」といった複数の期間に分けて販売する方法が取られているのです。期分けの回数は様々で、大規模マンションなどでは「第1期第1次」「第1期第2次」と細分化されるケースもあります。
また、期間を分けることで効率的な販売できるというのも「期分け販売」が行われる理由の一つです。全ての住戸を一度に販売してしまうと、完売するまで広告費や人件費をかけ続けなければなりません。
しかし、期分けをすれば各販売期の始めに集中的に経費をかけることができます。さらに「第1期即日完売」などという宣伝をすることで、「第2期」の販売促進にも繋がります。
第1期と第2期、どちらで購入した方がお得?
「第1期」と「第2期」で分譲される住戸は、販売業者の戦略によって変わります。価格の低い目玉住戸を「第1期」に販売することで「即日完売」を目指すケースもあれば、販売に時間のかかることを見越して高額な住戸から売っていくケースもあるのです。
しかし、同じ住戸の価格が販売期によって大きく変動することはありません。住戸の広さや設備のグレードに差がなければ、価格もさほど変わらないというのが一般的です。ただし、稀に「第1期」の申し込み状況によって価格を調整する販売業者がある他、販売期間が長い場合には相場が変動して価格が変わる可能性もあるので注意しましょう。
一方、販売される住戸数は期を追う毎に減っていくため、「第1期」と「第2期」の選択肢の幅は異なります。良い条件の住戸から売れていき、「第2期」には希望していた住戸が埋まっている可能性があるのです。「第1期」に申し込んだ方が、自分の希望に合う住戸を選びやすくなると言えるでしょう。
また、「第1期」に販売センターへ行けば、「第2期」に販売される住戸の情報を把握することがでるため、希望に合った住戸を選びやすくなります。
売れ残ったマンションが値引きされることはあるの?
期分けして販売されていても、マンションの完成間近まで住戸が売れ残っているケースがあります。これらの住戸は、売れ残りだからといって簡単に値引きしてもらえるものではありません。既に同じ住戸を購入している人もいるため、安易な値引きはできないのです。
しかし、様々な方法で実質的な値引きが行われるケースは存在します。例えば、家具や家電を付けて販売されることがあります。また、モデルルームとして使用していた部屋は、使用済みということで割引価格にて販売されることもあるようです。
マンションは大きな買い物なので、購入のタイミングに迷う人も多いでしょう。既に購入したい物件が決まっている場合は、早めに申し込むことで希望する住戸を確保する必要があります。
しかし、次の販売期まで待つことで、さらに条件の良い住戸の販売が始まる可能性もあるのです。購入を迷っている場合は、情報を収集しながら状況を見極めるという方法もあります。
(※写真はイメージです)
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