日経平均と住宅価格は連動するの? 株価が上がると住宅価格も上がる?

日経平均株価がバブル後の最高値を更新し、ついに4万円の大台が見えてきました。日経平均株価が上昇すると、遅れて住宅価格も連動して上昇するという話を聞いたことがありますが、それは本当なのでしょうか? また、もしその説が本当なのだとしたら、なぜ株価が上がると住宅価格も上昇するのでしょうか? このような疑問に経済アナリストが回答します。

日経平均株価が上昇すると住宅価格も上昇するのは本当か?

2024年に入り、日本の株式市場が非常に好調です。日経平均株価はバブル後の最高値を更新し、ついに4万円の大台が見えてきました。今年は新NISAが始まったこともあり、日本では投資熱が高まっています。投資というと株式投資や投資信託を利用したつみたて投資が思い浮かびますが、実は投資対象は幅広く存在しています。ある程度の資産がある方は、不動産までもが投資対象になります。

そんな投資の世界において、「日経平均株価が上昇すると、遅れて住宅価格も連動して上昇する」という言説を耳にすることがあります。仮にその説が本当なのであれば、むしろこれから不動産価格も同様に急騰するということになるのでしょうか。

まずはその説が本当なのか、実際のデータを確認したいと思います。下図は日経平均株価と不動産価格指数(マンション)の推移について、2009年1月を100として指数化した月次データの推移になります。

日経平均株価と不動産価格指数

たしかに、この図を見ると、横ばいだった日経平均株価が上昇に転じると少し遅れて住宅価格指数も上昇をはじめ、その後は両指数が右肩上がりの動きとなっていることは確認できます。それでは、なぜ2つの指数は同様の動きをするのでしょうか。いくつか仮説を立ててみましょう。

資産効果とリスク選好

仮説はいくつも立てることができると考えますが、その1つに資産効果とリスク選好が挙げられると思います。資産効果というのは、株や不動産などの資産価格が上昇したことによって、消費が活性化する現象を指します。簡単に言えば、株価や不動産価格が上昇して儲かったから、いっぱい買い物してしまおうという話ですね。この説明だと、儲かったから買い物をするという行動パターンだけを指してしまっていますが、「投資で儲かったから消費をする」という行動パターン以外にも、「投資で儲かったからさらに投資をする」という行動パターンも存在します。

このパターンに基づくと、「株価が上昇して儲かったから、不動産投資もしようかな」という順序で投資行動が促されれば、株価が上昇してから不動産価格が上昇するというタイムラグが理解できますね。

株価が上昇する局面では、多くの投資家が強気になっていきます。その結果、リスク選好度が高まることで、不動産にも投資をしたり、投資額を増やす可能性も考えられます。

実際には、株式投資をしている投資家と不動産に投資をしている投資家は必ずしも一致していないため、上記の内容はあくまで「こういう理由が考えられますね」、という仮説にすぎないことには注意してください。

買っているのは外国人? 円安がその理由?

日本の株式や不動産の買い手としては、外国人の存在が大きいことも理由として考えられるでしょう。グローバルに多額の資金を運用する場合、当然ながらリスクを低減させるために分散投資します。世界中に分散投資をするわけですが、全ての国を1つずつ細かく分析するというよりは、まず地域ごとに分散する金額を考えます。アジア地域に投資をするとなれば、経済規模では最大の中国や次点の日本がまずは候補に挙がる訳ですが、最近は中国の経済環境が良くないことから、日本に外国からの投資資金が集まりやすい環境になりつつあります。

外国の投資家が日本の株や不動産に投資をする場合、外貨を円に変える必要があります。そうなると、円安が進めば外国人投資家には日本の資産は割安に見えますから、日本の資産は外国人投資家によって買い進められる可能性が高くなります。また、円安になれば日本の輸出企業には追い風になるため、特に上場企業の中でも大型でグローバル展開している企業の株価にはプラス材料となります。

なぜ住宅価格が遅れて上昇するの?

さて、ここまでに資産効果や円安などいくつかの仮説を挙げてきました。しかし、どの仮説も株価と不動産価格が上昇する仮説であり、株価が先行する理由については明確な説明が出来ていないような気がします。そこで、株価が先行し、不動産価格が追いかけるかたちになる理由についても仮説を考えましょう。そのヒントは先程のグラフに隠れていると思います。

先程のグラフを見ると、両指数ともに右肩上がりではあるものの、株価は変動が大きく、不動産価格は変動が小さいように見えます。この理由は流動性の違いにあります。株の場合はスマホを開いてボタン1つで売買が終わりますが、不動産はそういうわけにはいきません。不動産を売却して現金化しようとしても、実際に現金化できるまでには時間がかかります。

この流動性の違いが結果として、両指数の変動幅の違いだけでなく、上昇や下落をするときのタイミングの違いをもたらしているのでしょう。

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