【神奈川県厚木市・注文住宅】森を臨む立地に、自分たちで建てる「ハーフビルド」の家づくりに挑戦したSさん

■プロフィール
名前・性別 Sさん 男性
年代(購入時) 30代後半
職業・業種 建設業・営業職
雇用形態・年収 正社員・400万円
家族構成 夫婦
勤務地・通勤時間 神奈川県厚木市・15分
社会人歴・転職回数 19年・2回
勤務先の社歴(ローン実行時) 3年
※インタビュー内容は奥様にお伺いしました。
■購入物件情報
物件所在地 神奈川県厚木市
アクセス 小田急小田原線/本厚木駅 自動車20~30分
物件種別・間取り 新築注文戸建・2LDK
購入価格
頭金
土地700万円+建物1,830万円
100万円
住宅ローン 全期間固定金利型(【フラット35】S)9割+変動金利(半年型)1割
住宅ローン 返済額
返済期間
月8万円(ボーナス払いなし)
35年
引越し前の所在地 神奈川県厚木市
購入前の家賃・間取り 6万円 3DK

リフォーム会社で現場監督を勤めるSさんは、限られた予算で自由な家づくりをするため、できるところは自分たちで建てる「ハーフビルド」というスタイルを選びました。Sさんが思い描いていた夢の空間をいかに実現したか、お話を伺いました。

周辺環境は良好ながら、湿気に悩まされた賃貸生活

転職を機に、小田急小田原線「本厚木」駅までバスで15分ほどのアパートへ引っ越しました。駐車場が家の前にあって便利でしたし、職場に近い立地。スーパーなどの買い物スポットも近い環境が気に入り、6年ほど暮らしました。築20年を超えていましたので、湿気が酷く、建物の状態としてはあまり良くなかったですね。

スケルトン階段は、インターネットで見つけて購入したもの。「おしゃれな階段を安価に購入できて良かったです。仕様と配置は、私が決め、夫がそれを業者さんに伝え施工してもらいました。階段は特に楽しみにしていたので、設置の際は夫婦で見守りました。」
スケルトン階段は、インターネットで見つけて購入したもの。「おしゃれな階段を安価に購入できて良かったです。仕様と配置は、私が決め、夫がそれを業者さんに伝え施工してもらいました。階段は特に楽しみにしていたので、設置の際は夫婦で見守りました」

インターネットで理想的な土地と出会う

マイホームを建てる予定は特になかったのですが、家賃を払い続けるよりはマイホームを購入した方がお得という考えはありました。そんな時、インターネットで偶然見つけた土地に強く惹かれたんです。草木に囲まれた立地で、広さの割にリーズナブルなところも魅力でした。森のような趣なのですが、登記簿を調べたところ個人の所有地でした。しかし、急な斜面ですから、これから建物が建つ心配はなさそうだと判断しました。

借景を最大限に楽しめるよう、森側に大きな窓と吹き抜けを設けた。合わせてシーリングファンも設置しているため、照明は壁付けのタイプを選択。「リビングには合計4つの壁付け照明がありますが、それぞれが100W相当なので、リビング全体を明るく照らせます」
借景を最大限に楽しめるよう、森側に大きな窓と吹き抜けを設けた。合わせてシーリングファンも設置しているため、照明は壁付けのタイプを選択。「リビングには合計4つの壁付け照明がありますが、それぞれが100W相当なので、リビング全体を明るく照らせます」

恵まれた眺望に惹かれ、半分は市街化調整区域という土地を購入

現地へ行ってみると、イメージ通りの素晴らしい眺望が広がっていました。「ここに家を建てたい」と強く思いましたね。その後、もう1軒だけリーズナブルな土地を見学してみたものの、全く心が動かされませんでした。
土地は850万円と安価ですが、二筆の土地で、片方が市街化調整区域となっていたため、そちらには建物が建てられず、また立地的に駐車場にすることも難しい地形だったため、なかなか売れずにいたようです。
先方から「100万円くらいなら値下げできる」とお話をいただきました。「あと50万円下げてくれませんか?」と問い合わせたところ、「確実に購入して貰えるなら」と応じていただける姿勢でした。結果、700万円で購入することができました。

玄関に立つと、長い廊下が現れる。「キッチン、洗面所、トイレに直行できる動線を作りつつ、廊下に面積を割くことで贅沢な空間にしました。廊下のダウンライトは壁に反射する光の角度を考えて、配置しました」
玄関に立つと、長い廊下が現れる。「キッチン、洗面所、トイレに直行できる動線を作りつつ、廊下に面積を割くことで贅沢な空間にしました。廊下のダウンライトは壁に反射する光の角度を考えて、配置しました」

何から何まで自分たちで手掛ける家づくり

はじめはハウスメーカーに施工を依頼しようと思い、インターネットで情報収集をしました。しかし、調べれば調べるほど「自由設計を謳っていても、ハウスメーカーの基準に沿った家しか作れないのではないか?」と感じました。その割に、金額は高めです。
夫は、リフォーム会社で現場監督の仕事に就いています。普段新築は手掛けていませんが、自分たちで建てればコストを抑え、より好みの住まいを建てられるのではないかと思いました。勤務先から許可をいただき、「ハーフビルド」での家づくりが始まりました。

リビングは、一面だけ壁の色を変えて空間のアクセントにしている。「一ヶ所だけ壁紙を変えたら面白いかなと思い、床の色や梁の色を考えて、ソファの背面だけ落ち着いた色合いのクロスを張りました。ソファやキッチンはグリーンで揃え、統一感をはかっています」
リビングは、一面だけ壁の色を変えて空間のアクセントにしている。「一ヶ所だけ壁紙を変えたら面白いかなと思い、床の色や梁の色を考えて、ソファの背面だけ落ち着いた色合いのクロスを張りました。ソファやキッチンはグリーンで揃え、統一感をはかっています」

ゼロから間取りをプランニングして夢を形に

まずは、住宅ローンを組めなければ何も始まりません。土地の購入を控えていますので、つなぎ融資ができる金融機関を探し、アルヒ株式会社に相談。借りられる目処が立ったところで、土地を契約しました。
この頃には図面を仕上げつつありました。吹き抜けや2階のオープンスペース、広い寝室など具体的なビジョンがありましたので、私がフリーソフトを使って理想の間取りを作成。それを元に、リフォーム会社の設計担当者が形にしてくれました。つなぎ融資で土地を購入後、建築確認申請を出して、基礎工事が始まりました。

2階吹き抜けのオープンスペース。「友達とお茶をしたり、また何か時間のかかる作業、例えばミシンなど作業をする時のスペースにしています」
2階吹き抜けのオープンスペース。「友達とお茶をしたり、また何か時間のかかる作業、例えばミシンなど作業をする時のスペースにしています」

細かな仕様ひとつに至るまでこだわった住まい

工事が始まってからは、コンセントの位置や壁紙、照明の種類など細かな仕様を考えるのに苦労しました。暮らす前から、どの位置に何があったらいいのか想像することが予想以上に苦労しました。
メーカー各社が出している間接照明カタログを参考に、ライトとライトの配置する間隔に至るまで自分たちで考えました。
実際に暮らしてみて、ほぼ思い通りの仕上がりですが「玄関で靴を履いて出ようとする時、スイッチが遠くて押しずらいな」など、ちょっとした失敗はあります(笑)

夫人の最近の趣味は楽器演奏。「前居では楽器を置くだけで窮屈になってしまいましたが、今ではのびのびと、気兼ねなく演奏できます。また、階段下にあるのは、ペットのモルモットのケージです。モルちゃんも庭の新鮮な草を毎日食べられるようになり、嬉しそうです。」
夫人の最近の趣味は楽器演奏。「前居では楽器を置くだけで窮屈になってしまいましたが、今ではのびのびと、気兼ねなく演奏できます。また、階段下にあるのは、ペットのモルモットのケージです。モルちゃんも庭の新鮮な草を毎日食べられるようになり、嬉しそうです」
「ペットのモルモット  名前 GP(ジーピー)4歳 オス」
「ペットのモルモット 名前 GP(ジーピー)4歳 オス」

断熱性能に対する並々ならぬ想い

私は北海道育ちなので、寒さ対策が万全の環境で暮らしてきました。新居でも快適に暮らせるように、断熱材を十分な厚さになるまで吹き付けました。現場の方には「ここまで吹き付けるのは見たことがない」と言われてしまったのですが、私たちからすれば「どうしてこちらの人達は寒さに耐えられるの?」と思ってしまいます(笑)。こだわったおかげで、暖房にしても冷房にしても、熱効率がよく、とても快適に過ごせています。

6畳のスペースを広々と使えるキッチンは、自動洗浄機能付きの換気扇を取り入れるなど、使い勝手を重視している。「ショールームに足を運び、高さなどを確認して選びました。モノトーンの床材は、海外のキッチンをイメージして敷設しました」
6畳のスペースを広々と使えるキッチンは、自動洗浄機能付きの換気扇を取り入れるなど、使い勝手を重視している。「ショールームに足を運び、高さなどを確認して選びました。モノトーンの床材は、海外のキッチンをイメージして敷設しました」

苦労して完成させたマイホームは、愛着もひとしお。リビングダイニングだけで21畳を超える広さがあり、吹き抜けの開放感も心地よいですね。今までと比べ、気持ちにゆとりをもって暮らせるようになりました。
夕方から庭先でバーベキューをしたり、ビールを飲んだり、斜面を畑にしていろいろな野菜や花を育てたり、戸建て生活を満喫しています。最近は少しずつ石畳を作っているところ。まだ完成途上ですが、年内の完成を目標に頑張っています。植樹も行い、いずれは大きく茂って欲しいなと思っています。

リビングも玄関も、道路側ではなく森側に配置。眺望を楽しめるよう工夫している。「道路から玄関まで少し遠回りですが、アプローチをガーデニングで華やかにすることで、毎日通ることが楽しみになるような空間を目指しました」
リビングも玄関も、道路側ではなく森側に配置。眺望を楽しめるよう工夫している。「道路から玄関まで少し遠回りですが、アプローチをガーデニングで華やかにすることで、毎日通ることが楽しみになるような空間を目指しました」
(最終更新日:2019.10.05)
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