住宅ローンの返済を遅延するとどうなる? 遅延損害金が発生する点に注意!

住宅ローンの返済が遅れると遅延損害金が発生するため、なるべく早く返済しなければなりません。毎月の返済日が近づいたら設定している口座の残高を確認し、返済の遅延が起きないよう配慮しましょう。今回は、住宅ローンの返済が遅れると具体的にどうなるのか解説します。返済が遅れた場合の対処法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

住宅ローンの返済に遅延してしまう原因

住宅ローンの返済に遅延してしまう原因としては、収入源や残高不足があげられます。誰にでも起こる可能性があるため、注意しましょう。ここでは、収入源や残高不足といった原因の特徴について解説します。

収入減
想定していない収入減が発生すれば、住宅ローンの返済が遅れる可能性があります。「おうち売却の達人」が行ったインターネット調査の結果によれば、住宅ローンの返済が遅れた原因として最も多いのは収入減です。この調査では、住宅ローンの利用経験がある30歳以上70歳未満の全国の男女が対象となっています。最も多い36.0%の人が「収入減」を住宅ローンの返済が遅延した原因としてあげました。

収入減の原因は、人によってさまざまです。たとえば、勤務先の経営状況の悪化でボーナスが減ったり、働き方改革の影響で残業代が減ったりした結果、当初定めた金額の返済が一時的に難しくなるケースがあります。また、退職やリストラ、勤務先の倒産などが発生すると、長期的な収入減に陥って返済が滞る可能性が高くなるでしょう。

残高不足
「おうち売却の達人」が行ったインターネット調査で、住宅ローンの返済の遅延の原因について「収入減」の次に多かったのは、23.0%の「(残高不足などの)うっかりミス」です。住宅ローンの返済のために設定している口座の残高を確認しておらず、引き落とし日に残高が不足して返済できないケースが当てはまります。この場合、たとえ他の口座に十分な資金があっても返済が遅延します。

残高不足による返済の遅延は単なるミスであるため、気がついた時点でなるべく早く対応をすべきです。対応が済んだら、ミスを繰り返さないために対策を検討する必要があります。

出典:住宅ローンの支払い延滞 1割が経験 半数以上が原因は「収入減」 「任意売却と競売の違い」をおうち売却の達人がわかりやすく解説! | 株式会社南勝のプレスリリース

住宅ローンの返済に遅延するとどうなる?

住宅ローンの返済が遅れると、どうなるのでしょうか。返済が遅延したまま放置すれば取り返しのつかない事態に陥る恐れがあるため、注意が必要です。ここでは、住宅ローンの返済に遅延するとどうなるかを解説します。

遅延損害金が発生する
住宅ローンの返済が遅れた場合、返済日の翌日から遅延損害金が発生します。遅延損害金とは、返済の遅れに対する損害賠償として毎月の返済額に加算されて請求されるお金のことです。遅延損害金は、元金に対して年14.0%程度が日割り計算されて加算されます。遅延した日数が増えるほど遅延損害金の額も高くなっていくため、注意が必要です。遅延が生じたら、可能な限り早く返済するよう努めましょう。

ブラックリストに登録される
返済が遅延している期間が長くなったり、何度も遅延を繰り返したりしていると、信用情報機関のブラックリストに登録されます。返済が遅延してからブラックリストに登録されるまでの期間は、2〜3ヶ月だと言われています。明確な期間が定められているわけではないため、ブラックリストへの登録を回避するには早めの返済が重要です。

一括返済を求められる
住宅ローンの返済の遅延が続いて6ヶ月以上が経過すると、住宅ローンの期限の利益が喪失します。期限の利益とは、分割で返済する権利です。期限の利益が喪失すれば、残りの住宅ローンについて一括返済しなければならなくなります。

しかし、返済が滞っている状態では、当然ながら一括返済は困難です。そのため、6ヶ月が経過する前に遅延している分を返済しなければなりません。

競売にかけられる
期限の利益を喪失したことにより一括返済を求められて対応できない場合は、任意売却または競売に移ります。競売とは、住宅ローンの債権を回収するため、金融機関が裁判所に申し立てて住宅を強制的に売却する手続きです。一般的には、競売にかけられる前に任意売却したほうが高く売れる可能性があります。競売を回避するためには、早めの対応が必要です。

住宅ローンを遅延したときの対処法

住宅ローンの返済が遅れてしまったときは、どうすればよいのでしょうか。すぐに返済できない場合は、相談や手続きが必要です。ここでは、具体的な対処法を解説します。

まずは金融機関に連絡をする
返済の遅延を自覚した時点で、住宅ローンを契約している金融機関へ連絡しましょう。ミスにより口座残高が不足しているせいで引き落としができなかった場合は、金融機関に入金方法を確認し、可能な限り早く入金してください。

同様のミスをしないようにするには、何らかの対策が必要です。たとえば、毎月の引き落としに合わせて口座に入金している場合、忙しくて入金を忘れる恐れがあります。あらかじめ多めに入金しておき、万が一入金を忘れても返済が滞らないようにしましょう。自動的に入金できるサービスをうまく活用するのもおすすめです。

すぐに入金できない場合は相談する
収入減や一時的な出費の増加によりすぐに返済できない場合は、金融機関の担当者に連絡して相談しましょう。状況によっては、借入期間の延長や元金返済措置などの対応を提案してもらえる可能性があります。ただし、どのような対応が可能かは金融機関によって異なります。

また、可能な限り早く返済の遅延を解消できるよう、対策を練ることが大切です。副業で収入を増やしたり、家計の収支を見直したりするのも一つの方法です。入金が遅延している原因を把握し、その原因を解消するための対策を積極的に実践していく必要があります。

遅延が続く場合は任意売却を検討する
住宅ローンの返済遅延が長引く可能性が高いなら、信用情報機関のブラックリストに登録される前に住宅の売却を検討しましょう。

たとえば、該当する住宅が住宅ローンの残高よりも高く売れれば、売却して得られた資金で住宅ローンを完済できるだけでなく、新たに住宅ローンを組んで他の物件を購入できます。無理なく返済できる範囲で住宅ローンを組み直すことが可能です。また、状況によっては住み替えローンを利用し、負担を抑えられる物件に住み替える方法もあります。

遅延を解消する方法はさまざまであるため、早い段階で検討して最適な手段を選択しましょう。

まとめ

住宅ローンの返済が遅延したら、なるべく早めに対処する必要があります。まずは金融機関へ連絡をし、可能であればすぐに返済しましょう。返済の遅延が長期化する可能性が高いなら、担当者に相談して対応を検討してもらってください。

どうしても遅延を解消できそうになければ、住宅の売却が有力な選択肢になります。いずれにせよ、早めの対応が重要です。住宅ローンの遅延が発生したら、後回しにせずすぐに対応しましょう。

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