変動金利はどうやって決まる? 金利を左右する短期プライムレートを知る!

変動金利は、短期プライムレートを参考にして決まっています。また、借り入れする金融機関や住宅ローンの商品によっても、変動金利の利率は変わるので注意が必要です。

本記事では変動金利の指標となる短期プライムレートの解説や、変動金利のリスク対策などについて解説していきます。

変動金利を決める短期プライムレートを知る

変動金利は経済状況を示す基準の1つである短期プライムレートが大きく関係しています。

ここでは、短期プライムレートの概要を解説しながら、短期プライムレートに関与している日銀の政策金利についても紹介します。

変動金利がどのように決まるのかを分かりやすく解説するので、ぜひ参考にしてください。

短期プライムレートとは
短期プライムレートとは、銀行が「優良企業」と判断した企業に対して、最優遇金利で貸し出した一年未満の金利です。

短期プライムレートの金利は各銀行が独自で判断しますが、金利を決める際には金融機関の資金調達コストや国の経済状況などの市場金利を参考にして決定します。

短期プライムレートで決定された金利は、変動金利を決める際の指標となり、次に紹介するローンにも影響してくるのです。

● 住宅ローン(変動金利商品)
● 自動車ローン
● カードローン
● 教育ローン etc

また、短期プライムレートの金利を決定するときに参考にする市場金利は、日本銀行の政策金利が大きく関与しています。

変動金利から短期プライムレートの大元となる政策金利については、次の項目で解説するので併せてご覧ください。

日銀の政策金利が関与
変動金利の指標となる短期プライムレートは、日本銀行が設定する政策金利とほぼ連動して金利が決められています。

変動金利が決定するまでのステップは、次のとおりです。

1. 日銀が政策金利を発表
2. 日銀の政策金利を元に金融機関が市場金利を決定
3. 金融機関の市場金利を参考に各銀行が短期プライムレートの金利を決定
4. 短期プライムレートを指標とする変動金利の利率が決定

上記の流れで短期プライムレートや変動金利の利率は決められているため、日銀の政策金利は重要になるのです。

変動金利で住宅ローンを借りる方や、すでに組んでいる方は、日銀の政策金利の発表を抑えることで、金利の動きが予想しやすくなるでしょう。

変動金利の利率は銀行によって異なる
変動金利の利率は短期プライムレートを参考にしながら、最終的な利率は銀行が決定します。

変動金利の住宅ローンを組む際は、各銀行の利率を比較して金利が低い銀行を選びましょう。

借入額が同じでも利率によって返済総額の負担は変わるので、金利が低い銀行選びが重要です。

金利比較サイトを参考にすれば低金利の銀行が見つけられるので、変動金利の住宅ローンを検討している方は確認してみましょう。

変動金利に設けられた2つのルール

変動金利の住宅ローンには、急激な金利上昇や返済の増額が抑えられる2つのルールが設けられています。

ここでは、変動金利の住宅ローンで使える5年ルール・125%ルールを紹介していきます。

また、5年ルール・125%ルールが使えない変動金利の住宅ローンがあることについても解説するので、併せて参考にしてください。

急激な金利上昇を防ぐ5年ルール
変動金利の5年ルールとは、金利が上昇しても5年間の住宅ローンの返済額は変動しないルールです。

金利が急上昇しても5年間の返済額は変わらないので、返済できないリスクが減らせます。

変動金利は半年に1回のペースで見直されるので、借り入れ当初よりも金利が上昇する可能性があります。

そのため金利の急上昇により返済できない事態を防ぐ仕組みとして、変動金利には5年ルールが用意されているのです。

変動金利で住宅ローンを組んだケースでも、5年間は返済額が変わらないので焦らずに返済プランが立て直せるでしょう。

返済の増額を回避する125%ルール
変動金利の125%ルールとは、金利が急上昇しても住宅ローン返済額が1.25倍までに、抑えられるルールです。

たとえば、毎月の返済額を12万円とした場合、金利が上昇したとき125%ルールを適用すれば最大15万円の返済額となります。

変動金利は通常、金利の上げ下げの影響をそのまま受けますが、125%ルールを持つ住宅ローンでは返済額の増額を一定にすることが可能です。

変動金利の住宅ローンは固定金利よりも低い利率で借りられながら、金利上昇のリスクが抑えられるルールが設けられています。

元金均等返済方式の住宅ローンは該当しない
変動金利の住宅ローンでも5年ルール・125%ルールが適用されないケースがあります。

5年ルール・125%ルールが適用されないケースは、次のとおりです。

● 元金均等返済方式の住宅ローン
● 5年ルール・125%ルールを持たない住宅ローンの商品

変動金利の住宅ローンでも「元金均等返済方式」を選択すると、5年ルール・125%ルールは適用されません。

また「元利均等返済方式」を選んでも、住宅ローンの商品によっては5年ルール・125%ルールを持たないタイプがあるので、気を付けて選ぶ必要があります。

変動金利で住宅ローンを組む際は、5年ルール・125%ルールが適用される商品を選んで、金利のリスク対策をしましょう。

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変動金利のリスク対策

ここでは、変動金利の住宅ローンのリスク対策について紹介していきます。

変動金利を検討する場合は、年収やライフスタイルに合った適切な借入額を知ることなどが重要です。すでに住宅ローンを組んでいる方では、繰り上げ返済したり貯金したりすることでも、リスク対策ができます。

また、変動金利がどうやって決まるのかについて理解できると、リスク対策のプランが立てやすくなるでしょう。

適切な借入額を知る
変動金利で住宅ローンを組む際は、自分の年収や家計簿を基に適切な借入額を知ることが大切です。

変動金利は固定金利に比べ金利が低い傾向にありますが、上昇する可能性が常にあります。

余裕を持たせた借入額にすれば、金利が上昇しても焦ることなく対応できるでしょう。

また、変動金利の返済総額がどうやって決まるのかは、住宅保証機構株式会社の返済額シミュレーターを利用すればイメージしやすくなるので、試してみてください。
参考:住宅保証機構株式会社

繰上げ返済で元金を減らす
変動金利の住宅ローンでは、繰り上げ返済して元金を減らせば金利にかかる対象額が小さくなるので、返済総額の軽減が期待できます。

資金に余力があるなら元金を減らすことで、金利上昇の備えにもなります。

たとえば、住宅ローンの残高を3,500万円とした場合、繰上げ返済をして3,000万円に減らせば、金利の対象額が新たに3,000万円になるので、毎月の返済額を小さくすることが可能です。

また、住宅ローン控除を使用する場合は最低10年以上の借り入れが条件になるので、繰上げ返済する際はタイミングを検討しましょう。

貯金で備えておく
変動金利のリスク対策は、貯金で備えておく方法も有効です。

余剰資金を貯めておけば住宅ローンの金利が上昇しても、焦らず返済に充てられます。

変動金利が低い間に貯蓄ができるような家計管理が理想となるでしょう。

また、変動金利はどうやって決まるのかを理解しておけば、自分でも金利の予想が立てやすくなります。

まとめ

変動金利は短期プライムレートを参考にして銀行が決定します。

変動金利の利率は銀行によっても異なるので、比較して金利が低い銀行を選べば、住宅ローンの返済総額を抑えることが可能です。

また、短期プライムレートは日銀の政策金利とほぼ同じ動きをしながら変動しています。

変動金利の住宅ローンを検討する方は、変動金利の利率が決まる仕組みを理解すれば、金利の動きが予想できリスク対策のプランが立てやすくなるでしょう。

 

(最終更新日:2024.04.19)
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