近年、生活習慣の変化による子どもの低体温化が社会問題になっている。一方で親たちには「子どもは風の子」という意識が残っており、親子の防寒対策にギャップが生じていることが考えられる。そこで、ユニクロ「キッズ&ベビー」が、首都圏に住む小学校1~6年生の子供と母親300組を対象に、親子の防寒対策に対する意識と、子どもの生活習慣と体温の関係などに関する「冬の防寒対策に関する意識調査」を実施した。
子どもの低体温化についても調査された。保育現場で問題になっている“登園しても遊ばずにじっとしている子ども”や“集中力に欠けて落ち着きのない子ども”の増加という問題を解明するため、子どもの体温について調査してきた早稲田大学人間科学学術院教授の前橋明先生によれば、36度未満の低体温の子どもは増えており、体温調節のうまくできていない子どもの存在が懸念されているという。
今回の調査でも平熱が36度台を下回る「低体温児」が14.3%いることが分かった。また、「1日のうちで寒いと思う時はどんな時ですか」という質問に対して、子どもたちは「朝起きた時」83.7%、「登校する時」61.3%答えており、目覚めた後、身体が動き始める時間帯に特に寒さを感じていることがうかがえる結果になった。
前橋先生は低体温の子どもの増加した一因は夜型生活の増加にあると指摘している。そこで起床・就寝時刻についても調査された。結果は、就寝時刻が22時以降という夜型生活をしている子供が平日で21.3%、休日は33.3%いることが分かった。
子どもが寒いと言ったときの対策方法についての調査では、母親は「衣類を重ね着させる」62.0%、「暖房をつける」57.7%、「マフラーや手袋などを使う」57.3%と厚着をさせる傾向があることが分かった。
暖房のある学校にいる時でも寒さを感じやすい“寒がりキッズ”と寒さをあまり感じていない“暑がりキッズ”で寒さを感じた時の対応の違いを比較すると、寒がりキッズの方が18.3%も多く厚着をしている結果になった。
寒がりキッズは「外に出ない」割合も13.2%多く、寒いと厚着をして活動的でなくなる傾向がみられた。また、寒がりキッズも暑がりキッズも厚着をすると「動きづらくて、運動しづらい」と半数以上が感じていることが分かった。寒がりキッズの多くは、寒いから厚着をするが、厚着をすると動きづらくなり運動しない、運動しないから体温が上がらず寒いという「寒がりスパイラル」に陥っている可能性がある。
前田先生は、「日中の運動経験が自律神経の働き(体温調節機能)を鍛えるので、体温をあげるためには外あそびが重要です」と啓発している。運動を妨げないように厚着を避けて伸縮性や通気性のある衣服を着用させること、寒い朝の活動を促すために薄着でも暖かさをサポートしてくれて速乾性もある高機能下着を活用することも、対策の一つとして考えられる。
■調査概要
<定量調査>
□表題:冬の防寒対策に関する意識調査
□調査主体:株式会社ユニクロ
□調査実施機関:株式会社マクロミル
□調査方法:アンケート調査(インターネット調査による)
□調査期間:2016年11月26日~2016年11月27日
□調査対象:小学生のお子さんとそのお母さん300組
<定性調査>
□表題:冬の防寒対策に関する意識調査
□調査主体:株式会社ユニクロ
□協力園:久我山幼稚園
□調査方法:グループインタビュー
□調査期間:2016年11月29日
□調査対象:5歳児(年長)~8歳児(小学校3年生) 計13名
ニュース参照元:PR TIMES
(最終更新日:2019.10.05)