昨今SNS上でも話題となっている「エアコンをつけっぱなしにするのとこまめに入り切りするのでは、どちらが電気代が安くなるの?」をテーマにダイキン工業が検証を行いました。同社は空気のプロとして、空気にまつわる課題や悩みごとや素朴な疑問を検証する『ダイキン 空気のお悩み調査隊』の活動を2011年6月から継続しています。
実験前アンケートでは、「つけっぱなし派」が優勢
検証実験前に実施された、夏場のエアコン利用に関する生活者アンケートでは、約7割の人が「つけっぱなしの方が電気代が安い」と回答。しかし、実際に外出時にエアコンをつけっぱなしにしている人は約5割にとどまり、本当につけっぱなしの方が安いのか疑問を持っている人が多いことが分かっていました。
そこで、ダイキン工業は大阪市内のほぼ同じ条件のマンション2部屋を使って実際にエアコンを「つけっぱなし」「こまめに入り切り」で運転する実験を行いました。
まずは9:00から23:00まで「つけっぱなし」にしたエアコンと、30分間隔でON/OFFを繰り返したエアコンの消費電力量を比較し、どの時間帯であれば30分間エアコンを切るよりも「つけっぱなし」にする方が安くなるかを検証。次に9:00から23:00まで「つけっぱなし」にしたエアコンと、1日の生活スケジュールを想定して11:00~12:00の買い物の時間、18:00~20:00の外食などの時間に運転をOFFにしたエアコンの消費電力量を比較しています。
実験結果:入り切りの基準は30分がポイント
実験の結果、日中9:00~18:00までの時間帯は、30分間であれば、エアコンを切らずに「つけっぱなし」にする方が電気代が安くなりました。しかし、1日の生活スケジュールを想定した比較では、「つけっぱなし」の方が外出時に運転をOFFにするより1日の消費電力の合計が大きくなることもわかりました(1日の電気代差は約35円)。
つまり、30分程度の外出であれば、エアコンを切るよりも「つけっぱなし」にする方が電気代は安くなるが、外出時間が長くなると、エアコンの運転をOFFにした方が消費電力量は小さくなると推察されます。
また、外出時に「つけっぱなし」した部屋と「こまめに入り切り」した部屋の温度と湿度を比べると、「こまめに入り切り」した部屋は外出中に温度・湿度がともに上がってしまうため、帰宅時の快適性に大きな差があることが分かりました。
熱中症が気になる夏場は、今回の実験結果を参考に、電気代や快適性を考慮して、日中の短時間の外出であればエアコンを「つけっぱなし」にしてみるなど、「つけっぱなし」と「こまめに入り切り」を上手に使い分けする必要がありそうです。
(最終更新日:2019.10.21)