名前・性別 | Hさん 男性 |
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年代(購入時) | 40代後半 |
職業・業種 | サービス業・現場警備 |
雇用形態・年収 | 正社員・400万円台 |
家族構成 | 夫婦+子ども1人 |
勤務地・通勤時間 | 東京都中央区・70分 |
社会人歴・転職回数 | 32年・3回 |
勤務先の社歴(ローン実行時) | 11年 |
物件所在地 | 東京都練馬区 |
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アクセス | 西武池袋線/石神井公園駅 8分 |
物件種別・間取り | 新築マンション・3LDK |
購入価格 頭金 |
4,590万円 1,890万円 |
住宅ローン | 全期間固定金利型(【フラット35】) |
住宅ローン 返済額 返済期間 |
月8万円(ボーナス払いなし) 20年 |
引越し前の所在地 | 東京都練馬区 |
購入前の家賃・間取り | 10万円 3LDK |
都民住宅に暮らしながら自己資金を貯めてきたHさん。家賃が値上がりを続ける現状に限界を感じ、新居を購入しました。住宅ローンの借り換え、新居の住み心地や、新居を購入する時の心得などを伺いました。
都民住宅の家賃値上げで、新居の購入を決断
現在の住まいを購入する前は、都民住宅に住んでいました。平成10年代に建てられたマンションで、当時はまだ新しく、若干駅から遠いことと買い物が多少不便なくらいで、特に大きな不満はありませんでしたが、問題は家賃でした。
支払っていた家賃は10万円ほどでしたが、実は毎年3,000円ほど家賃が上がっていくシステムだったのです。毎年上がり続けるとはいっても、家賃の上限額は決められており、上限に達すれば家賃の上昇は止まるのですが、家賃として支払うのであれば今の額が限界だろうということで購入を決意し、物件を探し始めました。家賃が上がらなければ、しばらくここでもいいくらいには思っていました。
妻の実家の近くにエリアを絞り、物件見学を始める
前に住んでいた都民住宅が妻の実家から近かったため、新居も実家から近い所で探すことを決め、エリアを絞って物件を探しました。不動産屋さんには行かず、ポストに入っていたチラシだけを見て販売相談所やモデルルームに見学に行きました。物件を購入した11年頃はマンションのミニバブルみたいなもので、マンションのチラシ広告が頻繁にポストに入っていたのです。
探し始めてしばらくすると、実家からほど近いところに3軒の新しいマンションが建つことがわかり、その3軒に絞って比較検討を試みました。モデルルームの見学にも行きましたが、正直、モデルルームは食品のサンプルみたいなもので、家具の配置などを見ても、誰もが好印象を持つように作ってあります。ですから、これを鵜呑みにしてはいけないという思いを持ちながら、実際に暮らすとなるとどんな感じかなとイメージを膨らましつつ見ていました。
価格面で割高も実家に一番近い物件の購入を決断
3つのマンションを比較検討した結果、この物件の購入を決断しました。決め手は、候補の中で妻の実家に一番近いところにあったことと、周囲も静かな住宅街であったことです。実は、検討した3軒の中では一番価格が高かったのですが、妻の両親からもここに住んでほしいと言われたので決めました。他の2軒は、線路から近くて騒音が気になりそうだったことや、駅からの距離がある上に坂が多くて毎日の通勤をするには厳しかったということも、この物件を選んだ理由です。
購入価格は、4,590万円。売り出し価格は4,700万円だったのですが、交渉の末、110万円の値下げに成功しました。とはいえ、妻の両親の希望もあり、他の物件にするという選択肢はなかったので、正直に言うと強気の交渉はできませんでした。
比較検討している際に少し心配だったのは、他の2軒を施工したのは大手ゼネコンで、この物件を施工した業者は、それに比べると知名度的には劣るという点です。ただ、今となっては、社会問題にまでなった傾斜マンションなど、大手ゼネコンが施工した建物の中にも欠陥住宅があることが明らかになっているので、知名度だけで心配するのは杞憂だったと思っています。
コツコツ貯めてきた頭金で返済計画もスムーズに
ある程度の年齢になってからの住宅購入だったので、その分、コツコツ貯めてきた貯蓄があり、頭金として1,890万円を用意しました。マンションの販売会社にも、「これだけの頭金があれば、大丈夫だと思いますよ」と言われましたが、頭金を入れたことで今後の返済の見通しも立っていましたので、返済に関して不安はありませんでした。
頭金を入れた残りの額は、全期間固定金利型で1,700万円、変動金利型で1,000万円の二本で借り入れをしました。
借り入れ時は、固定金利が2.72%だったのですが、金利が大きく下がっていることをニュースで知り、借り換えを決断しました。借り換えた金額は住宅ローンの残高だった約1,800万円、借入期間は20年間で【フラット35】1本にまとめました。借入金利は0.96%まで下がり、毎月の返済額は8万円ほどです。
借り換えに当たっては、ネット銀行など、いくつかの金融機関に申し込みをしましたが、年齢がネックになって断られてしまったところもあります。アルヒ社さんでは審査を通していただけたので、これもご縁とアルヒ社さんで融資していただくことに決めたのです。
ちなみに、【フラット35】を申し込んだのはアルヒ社さんだけです。他の金融機関で【フラット35】を申し込むことも検討したのですが、ネットで口コミなどを調べると、あんまり評判がよくないようでしたので、アルヒさんで申し込むことに決めました。
新居へ入居するも大きな誤算が…
今のマンションに住み始めて10年以上経ちますが、住み心地には満足しています。ただ、入居する時に一つの大きな誤算がありました。
以前住んでいた都民住宅では、和室にベッドを2台置いて使っていました。いまの住まいにも、同じ大きさの和室があったので、その2台のベッドを置こうとしたのですが、部屋に入りきらないのです。
その理由は、畳のサイズの違いです。同じ畳数でも畳のサイズが都民住宅よりも小さかったため、部屋が小さかったのです。そこで急遽、部屋割りのプランを変更しなければなりませんでした。ベッドは洋室に入ったからよかったのですが、これで入らなかったどうなっていたことか…、思い出すと冷や汗が出ます。
これからマンションを買われる場合、同じ3LDKの間取りでも一部屋の広さはどのくらいあるかということまで気にされた方がいいのではないかと思います。細かいですが、私のようなトラブルを回避するためにも、畳のサイズまでしっかりと確認するのも大事だと思います。新築マンションの場合は、物件が完成する前に売買契約を結ぶ場合がほとんどなので現物を見てからというのは難しいですが、間取り図や設計図をしっかり確認することをおすすめします。
さらに言えば、実際にマンションを買う際に価格や部屋の広さばかり頭に浮かぶので、日常生活のことはあまり考えなくなってしまう方も多いと思います。今の家は役所や保健所も徒歩5分圏内にあるので便利ですが、その施設が1つでもバスや電車を利用するとなると利便性に影響が出てくるので、新居を買われる方は日常生活のことを頭に入れて検討される方がいいのではないでしょうか。また、新築にこだわらずに築年数が浅い中古物件の現物を見て購入を検討するという方法もいいのではではないかと思います。
終の棲家の住み心地とマンションを購入する際の心得
キッチンは非常に開放的で気に入っています。お風呂場の水はけもいいですし、トラブルもありませんので、住み始めて10年以上経っていますが満足しています。妻は、特にお風呂が気に入っているようで、バスタブが広くなって入りやすくなったと喜んでいます。リビングも家族3人で住むには十分の広さです。住み心地はいいですし、自分の親がすぐ近くに住んでいるので、妻はここにずっと住むつもりだと言っています。
最後に、これからマンションの購入をお考えの方に、私の経験から感じたことをいくつか申し上げたいと思います。1つ目は理事会の役員などの順番についてです。大規模マンションでは1回役員をやったらそうそう順番が回ってくることはありませんが、小規模のマンションは何年かに1回のスパンで順番が回ってくるので、そういったことが煩わしいと思われる方は、大規模マンションを選ばれたほうがいいかもしれません。
2つ目は駐車場についてです。このマンションには機械式の駐車場が設置されており、各戸に1台ずつの駐車スペースが確保されています。それだけでなく、車を所有していない世帯でも、始めから管理費に駐車場代が含まれているのです。私は車を持っていないので、さすがにこのシステムは納得ができませんでした。もちろん、購入の際に販売会社から話は聞いていましたが、拒否したら購入できませんでしたので、泣く泣く条件を受け入れました。実際に入居した後で、管理規約を変更して、車を所有していない人の管理費が安くなるようにすることは論理的には可能ですが、実際には実現は不可能でしょう。難しい問題ですが、駐車場がどれくらいの戸数に行き渡るのか、管理費の負担はどのようになっているのか、購入を検討する際にしっかり確認しておいた方がいいでしょう。
(最終更新日:2019.10.05)