さまざまな金融機関が住宅ローン商品を出しており、どの住宅ローンを利用するか迷う人も多いのではないでしょうか。一つに絞ると審査に落ちてしまうときに困るので、複数申し込んでおきたいと考える人もいるでしょう。
複数の住宅ローンに申し込むことは、可能なのでしょうか。この記事では、住宅ローンの複数申し込みについて解説します。
住宅ローンは複数申し込める
結論からいうと、住宅ローンは複数の金融機関に申し込みが可能です。具体的な理由などについて解説します。
複数申し込みは手続き上問題がない
住宅ローンを複数の金融機関に申し込んでも、手続き上問題ありません。金融機関は住宅ローン申し込みの掛け持ち禁止を特に掲げておらず、事前審査・本審査ともに複数申し込みが可能です。
住宅ローンの審査を通過しても融資を受ける権利が得られるだけなので、すぐに融資が実行されるわけではありません。「金銭消費貸借契約」と呼ばれる正式な住宅ローン契約に進むことで、融資への準備がはじまります。
そのため、複数の住宅ローン審査に通り、1社を残してその先の手続きをキャンセルしても、特に問題は起こらないでしょう。
借り換えも複数申し込み可能
住宅ローンの借り換えでも複数の申し込みができます。審査が先に行われるため、契約が重複してしまうこともないでしょう。
借り換えとは、ローンの契約先をより金利の安い金融機関に替えることです。借り換え先の金融機関が現行のローンを全額立て替え、借り手はその金融機関に立て替え金を分割返済します。
1社のみに借り換えを申し込んでいると、審査に落ちたときに借り換えが実行できません。確実に借り換えるために、複数の金融機関に申し込むことは十分ありえます。
複数申し込みのメリット
住宅ローンに複数申し込むと、どのようなメリットがあるのでしょうか。次から詳しく見ていきましょう。
審査に落ちるリスクを減らせる
複数の住宅ローンに並行して申し込むことで、審査に落ちて融資が受けられないリスクを減らせます。住宅ローンの審査基準は金融機関ごとに異なるため、一つのローン審査に落ちても、ほかの審査には通るという可能性があります。
住宅ローンの審査は、職業や年収、年齢などから本人の返済能力をはかり、物件の担保価値を確認するものです。多くの場合、審査内容は非公表ですが、提出書類からどのような項目がチェックされるのか推察されています。
ただし、どの項目を重視するかは金融機関ごとに違いがあります。たとえば、A銀行の審査である項目において基準に達しなくても、B銀行ではそれほど重要視されない項目であれば、B銀行の審査に通過する可能性があるでしょう。
最初から1社のみに絞っていると、住宅ローン審査に落ちたり減額承認になったりして、資金調達が間に合わず住宅購入自体が叶わないおそれもあります。このようなリスクを避けたい場合は、複数申し込みを検討してみましょう。
複数の住宅ローン商品を比較できる
さまざまな住宅ローン商品を比較検討できるのも、複数申し込みのメリットです。金融機関によって住宅ローンの内容は異なるので、金利や返済期間、団体信用生命保険の内容などの条件を比べて、より自分に合う商品が選べます。
たとえば同じ銀行でも、大手銀行・地方銀行など実店舗を持つ銀行より、ネット銀行のほうが、金利が安い傾向があります。また住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携する【フラット35】は、全期間固定金利や保証人不要、繰り上げ返済手数料なしなどが特徴です。
住宅ローンのような多額の融資では、わずかな金利の違いでも、返済総額に大きな差が出ます。借り換えを行う際にも、複数の商品を比較することが大切です。
住宅取得までの時間を短縮できる
複数の住宅ローンに申し込むと、融資がまったく受けられない可能性が低くなるため、住宅取得までの時間を短縮できます。
住宅ローンを1社に絞っていると、仮に審査に落ちた場合、はじめからすべてやり直すことになります。住宅ローンの本審査までには手間も時間もかかるため、住宅取得までの道のりが長くなってしまうでしょう。
特に、購入しようとしている住宅が人気の物件の場合、時期を逸すると購入できないこともあります。複数の住宅ローンに同時に申し込んでおくと、いずれか1社の審査に通過すれば住宅購入の手続きを進められることになります。
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複数申し込みのデメリット
住宅ローンの複数申し込みにはさまざまなメリットがありますが、デメリットもいくつかあります。どのようなデメリットがあるのか、次から解説します。
手間がかかる
まず挙げられるデメリットは、手間がかかる点です。
特に住宅ローンの本審査では、本人確認書類や前年の収入を証明する書類、勤務先や家族に関する書類など、さまざまな書類を用意しなければなりません。金融機関によって必要書類が異なる場合もあるため、1社への申し込みに比べて時間や手間を要するでしょう。
また、基本的に本審査は銀行が営業する平日に対面で実施されます。複数の本審査を掛け持ちすると、スケジュール調整が大変になることも考えられます。
複数の住宅ローンに申し込む際は、かなり多忙になることを覚悟しておきましょう。
少なからず心証に影響する
住宅ローンの本審査に複数申し込むと、審査時の心証に影響する場合があるので注意しましょう。
住宅ローンに申し込んだ事実は信用情報機関に記録されるため、ほかの金融機関も照会できます。金融機関がローン審査で信用情報を確認した際、複数の申し込み履歴があると、「本当に自社と契約する可能性はあるのか」「何か理由があって住宅ローン審査に通りづらいのではないか」などの懸念を抱かせてしまう可能性があります。
金融機関の心証が気になるなら、申し込みの掛け持ちは2~3社に抑え、たくさん申し込み過ぎないほうがよいでしょう。
なお、簡易的な調査を行う事前審査なら、複数の申し込みがあってもそれほど問題にはなりません。事前審査を通じて、申し込む金融機関をある程度絞り込んでおくのがおすすめです。
手数料などが戻ってこないことも
住宅ローンの本審査に通っても、住宅ローンの契約をするまでは、その金融機関と契約する権利が与えられているだけの状態です。契約を交わす前に、その先の手続きをキャンセルしてもペナルティはありません。
住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)を結んだ後ではどうでしょうか。ローン契約をした後でも、融資実行までならキャンセル自体は可能です。違約金が発生する可能性も低いでしょう。
ただし、契約書の印紙代や各種手数料は返金されない場合があります。金融機関にも迷惑がかかりますので、やむを得ない理由がない限り住宅ローン契約後のキャンセルは避けるようにしましょう。
まとめ
住宅ローンの複数申し込みは可能です。審査に落ちるリスクを減らせたり、条件の違う金融機関を比較検討できたりといったメリットもあります。
ただし、ローン審査を掛け持ちしすぎると、スケジュール調整が難しくなったり、金融機関の心証に影響したりするおそれがあるので注意しましょう。
事前審査では複数申し込みを前提に取り組み、本審査前にある程度希望する金融機関を決めておくのがおすすめです。
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